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2009年10月30日
10月30日
米国のGDP統計が発表されました。
前日にGSが3%予想から2.7%予想に下方修正したので、市場では意外感があり株式は大きく上昇しました。バークレイズの森田氏など「最後の花火」と表現しピークアウトを打ち出していますが…果たしてそうでしょうか?住宅投資を見るとマイナス23%からプラスの23%と大きく増えており、サブプライムローンの修復が進み始めたことが窺えます。さらに心配していた消費も3.4%と減税効果があるのでしょうが伸びています。そもそも今回の不況は、金融デリバティブの発展により金融のリスク資産が拡大した影響ですから、既に自己資本比率が問われ正常化作業が終わり、住宅投資を見ればわかるように新規の投資が始まったことから、回復傾向は明らかでしょう。悪戯に弱気論を振り回すべきではないでしょう。
日本は少し異質です。
本日の日経産業新聞に東芝の佐々木社長のインタビューが載っていますが、政府への要望で「世界で事業展開している企業が、日本に本社を置いていたいと思える環境を整えることこそ一番大切なことではないだろうか」と述べていました。民主党政権が次々に打ち出す改革はある意味で正しいのでしょう。問題は経営者の事業意欲を削ぐような改革では成長率が上がるのかどうか…。ホンダは早くも国内30%カットを打ち出しました。大企業から税金を…と述べているような考え方では、企業は育ちませんからね。GDPをプラスに維持しないと社会保障費も出ませんから行く末は大変な事態になります。ここが今の株式市場の焦点でしょう。
世界はオーストラリアに続きインドも引き締め体制です。中国も新規の新興市場の値付きを見ればわかるように28銘柄でサーキットブレーカーがかかるほど熱狂的な投資ブームになっています。故に引き締め体制なのでしょう。財政支出が増えるために赤字国債の増発からの金利高は望ましい姿ではありません。ブラジルとは言いませんが、せめて先進諸国と同じような成長力を維持して欲しいものです。本来なら成長力の高い市場を抱える地理的に近い日本は断然有利な条件下にあります。今日は山九が中国の物流を強化する話が新聞で報道されていました。ユニチャーム・ピジョン・コマツなどの中国進出企業の業績は堅調です。ホンダの動きがグローバル企業の展開につながり、日本もアジアも国境と言う壁が低くなれば日本は限りない成長路線に突入できますね。
目先は負の遺産整理を余儀なくされている民主党ですが、成長戦略もチラチラ見えるようになっています。今は僅かに観られる成長路線シーンですが、このシナリオのイメージが投資家に長く植えつけられるようになれば、信頼感が失われた市場にも徐々に資金が戻り始めるでしょう。市場は心配する場面ではありません。何しろPBR1倍以下が67%もあり、黒字で配当しているのに32%もPBRが1倍以下なのです。この水準から更に下を考えることは、かなり無理なシナリオですからね。強気に年末年初の相場に取り組むことが好結果をもたらすのでしょう。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年10月29日
10月29日
この所、米国の指標は予想値に対し、実体は悪い数字が出ているケースが多いですね。
市場経済は常に修正されています。予想より実態が悪い場合は、当然、株価は下がりますし、予期せぬ結果は株価を動かします。そうして実体と株価は鞘寄せをします。過剰な期待が修正されるパターンが今の米国市場なのでしょう。
SOX指数が下がっていると言っては、東芝が売られたり…。日和見主義の日本らしい動きです。この時期はクリスマス商戦後を考えるので、季節的に弱くなりやすいのでしょう。しかし足元の半導体市況は依然、強いですね。本家本元はDRAMのスポット価格でしょう。最近は中国経済が世界経済の需要を左右し始めています。米国のGDPは1300兆円、中国は550兆円なので半分以下の水準ですが成長力が違います。自動車販売によく現れていますね。台数の比較では中国が世界ナンバー1ですね。日産自動車では1-9月期の販売は前年度比35.2%増の54万1428台ですが、7月以降は60%を越える売上の伸びを示しています。2交代制から3交代制と増産シフトしていますが、在庫はほとんどない状態だと言います。この話しは後日、詳しく書きます。
今日の本題は銀行株ですね。全般の相場が下がっているのに、何故、銀行株が高いのか?と質問されました。多くの証券マンは空売りの買戻しだと話していました。テレビで日経平均株価の寄与率が高いファーストリテイリングを買い、銀行を売るロング・アンド・ショート戦略をヘッジ・ファンドがしていると解説していたからでしょう。しかし実体は違うと思います。ビスタニュースでは18日号で触れていますが、長期金利の上昇が銀行株の動きを左右しているのでしょう。ここに来て1.24%だった長期金利は1.42%まで急騰しています。理由は財政支出の増大なのでしょうが…。(悪いインフレ説ですね。)株価はスタグフレーション懸念をしているのかもしれませんが、なんどか解説しているホンダの海外移転などが、日本経済の構造転換を即している影響かもしれません。解説は長くなるので、またの機会にして…。兎も角、金利の上昇は利鞘の広がりを示し、銀行の業績にプラス効果を与えます。
わが国の銀行貸し出しは465兆円で、その内、都市銀行の貸し出しは208兆円あります。仮に単純に0.18%の金利上昇は3744億円に匹敵します。おそらく70%程度が大手3行の貸し出しでしょうから…2620億で、1行辺り873億円の利益が膨らむ計算になりますね。調べてみると過去のデータでは金利が上がると、銀行株はあがる傾向があります。2003年5月に0.53%だった新発債は8月には1.47%まで急騰しています。この時の銀行株の値上がりは、昔、僕らに利益を与えてくれました。
日本人は保守的で国債投資はしますが、株式は大きく保有を減らしています。その為に機関投資家のポートフォリオは、日本国債だらけです。ここに金利高の恐怖が働きます。仮に1%も、金利が上昇したら大変な事態になりますね。運用者はヘッジの為に債券先物でヘッジ売りを出すでしょうね。それが更なる金利高を生みます。貸出金利は自動的に引き上がりますから、業績はプラス効果になります。反面、大手銀行は大量の日本国債を保有しているので含み損が生まれます。しかし適度の金利上昇は銀行にとってプラス効果の方が大きいでしょう。
鉱工業生産指数は上昇を続け85.1となっています。足元、多少緩んでも二番底にはならないでしょう。理由は中国経済の自律的な成長が続くと考えているからです。財政出動が民需を押し上げているから年率30%以上も自動車が売れているのです。日産の中国工場は3交代ですよ。この事実を良く吟味しないとなりませんね。米国株に揺れる日本株は世界で一番優位な地理的位置にあるのです。
2009年10月28日
10月28日
