今日の市況(2009年05月01日)
麻生総理が中国に訪問し3Gの提供が決まり、大きな成果を上げています。更にEPAの締結にも言及しアジア構想を進めつつあります。朝日新聞によれば、『首相は「アジアは世界で最も大きな潜在力を持った『21世紀の成長センター』。潜在力を存分に生かせる環境を整える必要がある。そのためには、アジア経済をリードする立場にある日中両国の協力が大前提だ」と述べた。』と報道され、最近の政策は動き始めていると考えられます。
一方、遅行指標ですが失業率は増え続け、雇用状態は悪化しています。我々の業界でも「株式市場新聞社」は休刊になり、証券界の厳寒は続いている様子です。証券業務の従事者は減り続け、千代田書店が消えるなど兜町も大きく変化しています。今日、テレビを見ていましたら、この大型連休で資格試験を受ける人がいるとか…。サラリーマンでも、いつ失業するか分からず再就職の準備の為か? 資格を確保しようと勉強するのだそうです。
先日のサムソンの黒字、さらに台湾の半導体メーカーTSMCも、辛うじて黒字を維持したとか…。この環境下での1―3月期が黒字なのです。ところが日本のエルピーダや東芝は競争に敗れているわけです。日本人の競争力が失われています。富士通は自社生産をあきらめ、TSMCに委託することで大幅なリストラ損を計上し、株式市場から評価され株価が上がっていました。ソフトバンクも好調のように決算を見せています。確かに増配をするそうですから、キャッシュフローは良いのでしょう。しかし財務内容は褒められたものではなく、ドコモが本気になればソフトバンクは危機を迎えます。ソフトバンクの方針に見られるように、金融機能が不健全なので投資が起こらずに企業活動が萎縮しています。
ザラ場中に三菱UFJ銀行の減額修正予想が発表されました。500億円の黒字から2600億円の赤字だそうです。同時に三井住友は5450億円で日興証券の買収を決めたようです。大和証券の時価総額を比較するとマズマズの価格で傘下に収める事になります。三菱はユニオンバンカル、モルガンを、野村證券はリーマンを、そうして三井住友は日興証券やオリックス・クレジットをそれぞれ傘下に入れています。この金融危機で勝ち組と称される組ですが結果はあとにならないと分かりません。バンカメのメリルの買収は色々問題を言われています。
お客様の話ではストレステストの結果発表は、4日から6日に延びたそうです。理由は定かではありませんが、日本に配慮したのかも…。FRBの示唆と言うことで、先日、シティーとバンカメには追加資本投入と言われています。金融問題は金融規制や不良資産の処理に焦点が移ります。ただ米国大手銀行の株価を見る限り、様々な困難は株価に織り込み済みとの印象を抱いています。どちらに転んでも株価は健全な動きになるのでしょう。
今日は中国関連株が強かったですね。中国の人口は13億人です。日本は1億2千万ですから約10倍ですね。中国人の一人あたりのGDPは3000ドルを越えたそうです。つまりGDPは日本並みに発達するのです。そう考えるとデカップリング現象の真価は、これから評価される事になります。今日は割安感が漂う商社株が中心に物色されていました。この連休にかたる君は株式のデータを集め、ビスタでレポ―トを書く予定です。先日、ビスタの株式教室で採り上げたチャートの勉強は如何でしたでしょうか? 絶妙なタイミングでしたね。IRNETでは理論的な株価背景を書いておりますが、今日の株価を見る限り原稿をフォローするテクニカル分析も必要でしょうかね?
連休明けに、昨日、予告したような展開になるのかどうか?
投稿者 kataru : 2009年05月01日 18:07