今日の市況(2009年05月12日)
NY市場は資本増強の必要もない銀行までもが相次いで増資を発表し希薄化懸念から銀行株は軒並み安になっていると言います。この点、先駆しているGSの株価が参考になります。123ドルで増資を決めたあと110ドル台に下げていましたが、今は135ドルで推移しています。この後、長期金利が上がりスタグフレーションの懸念が言われるでしょうが正常化へのステップなのでしょう。ただ、みずほ証券の上野さんのような7月にカンフル剤が切れるとの読みをする人も、依然、多くいるわけです。自分の考え方に自信があるならカラ売りをすべき場面になりますね。昨日は価格帯出来高のグラフを載せましたが、当然、弱気筋にとっては今が売り場面になるのです。
プーチン前大統領が来日し原油開発や原子力の協定が結ばれ、東芝などが賑わっていました。依然も書きました。丁度、東芝が1000台で活躍する時ですが、原子力などのインフレ事業は地味な産業です。投資総額が大きく膨らむので儲けも大きいように錯覚するでしょうが、息の長い事業なので基礎力のアップには繋がりますが、株価を大きく押し上げる業績寄与にはなりません。むしろ赤字を垂れ流しているフラッシュなどの半導体の行方が株価に響きますね。生産調整などもあり市況は戻っています。スプットの価格は安値の倍近くまで上昇していますが、まだ採算ラインになるかどうか?年末から来年にならないと分かりませんね。上野さんに見方が正しいなら、絶好のカラ売り場面になります。日立は繰り延べ税金資産の見直しを行いましたが、東芝はしているのかな? まもなく年金の積み立て問題も表面化するかもしれません。
今は相場が強いのでマスコミは強気の話題ばかり集めますが、この先は不透明でどう展開するでしょう。このような書き方をすると弱気のように聞こえるかもしれませんが、かたるは基本的に万年強気です。人間は普通、今より良い暮らしを求め努力するので株は高くなるのが普通なのです。悪戯に悲観論ばかり煽るから、社会が悲観的になります。銀行貸し出しは伸び始め、世界が立ち止まっているので、日本はチャンス到来ですね。アジア戦略を活発化させる会社に注目は集まるでしょう。東芝か…これから増資が始まりますね。東芝と並んで、お馴染みの経団連企業のお仲間企業であるIHIの喪が明けるようです。同じ粉飾でもIHIは増資をしているので詐欺でしょうが、処分はライブドアに比べ軽く済みました。秘書が国策逮捕されたと主張する小沢氏は辞任し、日本がアメリカ寄りの政策を実行していることが分かります。小沢氏の秘書逮捕はアメリカの差し金と言う説がありますね。
非常に難しい判断です。ロシアの経済協力が進んでいますが、ロシアは既に3流国ですね。ユコス社の社長であるホドルコフスキー氏の逮捕や強引と思われるサハリンの国際企業への圧力で支配権を手に入れたり、国際社会から見放されているから日本を頼っています。事業が成功すれば、またチャチャを入れられ支配権を求められるかも知れません。誰だってリスクは背負えないから国が関与するわけですね。まだ、IHI程度の矛盾はましなのでしょう。不理屈な現象にいちいち怒っていては生きていけないかもしれない。最近は社会正義よりあきらめですからね。仕方ない。現実を受け入れその中で対応せねば生きられません。是非、『グラン・トリノ』と言う映画を見てくださいね。
最近はマクロ指標ばかり取り上げるから、面白くないかもしれませんね。人間と言う動物は正論より、娯楽を求めるのでしょう。人気を追えばどうしても低俗になるのでしょう。NHKと民放の差はこの辺にあるのかな? 一般的に解説では金融ショック後の高値9521円がテーゲットとされています。10月に急落する相場に対し公的資金を使って先物から相場を無理やり上げた水準ですね。その後、落ち着きを取り戻し、下値のボックス相場に突入したわけですが、果たしてこの下値ボックスを抜けることが出来るかどうか? 私はこの鍵を中国が握っていると考えています。流石に4月は5918億元と落ちましたが、それでも前年度比26.2%増ですからすごい伸びですね。1―4月期の都市部の固定資本形成が30.5%と言う発表がありました。1―3月期は28.6%だったのです。その数字を上回っていますね。全人代総会は3月だったので、徐々に財政出動が効きはじめている現象でしょう。
上野氏のシナリオを信じるか?
かたるの強気論を信じるか?
要するに投資家それぞれが自分なりに考え、投資行動を選択すれば良いのです。
投稿者 kataru : 2009年05月12日 16:46