米国では消費者信頼感指数が発表され予想数字(53.1)より悪く、47.7だったと言います。一方、住宅価格は順調に回復傾向を示していますね。しかし11月には住宅に対する補助金が切れます。ここに来て当然ですが二番底懸念が薄れているとは言え存在する訳で、その懸念は失業率などの遅行指数である雇用統計にあります。今日、発表された消費者信頼感指数の項目で「仕事が豊富にある」から「仕事を得るのは難しい」との回答比率がマイナス46.2となり、1983年以来26年ぶりの悪化と伝わっていますね。
また『米不動産調査会社のフォーサイト・アナリティクスは21日、米国の不動産関連ローンの延滞率は7~9月期も上昇が続いたとの分析リポートを発表した。延滞率は住宅ローンで前期比0.8ポイント高い11.0%、法人向け不動産ローンでは同0.6ポイント高い4.7%と予想。昨年以降、延滞率が急上昇している建設業者向けローンは同1.9ポイント高い18.2%まで上昇したと見込んでいる。』との報道もあり、完全復活まで、まだ時間がかかるのでしょう。金融機関が強くなければ経済活動は停滞します。
今日の一番人気は、人気が冷めてきた東芝でした。フラッシュの価格は高いですが7-9月期が黒字とは言え営業利益の数字で最終利益は赤字ですからね。二番人気のホンダとは評価が違います。今日は富士通、ファナック、野村などの決算が注目されますね。どんな感じだったのでしょう。まぁ、明日の新聞で確認です。市場は弱く新政権に対する不安があるようですね。例えば、金利水準を見ると分かります。民主党政権で社会保障費が増大しますから、財政は悪化するとの読みが働き10年国債の利回りが1.4%台に入ってきました。大量の国債消化懸念を見越しているのでしょう。
オーストラリアに続きインドも金融引き締めの方向性を打ち出しており、出口戦略が何かと話題になります。銀行は相変わらず弱いですね。先日、三菱銀行は株式の評価損などを発表していましたが1264億円の評価損を計上するのですね。しかしモルガン・スタンレーの含み利益は多く普通株を24ドルで買っており現在の株価は34ドルですから、3400億円ほどの含み利益が発生していますね。何れ包括利益で分かります。僕は安いと感じても目先の投資家が多く、どうしても弱含みの推移になっています。
今週、増資の発表がなければ、目先の需給バランス懸念の一つが解消されます。ただ来月は信用取引の高値期日を迎え、どうしても弱含みの展開になりやすいのでしょう。でも真剣に銀行の価値を考えれば、やはりこの水準は安いと思いますね。しかし現実は金融セクターに買いが集まらず、市場にボリューム感が盛り上がらないのは仕方ない現象かな? 今回の臨時国会は、ある意味で分岐点なのです。オバマ来日を、どうやって民主党が迎えるのか? 色々と切り口が豊富で興味が尽きない現象です。
景気回復など簡単ですよ。
金融セクターに利益を与える政策をとれば良いのです。そうして規制を外せば簡単に景気は良くなりますね。現在の政策に気に喰わないこともあるけれど、兎に角、今は鳩山政権を応援します。頑張ってね。早く信認が得られるように…。
2009年10月27日
10月27日
米国は原油安や増資観測で金融株などが下げ、株価が安かったと言います。かなり上がっているので1万円前後の値固めの動きになっているのでしょう。日本は鳩山首相の所信表明演説に具体論が乏しく、草食系発言の指導者では、日本の未来はなかなか見えないと市場は冷淡な反応です。小泉政権の時も最初は下げました。その後、構造改革姿勢が見え始めると株価は上がってきましたね。確かに成長論が欠ける癒し系の発言では、日本株が急騰するわけありません。しかし「コンクリートから人」へのコンセプトは頷けます。
一番、市場関係者が気掛かりなのは、米国との関係でしょう。
ワシントンポストで評価されたような『オバマ政権のアジア政策にて「現時点で(米国にとって)最も困難なのは中国ではなくて日本だ」との米国国務省高官の発言』とのコメントが、市場に陰を落としているのでしょう。世界の金融組織は米国が握っています。東アジア構想も頷ける戦略ですが、どうやって米国のご機嫌を窺いながら新しい成長の糧を見出すか? ここに焦点が集まります。
菅直人の国家戦略室は依然、深海の中ですが、国土交通省は有識者と検討していく「成長戦略会議」の初会合を開き、来年六月ごろに最終報告をまとめ2011年度予算に反映させるそうです。メール騒ぎで失敗した前原さんは一回り成長したかな?
この会議の検討課題は、▽拠点港湾づくりなど海洋国家日本の復権▽海外からの誘客増大による観光立国の推進▽オープンスカイ(航空自由化)の推進▽建設・運輸産業の海外進出による国際化-の四点とか…。拠点港湾づくりと海洋国家の発言は、いいコンセプトですね。東アジア構想とマッチします。
その本命である注目株の商船三井は大幅な減額修正の決算発表をしていました。
これまで2010年3月の最終利益を300億円としていましたが、僅か20億円の黒字と大幅な減額修正の発表になりました。この決算を受け後場から売り気配スタートで、株価は531円まで売られましたが、ほぼ織り込み済みで、その後は反発していました。この予想は為替を90円に、燃料を450ドルを前提に見込んでいました。問題は赤字のコンテナ船です。此方の赤字幅が今後、どの程度、抑えられるかにより業績数字は、大きく変わります。ただ2010年問題から、ここに来て中国やインドと盛んに長期契約を結んでいますね。今日の新聞では日本郵船がインドのタタ製鉄と石炭需要に対応して1.5倍の長期契約を結んでいますね。1.5倍です。先日に報道ではケープ型は28%増の船舶の増加でした。この辺りの動きをどう評価するか? これからの株価を考えるヒントでしょう。
自動車運搬船も回復しているのですが、その主役のホンダも決算を発表しています。期待している中国は、自動車販売台数の割りに数字は渋いものです。ホンダは中国を含めたアジア部門の発表ですが、45億→203億→275億円です。まぁ、35%以上も伸びているから文句は言えません。セグメントを見ると、やはり北米は儲かるのですね。1074億の赤字から71億の黒字が476億円の黒字ですから実に6.7倍です。ビッグサプライズではありませんが、アナリスト予想が通期1300億円でしたから(四季報数字は1000億円予想)この数字を1550億円に増額しておりマズマズの内容でしょう。
今日のように株価が下がると、投資家は弱い印象を持つでしょうが、世界経済は堅調な回復でしょうね。日本郵船が長期契約を結んでいるように、インドの成長は何れ中国のような経過を辿るのです。GDPの推移からみると2年後ぐらいから本格的な立ち上がりと思いますが海上輸送は活発化しますね。リカードの比較優位論を思い出してください。自由貿易の拡大は円滑な海上輸送がなくては成り立ちません。
「ハッ場ダム」を中止して、拠点港湾に投資するのはいい選択です。定期的な海上輸送が整備されFTAやEPAが確立されれば、国境はなくなり少子化問題も消えます。開かれた日本経済が誕生し薔薇色路線に発展しますね。このような動きを、政策が後押して具体的な行動計画に結び付けば、徐々に市場も現政権の信認に結び付いていくのでしょう。
はやく、早く…。スピードをアップして下さい。
2009年10月26日
10月26日
今日から国会が開かれ、鳩山首相が所信表明演説をされました。
要約などは日経新聞にも載りますが全文にざっと目を通すと…
