今日の市況(2009年05月11日)
NY市場はストレス・テストを経て銀行の資本不足問題も対処出来そうと言うことで堅調な展開が続いています。私には昨年以降の銀行株の下げなどは、あまり理解できませんでした。景気悪化による与信費用(不良債権処理損失)の増大と言う問題は、バブル崩壊後の規模から見れば小さくのです。赤字の原因は株式の持ち合いをしているために、その評価損が主因ですから一時的な損失の訳で、純資産価値を下回るほど株価が下がるとは思わなかったわけです。しかし、ここに来てようやく邦銀の株価水準訂正を進んでいます。
今日の動きはトヨタ自動車の今期予想が赤字と言う見通しを受けて輸出企業は安かったようです。確かに金融不況の影響は、住宅、自動車などの需要を減退させます。何故なら、金額が大きいのでローンを利用するからですね。しかしトヨタは戦略的に経営の失敗を犯したのですね。米国で省エネ・カーなどの投資をするべき時に、大型自動車などの設備投資をしてミスを犯したわけです。トヨタの驕りが決算に現れたと考えても不思議ではありません。しかし今期赤字予想は行き過ぎでしょう。前期の決算にリストラ費用などを組み込んでいるのですから通常なら黒字の読みが一般的です。
詳しく数字を掲げて解説すれば分かりやすいと思うのですが、面倒なので感覚で書いています。(興味がないので調べてない)この時期の今期決算見通しは、また新しい期が始まったばかりなので、1―3月期を前提として今期の数字を組み立てるので、どうしてもネガティブ予想になります。海運市況などは代表的ですね。バルチック海運指数が戻ったと言っても高値より1/5~1/6ですからね。例えば商船三井の今期の1株利益の予想は、昨年の四季報(秋号)では197円もあったのです。それが今回の会社予想は33円まで下がるわけですね。代表的な例を述べましたが、金融危機前の状況を基準に、どの程度まで業績が回復するか?と言うのが今の相場のテーマでもあるのです。だから、どの銘柄もそうですがリーマンが倒産する前の株価が一つの目標になりますね。この回復具合が早い銘柄を責めれば良いわけですね。
ストレス・テストと言うイベントが終わり、相場は次の段階に動くわけですね。今のところ理想どおりの二段上げに向っている印象ですが、これからどのような相場になるか?
それとも下値のボックス相場に移行するのか? ここから数ヶ月の政策が、株式相場に大きな影響を与える事になります。みずほ証券の上野さんのような悲観論もあるようですが、基本的にかなり安い水準に、株価は位置していますから心配をするような水準ではないでしょう。下のチャートを見れば分かりますが、価格帯出来高を見れば、この壁を越えれば真空地帯に入るのです。だから一気に1万円台突入の可能性もあります。
果たして、どうなるのかな?
投稿者 kataru : 2009年05月11日 21:17