『青森県に遊説に参った際、大勢の方々と握手させていただいた中で、私の手を離そうとしない、一人のおばあさんがいらっしゃいました。息子さんが職に就けず、自らのいのちを断つしか途がなかった、その哀しみを、そのおばあさんは私に対して切々と訴えられたのです。毎年三万人以上の方々のいのちが、絶望の中で断たれているのに、私も含め、政治にはその実感が乏しかったのではないか。おばあさんのその手の感触。その眼の中の悲しみ。私には忘れることができませんし、断じて忘れてはならない。社会の中に自らのささやかな「居場所」すら見つけることができず、いのちを断つ人が後を絶たない、しかも政治も行政もそのことに全く鈍感になっている、そのことの異常を正し、支え合いという日本の伝統を現代にふさわしいかたちで立て直すことが、私の第一の任務です。』と選挙戦前日に流れたNHK放送の遊説シーンが所信演説に載っており、『人間の究極の幸せは四つです。愛されること、ほめられること、役に立つこと、必要とされること。働くことによって愛以外の三つの幸せが得られるのです。』と言う障害者が働く現場の話しを紹介していました。日経夕刊の要約版では伝わらない政策姿勢が感じられました。
「戦後行政の大掃除」と言う言葉を用い改革姿勢をアピールしています。株式市場はこの演説を好感しているわけではないでしょうが79円高になっていましたね。雑誌には様々な観測記事が載っています。斉藤次郎さんの採用は小沢幹事長の顔を立て亀山氏が恩を売ったとか…。ただ東アジア構想を掲げる新政権ですが、具体的な提案に乏しいアドバルーン政治の印象が強いようです。どうやって構想を実現させるか。北方領土問題も触れていましたがどうやって実現させるのか? 兎に角、具体論に欠けるイメージが強いですね。その点、前原氏は着実に業務をこなしている様に感じます。地検から、きな臭い揺さぶりがありますが、神奈川県と静岡県で行われた参議院の補欠選挙でも民主党は2勝し、国民の支持が厚いことを考えれば既得権力者も安易に動けないでしょう。
株式市場をテクニカル面で考えれば、市場は年末年始高に向け動いているように感じます。今日の立役者は材料株のGSユアサです。私はNHKの放送を見ていないのですが、お客様に話しによれば電気自動車が中国で売られている話が話題になっていたそうです。韓国の7-9月期のGDPが発表されており2.9%増だそうです。3四半期連続で前期比プラスに改善するのは2002年1-3月以来、7年半ぶりだそうです。中国経済が伸びておりサムソン電子や現代自動車などが好業績なのですね。今日の二番人気はソニーで、薄型テレビなどが好調なのでしょう。トヨタ、ホンダなどの自動車関連も上昇していました。特に明日、決算発表が予想されるホンダは2900円と確りした動きでしたね。
今週から決算発表ラッシュが始まります。これから2-3週間は決算動向に左右される展開になるでしょう。例えば本日、決算が注目されていた信越化学は、売上が4172億円で純利益は355億円ですが通期予想を未定とするなどの姿勢が、市場関係者の不透明感を誘い株価は安かったようです。この現象を見ると、多くの企業のサプラライズ決算は期待できないのでしょう。第一四半期は世界経済の回復とのテーマがありましたが、回復を前提して動いている市場に、新たな驚きを与えるのは難しいのでしょう。むしろ材料出尽くしで売りが先行する展開になるかもしれません。今決算で注目されるのは、全体の業績数字ではなく地域別のセグメントでしょう。中国経済は内需刺激を実施しており、今日も川重などの話題が報じられていました。
少し難しいかな?
中国が韓国型になるのか…日本型を堅持するのか? 興味があるのです。
輸出入の推移が問題になりますが東アジア構想に絡み、このセグメントの推移は今後の相場観に影響を与えるものです。特に業種では自動車のセグメントに注意を払ってみたいと考えています。明日はホンダ、11月4日は日産自動車、そうして5日がトヨタですね。何故、自動車に注目するのか?
基本的に経済活動は住宅や自動車に、GDPの比重が掛かります。この2大消費財が健全なら多くの産業は好調なのです。薄型テレビではないですよ。テレビは10万円ですが車は100万円ですね。家は1000万円、2000万円です。だからこそ住宅価格などの推移は重要です。
米国では中古住宅販売の数字が発表されており、急激に販売数が伸びてきましたが単価は下がっています。本来なら販売件数も単価も伸びるのが正常な状態でしょう。この数字は強い動向ですが弱点も同時に見える数字のようです。 私が自動車のセグメントに注意を払うことは、意味があるのです。中国の自動車販売の成長力は驚異的な数字なのです。この傾向が続けば、間違いなく世界景気は二番底ではなく、新しいステージに入っているかもしれないのですね。2大消費地の経済動向に揺れる日本は、アジアを取り込むことが出来るかどうか…。鳩山首相は大政奉還発言をしています。新しい息吹を感じる市場になるかもしれませんね。
2009年10月23日
10月23日
NY市場は好決算の発表で株価は堅調に推移し1万ドル台を足固めする動きに入っている印象です。世界の株価は堅調で景気の回復とともに生産高も戻り始めています。特に新興国の需要が強く資源価格も上昇しています。ただ先進諸国は金融危機の影響度が強く残り失業率の悪化から不良債権が積みあがっている印象です。この残高のピークアウトがどの時点に来るのか? ここが次の焦点になるのでしょう。来年になるとの見方が多く存在しますね。その意味で米国の住宅の不良債権比率や差し押さえ件数、住宅価格動向は重要な指標になるでしょう。完全復活はそれからですからね。ただ100年に一度の不況と言うグリーンスパンの発言は大げさなのでしょう。
(昨年の株価高値から安値、下落率と高値までの戻し率、そうして安値からの上昇率を掲載)
米国では第三四半期決算の発表が概ね終りました。予想以上の好調さと言うところでしょうね。DRAM価格の推移など…オバマ政権の経済運営はマズマズの合格点なのでしょう。一方、1ヶ月間しか経っていませんが、日本の鳩山政権の信任は未だに世界から得られていません。ゲーツ米国防長官が来日され沖縄の基地移転問題を話し合いましたが、日本の態度はウヤムヤで結論の先延ばししました。当然、米国の世論の論調は冷たくマスコミは鳩山政権に対し酷評を呈しているようです。その影響もあり外人投資家の動向が鈍いのでしょう。最近、買い越しに転じているようですが世界から見ると明らかに周回遅れの印象です。
しかしよく考えればアジア地域は人口も多く躍動感のある市場を抱えています。地理的に近い日本は先進国の中で一番優位な立場に違いありません。民主党政権の東アジア政策の華が開けば日本株は力強い新値追いを演じる可能性もあります。現在はその為の試練が続いているように感じています。構造改革を先送りしてきた55年体制の後始末を鳩山政権がやっていると言う見方もありますね。JAL問題はある意味で他人任せの日本の55年体制の象徴的な事例かもしれません。JALの年金問題は何もJALだけの問題ではなく未来の日本人の問題ですね。3人で1人の生活を支える時代から2人で1人の生活を更に2人を割る現実が待ち構えており日本の構造改革のあり方が問われているのです。
さて今日の人気株はソフトバンクでしょうか?
ソフトバンクの決算発表は29日ですが注目される焦点はARPU(平均月額利用料)の水準でしょう。しかしソフトバンクが素晴らしいのは目先の数字ではなく夢を追い求める姿勢です。赤字覚悟でナビゲーションシステムへの投資を決定したようですね。携帯電話とナビが一体化して交通渋滞やインターネットが融合されますね。地図情報から近くのレストランが表示されたり…動く情報館が出来上がります。月額280円だったかな?兎に角、赤字覚悟の新しいサービスを展開します。孫マジック期待の決算発表が焦点になっています。
GSユアサの復活など見ると、市場にエネルギーがなく方向観がない相場になっています。ただ、未だに、あまり話題になっていませんが、日本がアジアに近いという地理的な有利さを実感できるデータがまもなく発表されます。それは自動車会社の決算数字です。自動車会社の何に注目するか? この関連は何も電池だけではありません。先ほどのソフトバンクの動きなどもそうですが車が大きく変わる未来カーの電装技術ですね。その恩恵を受ける会社がそろそろ出てくる頃ですね。多くの会社は沈みキラリと光る会社が存在する。ここにも相場の芽を感じる次第です。今週のビスタではその点も考えて見たいと思います。
2009年10月22日
10月22日
今日は中国の統計資料が発表されています。GDPは8.9%の増加だそうです。事前には9%台を予想する声もありましたから、幾分、悪いのかもしれません。しかし日本と同じGDP規模ですから影響力は大きいですね。この背景は経済政策が右肩上がりの成長路線を堅持しているからです。日本のようにジーパンの安売り合戦しユニクロ現象が広がるデフレ社会と大きな違いがあります。下のグラフを見ると如何に金融機能が大切か実感できると思います。
経済を立て直し、株を上げるのは簡単です。規制を撤廃し厳しい検査をやめるのですね。そうしてインフレ政策を採用すれば良いのです。何故、ここに気付かないのかな?
常識に囚われているから駄目なのですね。
中国は資産インフレの国だから固定資本投資が伸びます。今日よりも明日が高いから、努力して頑張ろうと働きます。今日よりも明日が安ければ日本から資金はどんどん逃避し、やがて誰も努力をしなくなります。2003年の強烈な行政指導の債権放棄と言う手法がJALで復活しているのは、日本経済にマイナスですね。本来は民間同士の話で大手銀行は債権放棄するぐらいなら倒産を望むでしょう。担保も確保しCDSも買っている所もあるでしょう。私的整理では倒産と認められず、折角、ヘッジしているCDSは機能しません。日本市場が歪な様子がわかります。CSK、アイフルに続きJALか…。金融庁のマニュアルを守っているのだから、貸し手責任を問われることがおかしいと考えます。市場原理が働かないから日本株は敬遠されますね。
米国の相場はモルガンスタンレーやヤフーなどは好決算でしたが、ロッチデール証券のアナリストのリチャード・ボーブ氏が、ウェルズ・ファーゴは利益が過去最高だが住宅ローン回収業務に関連したヘッジにともない36億ドルと言う多額の利益をあげており、この利益は継続性がないと指摘し、レーティングを引き下げたので全体の株式も急速に下げ始めました。この背景には好決算を織り込み、市場に買い疲れがあるのでしょう。日本は逆に好決算を織り込まずにいるので、徐々に上がると思うのですが…。朝方は安く、午後から自動車関連を中心に東芝なども物色が集中しました。
実は目立ちませんが、設備投資がらみの動きも改善の方向にあります。ファナックなどは空売りを多く含み、そろそろこのボックスを放れても良いのでは…。日本企業も決算時期は近付き7-9月期が注目されます。今日の日経新聞にホンダと東芝の観測記事が載っていました。私は日経新聞の観測記事で痛い目にあった記憶があります。ミツミだったのですが好決算で業績が伸びると日経新聞は観測記事を書き株価を煽りましたが、実際の発表数字は減益だったのです。その後、2日間ストップ安。観測記事はあくまでも記者の予想記事ですからね。会社発表数字と勘違いしないように…。ですがこのケースは稀で、概ね、記事は正しいのです。いよいよ日本でも来週から決算ラッシュになりますね。
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10月21日
米国の新規住宅着工件数が予想の61万戸に届かずに59万戸になり、NY市場は朝方は安くなったけれどエネルギー関連を中心に戻し、下げ幅を縮小させて終りました。明日は中国のGDP統計が発表されると言います。此方の株式は戻り歩調です。世界経済はすこぶる好調で資源関連株が上がっています。
実は海運指標も戻り歩調になっています。BDI(バルティック海運指数)の推移を見ると昨年の第一四半期は9717でしたが、第二四半期は7173でしたが、金融危機が発生し第三四半期は1176、第四半期は1536となっていました。その後、徐々に回復し今年の第一四半期は2631になり、第二四半期は2811で推移しています。過剰船舶問題が背景にあり、5月以降下げ歩調だったのですが、昨日は第二四半期の平均ラインを越えて2832まで、再び回復歩調に転じました。赤字部門のコンテナ船もアジア発が日本発より先に回復し、運賃は値上げ歩調になっています。新興国の経済成長は加速され開発ラッシュが進んでいます。このような背景があり中国関連株は確りしているわけです。昨日紹介した三菱商事などは代表的な例ですね。
先進国より、需要の旺盛な新興国に支えられBBレシオも大幅な改善を示しています。まぁ、クリスマス商戦ですから当たり前ですが…。通常はここからしばらく上がり12月初旬になれば半導体価格も下がるのですが、今年は注目されるのが中国経済の影響力です。中国の需要のピークは2月です。最近は自動車もそうですが、中国が米国を抜いているのですね。東芝が上がっているのは頷ける現象なのです。しかし東芝は別の面もあります。年金債務問題は歴史があり従業員の多い企業が大変です。国債会計基準では2012年までに一括処理を謳っているからです。
JALの再建が話題になっている背景には、年金債務の話しがあります。同業の全日空は年金の抜本改正に取り組み、2003年に年間100億円の人件費削減と1500億円規模の退職給付債務削減を実施しているのです。努力している企業がいるのに、のほほんとしていて最後に公的資金では国民は納得しないでしょう。その為に、現在、話し合いが行われています。実は証券界も企業年金制度がありましたが、とっくの昔に整理して代行返上しましたね。普通の企業は時代の変遷でみんな泣いているのです。JALだけが例外はないでしょう。デフレ政策を採用するから、このような問題が出てくるのですね。早く問題の本質に気付き手を打つべきです。ユニクロ現象が広がる日本は異常な光景です。ルイヴィトン現象が懐かしい。
さて郵便局を民間企業として黒字転換させた功労者の西川さんは退任する事になりました。成功者が追いやられ、後任に元大蔵事務次官の斉藤さんが起用されるそうです。日銀総裁に大蔵事務次官の武藤さんを起用しようと自民党は試みましたが、民主党は「官僚の天下りは絶対にいかん」と言い、猛烈に反対し頓挫したのは記憶に新しい所です。斉藤さんはかなり優秀な方だそうですが…73歳で民間企業の経営経験はありませんね。どうもこの人事は筋が通らないと思うのは私だけでしょうか?
予算編成も税収不足とはいえ、収入の2倍以上に膨らむ92兆円もの暫定値を弾いています。なんだか…北海道の横路知事、東京都の美濃部知事の赤字だけを残した政治を連想するのは私だけでしょうか? このような漠然とした不安があるから、なかなか株価は伸びないのでしょう。自民党時代の官僚政権は利害関係の落し所を捉えていましたが…民主党はこんな事で大丈夫かな? しかし民主党政治は正しい選択で、乗り越えなくてはならない壁ではありますが、ちぐはぐな、かけ違いがチラチラ見えるのが気になります。市場は正直ですからね。
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10月20日
NY市場ではキャタピラーなどの建設機械株が高く、新興国が再び開発ラッシュになっている様相を示しています。2016年のオリンピック決定からブラジルのレアルに世界中の資金が流れているようです。金融危機を受けて資源通貨が大きく売られたのですが、この1年はオーストラリアとともに順調な回復振りです。当然、株式市場もすごい回復振りです。中国株以上になってきましたね。投資信託協会によると昨年の12月に5431億円しかなかった株式や国債投資は、8月末には1兆923億円と2倍の水準に膨らんでいるそうです。ブラジルのマンテガ財務相は、このような金融市場への投資の目的をした海外からの送金に対し一律で2%の課税をすると発表しました。
WTIなどの原油価格が上昇し80ドル台に乗りました。
日本郵船は中国の鉄鋼メーカーと長期契約を新たに結んでいました。このような資源需要の背景から原油が上がり、三菱商事が今日は新値を付けていましたね。中国関連株の活躍です。11月25日にビスタニュースで底入れ宣言をして、金融関連株と新興株とBRICs株に的を絞りました。しかし金融の底入れは3月でした。その後も低迷し、新興株もほぼ横這い、一番良かったのがBRICs関連株で、その時に私は5銘柄を掲げています。新日鐵288円、住友鉱山771円、コマツ1100円、三菱商事1142円、商船三井467円が11月25日の寄り値です。
いい見方ではありませんでしたね。
今回の相場では輸出優良企業を買うのが、一番、良かったのです。
ガイシなどの銘柄ですね。トホホ。世界経済は順調な回復を示しています。自動車を2億5千万台も保有する米国で年間自動車販売で1千万台以下が続くのは可笑しな現象です。一方、自動車ローンが始まった中国は、爆発的な回復状態を示しています。年率で5割も伸びるのですね。しかも9月の販売台数は133万台です。この数字はすごい現象なのです。ブラジルも売れ始め、インドも同じ現象です。やはり注目されるのは利幅が取れる米国なのですが…相変わらず失業率は高く不良債権は積みあがっています。
米国の株高の背景にはこのような現象もありますが、連銀が買い戻し条件つきで国債を担保に金融機関から資金を吸収する「リバースレポを実施している」との発表も市場に安心感を与えたようです。この為に上昇していた金利が0.03%程度下がりましたね。同時に市場に「金融の引き締め時期を示唆していると取るべきではない」と声明を出し、市場に安心感を与えたようです。市場では出口論が盛んに言われていたので金利が上昇していたのです。また揉めているCIT(企業金融の会社)に60億ドルの融資の用意があるとアイカーン氏が書簡を同社に送ったという話も株価にプラスでした。
この時期に大切なことは金融機能を確りサポートすることです。日本だって悪材料の3馬鹿トリオのうち二つの先は見えています。月末を通過すれば、増資と言うもう一つの目先懸念が減り銀行株も急伸するでしょう。金融機能を苛めてはなりません。しかし私のお客様が心配する理由もよく理解できます。「マニフェスト・タリバン」だと民主党は地方からは恐れられています。産業のない地方経済を支えているのは、公共事業投資ですからね。死活問題です。しかも建設従事者は高齢化しており、なかなか転換できませんから不満は溜まります。多くの識者が懸念する構造転換の痛みとその反動ですね。
実は本日、金融株の信用期日を迎えクロスしました。買値は三菱UFJが491円、みずほが194円でした。トホホ…。儲かる場面もあったのですが、強気を貫くかたる君らしい失敗です。昨日、IBMの話しをしましたね。日経新聞の記事です。その意味でやはり減産対応を発表したホンダの株価は注目されますね。まだ日経新聞には報道されていないようですが…。この株価が3000円、4000円と動けば、日本の活路の一つの現象とも捉えられます。ファースト・リテイリングとともに注目されますね。そろそろ何か新しいスターが生まれても良いと思うのです。このような構造改革が成功するかどうか定かではありませんが、政策的な進展を考えると、市場に新しいスター株が見え始める時期なのですね。実は候補の銘柄はあるのですが…。なかなか見えません。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2009年10月19日
10月19日
今日はまもなく発売される「ウインドウス7」の話題です。
タッチパネル方式が採用され、市場ではKIMOTOなる博打株が上昇しています。本来ならパソコン用が主流ではありませんが、これからパソコンのタッチパネル方式への販売拡大が見込まれる日本写真印刷やアルプスなどが注目されるべきでしょう。実は半導体の価格推移が好調なのです。DRAM価格は「DDR2 1Gb 800MHz」は2.58ドルのスポット価格です。しかしこの市況は販売価格ではなく、実際は1.81ドルで販売され、今は損益分岐点を多少上回る水準でしょうが、市場は様変わりを示しています。そのために、当然、フラッシュの価格も上昇していますから、東芝が人気になっています。
面白いものです。東芝はJALに次いで年金債務の負担が重いと言われており、一時は債務超過と噂されていました。そのJALは年金債務を見込んで再生計画を立案しています。
そのような状態だったのに東芝は増資で不安がなくなり、市場の人気株になるのですから…。今日の一番人気は東芝かと思いリストを眺めると…、あれ? 一番人気は三菱UFJ銀行なのですね。まぁ、一番人気と言う表現は、誤解を生むかな? 売買代金が一番と言うことですから。三菱UFJは強弱観が対立しています。アコムなどの株式評価損が膨らみ中間決算数字は悪いと言われており増資も噂されています。実は銀行株についてメールを頂きました。残念ながら、メールの相談は受け付けておりません。
銀行株は景気の変動に収益が左右されやすい業種です。しかし常識で物事を考えれば誰にでも容易に想像がつきますね。150兆円も総資産がありますから、投下資本からの回収率を1%とすると1兆5千億円の利益をあげられる体質を持っています。実効税率を40%とすれば、純利益9千億円の企業ですね。PER10倍で9兆円の時価総額が適正水準でしょう。それでは、何故、安いのか? 経済政策への信認がないからですね。鳩山新政権が市場から信認を得られれば、当然、株も上がるでしょう。民主党の基本政策は、内需振興ですからね。銀行がもっとも潤うのは道理です。あまり細かい目先の株価の動きで一喜一憂すべきではないでしょう。かたる君は下がれば買い続けます。お金は無制限にありますから…。
自分で調べれば良いのです。日銀のホームページは統計資料が載っており都市銀行の融資残高はそう増えていません。理由は検査マニュアルが厳しく融資できないのです。JALの債権放棄問題で銀行株が売られましたが、大手銀行の三菱銀行は一番融資が多いですが572億円しかないのです。大手銀行は検査が厳しい為に、引当金を積まなくてはなりませんから、返済期限が来ても融資を減らそうとしていました。その為に日本政策銀行が肩代わり融資をしていたので、2294億円まで膨らんだのでしょう。3000億円のカットで37%ですが、財務省などの反対で、今日の新聞では2000億円まで減っているようです。カット率は24%ですね。最大で137億円まで三菱UFJ銀行は減りました。3000億円の利益の内137億ですから4.5%ですね。株価は明らかに下げすぎですね。別にJAL問題の動きだけで影響されているのではないですが…。JALに連動する株価は明らかにおかしいのでしょう。
しかし市場は人間が動かしており、ムードで株価は上下しますからね。信用買い残が重いから株価は動きます。しかし信用買い残と言っても、みずほで4億5千万株ほどですね。たかが900億円ですからね。外人ファンドが少し買えば直ぐになくなる金額です。民主党政権の政策は正しいと思います。私のお客様を含めて反対の声をよく聞きますが…構造転換は必要です。紙面がないので全部書けませんが…10月8日の新税調初会合で鳩山さんは「今までのような利権がうごめくような会議にしてはいけない。」と述べており、原口総務相は「中央に金を集めて官のみで分配するシステムを変えて、公益法人の担い手は官のみではなくNPOの皆さんもいる。中央のお金を中抜きする無駄使いではなく、国と地方の関係を変えるチャンスだ」と述べていました。この発言は重要ですね。
まぁ、掛け声だけなら誰にでもできますが、新政権は実行力を試されています。エコノミストには「鶴(JAL)と亀(金融庁)」のレポートが載り、今の不安を的確に捉えています。だから株価は低迷していますが、まもなく臨時国会を無難に乗り切れば、新政権に信頼感を市場は感じ、株価は上昇するでしょう。一部で反乱の話しも聞きますが…内閣の支持率が高く新政権が発足した間際で、仮に既得権力者達が蜂起すれば、どう考えても返り討ちに遭いますね。既得権力者は馬鹿ではありませんから、だから、じっと失敗を待つでしょう。小泉政権のように…仕掛けをじっと待ちますね。
新政権の政策は時代の流れの背景があります。
例えは日経新聞の一面でIBMの話が載っています。とうとうホンダは国内の系列部品メーカーに70万台の生産対応を指示しました。この話しは、少し解説が必要でしょうかね。ホンダのピーク時の国内生産は130万台ですが、現在は100万台。埼玉県寄居町の新工場の稼動を12年以降に延期したのです。新政権の対応が実体経済に現れています。この方がメーカーとして収益が確保できますね。既得権力者の反対派は3兆円の予算停止や、このような空洞化の動きで新政権の政策を責めますが日本には構造転換は必要です。郵政民営化を旗印とする小泉改革で日本の構造改革に失敗しましたが、政権を変えてまた挑戦です。既得権力者は馬鹿でないから、やがて自ら変化します。だから日本経済に躍動感が戻りますね。
これでメールへの回答とさせて頂いて良いでしょうかね?
株に対し、そんなに心配は要らないでしょう。株は不安がある時が一番、買い場なのですね。「強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感とともに消えていく」いい文句です。この言葉の意味を良く噛み締めましょう。
2009年10月16日
10月16日
NY市場は非常に強い展開です。
当然のことながら好業績銘柄への利食いをこなし、景気敏感株がセオリーどおり買われている展開ですね。グローバル展開をしているIBMの7-9月決算の地域別売上は、米国が5%減、欧州・中東・アフリカは12%減で、アジア・太平洋は横這いだそうです。IBMの決算は前年同期比で14%増の純利益ですが、この数字は予想を若干上回る程度です。この数字から現状の世界景気の動きが垣間見れます。
GSの純営業収益の数字はよく前年同期比(6-8月期:決算期変更)の2倍の123億7200万ドルで、予想数字の110億1700万ドルを大きく上回りました。過去最高の昨年の4-6月期の数字より12%減少とのことです。トレーディングは好調でしたがM&Aが低調で金融助言業務部門が伸び悩んでいます。
米国クレジット会社のキャピタル・ワンの9月の貸し倒れ償却率は0.45上がり9.77%になっており、延滞率も0.29あがり5.38%となっています。『米不動産調査会社リアルティトラックは15日、7~9月期の住宅差し押さえ件数が、前年同期比22.5%増の93万7840件に上り、2005年の調査開始以来、四半期ベースで最多だった』と伝わっていますが、7-9月期のシティーバンクの貸し倒れ引き当ては、前年同期比で2%増えていますが4-6月期より28%も減っています。このような現象はこれからの相場展開を考える上で非常に重要です。
為替が方向転換したようで円安方向へ傾いています。
基調は円高なのでしょうが、目先は93円程度まで振れると推測されています。本日の日本株市場は昨日の流れを引き継いでいる様子でJALや銀行は安かったですね。本来なら円安に振れたので輸出企業が買われるかとも思いましたが実際は利食い調整になりました。反面、日経平均株価を支えた立役者はファースト・リテイリングのユニクロです。ただ消費関連ですから劇的な業績展開とはならないのでしょう。ファンションの本場であるパリにも出店し本格的にグローバル戦略を歩むのでしょう。
日経新聞に海運の赤字拡大観測が載っていましたが、業績悪化にも拘らず株価は確りしていました。需給バランスが改善するとは、こういうことなのでしょう。JAL程度の報道で(損失は多くない)売り込まれる銀行の需給バランスは、かなり悪いのでしょう。私は今日も銀行株を買っていますが、目先投資を実践する場合、需給バランスは重要です。例えば、今日は円安修正の展開にも拘らず下げていたハイテクや輸出株の動向は売り残が増えており注目される場面もあるでしょう。株式相場の基調は上昇傾向なのでしょう。
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10月15日
米国市場は順調な回復振りを見せています。
日本だけが二番底懸念を叫んでいますが、世界では既に二番底はなく新しい世界を目指しているようです。その理由は新興国の躍進ですね。中国だけでなく、インドやブラジルは成長を加速させている印象です。故にインフラ整備に欠かせない鉄の需要は伸びるばかりです。リオティントは生産目標を引き上げています。米国の株価は1万ドルの大台を回復しました。NY市場は3月の安値から見るとS&P業種別株価の上昇率でトップは金融で152%の上昇です。二番目は素材で79%と並んでいます。理屈通りの展開になっています。47ドルのGSは192ドルへ上昇しました。リーマンの破たん前が154ドルですから完全復活ですね。
一方、日本は新政権が発足して1ヶ月が経過しました。(9月16日を基点)
この1ヶ月間の動きをS&P500種株価で見ると、ヘルスケアがマイナス1.1%でトップですが金融は23.8%のマイナスで最下位の有様です。TOPIX型では売られているJALの影響で空運が14.1%のマイナスで最下位で、トップは鉄鋼の2.6%プラスです。今日の相場もJALの再建計画の影響か…銀行株は冴えない展開でした。
スキームの中身は今月末で明らかになるでしょうが…、予想以上の債権カットを求められると推測されています。しかし大手銀行の貸し出しは日本政策銀行に振り変わっており、丸々棒引きでも一行あたり500億円ぐらいのものです。JALの有利子負債は3月時点で8015億円、報道されているようなら棒引きは3000億円ですから、カット率は37%カットですね。つまり三菱UFJは572億円ですから211億円、みずほは526億なので194億円、三井住友は372億ですから137億円ぐらいのものなのでしょう。
貸出債権は株式化されるでしょうし、引当金を積んでいるので業績への影響は微々たるものでしょう。
それでは、何故、売られるのでしょう?
私には理解できません。返済猶予の法案は政府保証制度を利用する方向に傾いており、銀行にはプラスでしょう。特別利益の計上も考えられます。何故なら、既にこのような要注意債権は引き当てを積んでいるので、その引き当てが必要なくなりプラス要因になります。後は自己資本比率の問題ですが…2012年の話しで実施しても20%程度の話しですから慌てることかどうか…。しかし一部ですが三菱UFJには増資観測もあるようです。本当かな? むしろここに来て長短金利差が広がり、銀行にとっては追い風の現象になっています。東京海上アセットマネジメント投信の田倉達彦執行役員は銀行株の反発を予想していますね。その理由は下のグラフです。2003年のパターンに似ているとの事なのでしょう。この銀行株高予想の背景の「長短金利差の広がり」は説得力がありますね。
さて注目されるのは新興市場の勢いです。オリンピック開催を決めたブラジル、GDPの水準が上がり始めたインドは、こらから、中国のように成長期を迎えます。上海万博を控える中国の消費はすごい勢いですね。中国汽車工業協会の発表では9月の新車販売台数は前年同期比77%増の133万台ですね。月次ペースとして過去最高を更新し7ヶ月連続で100万台を越えています。GMの1-9月期は前年同期比55%増の129万台を販売したのです。この数字はすごいのです。何を言いたいか分かりますね。自動車産業の裾野は広く、産業界に大きな影響を与えます。上昇相場を前提にしたビスタの今週の参考株リストから早くも新高値更新銘柄が出ていますね。三菱電機に安川電機と株価は順調に上がっています。更にあのリストでは…次は○○自動車なのでしょうね。誰も褒めてくれないから自画自賛、なかなかいい着眼点のスクリーニングでした。
金融セクターが弱いので、本格的な上昇相場に移行するか定かではないですが、少なくとも空売りをする市場環境ではありません。JALにしても…2006年に公募を実施ししており、国土交通大臣自らが、国の過失責任を認めていますから、僕は株主責任を取らされるとは思いません。仮に株主責任を求められたら、大臣の言質を盾に訴訟問題に発展します。この大臣発言とは地方空港の話しですね。相場の読みは常に二面性が存在します。売る論理もあれば、買う論理もあるのです。どちらを選択するのかは、人それぞれ…。相場は年末年始相場に入るのでしょう。
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10月14日
米国では決算発表の季節になり、概ね予想以上の決算が期待されますが、株価は事前にこの傾向を織り込んでおり、どの程度の反応をするかどうか…。
例えばウィンドウス7に刺激されたインテルの7-9月期は売上予想90億15万ドルに対し実際は93億89万ドルで、粗利率は54.5%予想から57.6%と非常に良かったですね。一方、10-12月期の市場予想は事前の95億ドル予想から、会社は101億ドル予想を引き上げており、粗利益率は56.7%から62%の予想と市場予想より引き上げています。半導体価格が高くなっており、業績好調な理由は市況から窺えますね。おそらく株価も19ドルラインより、居所をもう一段上に変えると思います。
日本でも、まもなく決算発表があります。
3月決算でビック・サプライズはホンダでした。そのホンダの決算発表は10月27日に予定されています。更に良かったのが三菱電機で此方は10月30日ですね。7-9月期で注目されるのは中国経済の動向でしょう。多額の財政出動から補助金政策で消費を刺激している中国の株価は色んな批判はありますが、私は上がると思っています。故にビスタで紹介した銘柄を注目しています。市場は非常に弱いですね。理由は民主党政権が市場の信任が得られないためです。景気刺激のための補正で3兆円も削りますから、かなりの需要が減りますね。多くの人は一段と経済が冷え込むことを警戒しています。
信認が得られない理由は、亀井大臣の「貸し渋り・貸しはがし法案」などの動きで、今日、報道されているJALの債権放棄なども、官の強引な介入です。役人が民間の決めた事に口を挟み、損失を銀行だけに押し付けるやり方はいただけません。JALの再生決定に竹中チームが投入されており、彼らが手掛けたスキームのカネボウやダイエーは、その後、どうなったのでしょうか? 旧政権の失政のリカバリーとは言え、この辺のやり方が市場から理解を得られていないのでしょう。ただJALへの融資は日本政策銀行の融資が2294億円と多いですが、大手銀行は三菱UFJが572億円、みずほは526億円、三井住友は372億円と…3月時点では発表されています。まぁ、多いけれど全額免除するわけじゃないし、きっと免除の差し替えで株式化でしょうから…。市場が気にするほどの影響もないでしょう。
でも長引く政策不況で、実に市場は深刻な状況ですね。何故、そう感じるかと言えば、TICK回数の水準が非常に低いのです。TICK回数とはカチャ、カチャと株価が激しく値動きする様子を示しており、市場にエネルギーがなく先物の動きに振り回されている感じですね。トホホ…。そろそろスター株が欲しいですね。そんな状況の中で、今日の一番人気は実弾売りを出せるようになった野村證券です。僅かな儲けで株を売る人種がこれほど増えているとは…。確かに野村は強弱観が対立しやすい銘柄で、どちらに転ぶか分かりませんが、少なくとも2億株を超える売買高は、目先の売り物を吸収し買うセクターが存在することを示していますね。今日は絶好の買い乗せ場面だったのでしょう。
まぁ、銀行が売られるようでは、経済が活性化しません。経済が上向かなければ、民主党が来年の選挙に勝てる道理がありません。国民が小泉内閣に期待したけれど、駄目だった自民党に仕方なしに見切りを付けたのです。ピンチ・ヒッターである代理人に与えられるチャンスの時間は非常に短いのでしょう。株価は政策のバロメーターですね。早く、早く。市場は民主党政権の動きを見ていますが、ひょっとすれば、バラ色相場に発展するかもしれないのです。少子高齢化の日本問題を吹っ飛ばすFTAやEPAは、日本の成長のための起爆剤になる可能性を秘めています。国境なんか古い考え方になるのです。
2009年10月13日
10月13日
NY市場をはじめ、世界景気は順調な回復振りを示していますが日本株だけが出遅れています。原因は新政権に対する信認でしょう。新政権は予算削減を打ち出し、デフレ・スパイラルさえ思わせる負の部分からスタートしました。本来は景気の悪化局面ですから、穴を掘っても、ただ埋めるだけの無駄な投資を実施しても雇用を確保すべき時に、既に始まっている公共事業投資を次々に止め予算を削減しています。だから株価は反応しません。「合成の誤謬」ですね。民主党の政策は正しいと思いますが空回りしている印象です。
市場は内需に影響が薄い、輸出銘柄の国際優良株が中心の相場展開になっています。通常、そろそろ半導体需要などはクリスマス商戦の終了で落ち込む時期ですが、今度は旧正月明けの中国需要を睨んだ動きが背景にあり、例年より強い相場展開をしているようです。故に半導体価格は高値を更新しています。エルピーダは公的支援の会社ですが、エレクトロンも東芝も確りしています。今日は苦戦している自動車株まで買われていますね。中国に力を入れている日産自動車やホンダが注目されます。
一方、9日に政策発表と伝わっていた返済猶予の貸し渋り買い剥がし法案は、具体的な発表がなく失望に変わっており、期待していた銀行株は元気がありません。アドバルーンは誰にもあげられますが、実行は難しいと言うことでしょう。最近は前原大臣の発言が市場に度々登場し、今日は「国際空港を成田から羽田へ」との発言から、日本空港ビルディングなどがストップ高していました。他にはレーティングを引き上げられた新日鐵やパイオニアも賑わっていたようです。しかし全体は好環境にも拘らず、盛り上がりを欠く展開でした。
さて今日は13日です。
野村證券の払込日なので、予てからお約束しておりました野村證券の考え方をご紹介します。先ず、私はいつもの様に値決めの当日から株式を買っておりますが、非常に危ない投資だと思っています。野村證券が危ない?と言うと誤解を生みますが、それほど、現状は逼迫した状況なのではないか?と推察しています。逆説的に言えば、だからこそ面白い存在でハイリスク・ハイリターン投資の銘柄だと、お客様には説明しております。理由は6年にも及ぶ歳月の中で、一度も営業キャッシュフローが黒字になっていません。つまり野村證券は、本業では儲けずに財務(借金)キャッシュで食べている会社なのです。
現状の証券界は何処も似たようなものです。本業で喰うのは至難の業ですね。だから野村はリーマンの買収で投資銀行の道を歩み始めたと解釈しています。つまり投資銀行とは、自己勘定で投資して利益をあげる。自分で相場を張る証券会社と言うことです。この7年間、野村證券は3兆8369億円もの営業キャッシュフローの赤字です。一方、大和証券は堅実に1兆9111億円の黒字です。野村證券はリーマンの買収など、次々に大口の投資を財務キャッシュ(4兆8791億円)で補っています。更に失敗が多く、この7年間の黒字額は910億円しかありません。大和証券が2830億円黒字を計上しているのに対し、きっと投資がこげ付いているのでしょう。更に近年、増資や劣後債の発行などを繰り返し、そろそろ市場から結果を求められる時期で、失敗すれば、後がないとの印象も抱きます。
では何故、私は野村證券を買っているのか?
理由は今回の増資資金で更なる投資をすれば、利益を挙げられる環境だと言うことです。例えば…『全米不動産投信協会(NAREIT)によると、REITの代表的な指数の総収益率(株式値上がり益と配当を元本で割った比率)は7~9月期が31.52%と、四半期ベースの過去最高を更新した。昨年10月から今年3月まで2四半期連続で2ケタのマイナスを記録したものの4~6月期以降、急速に持ち直している。』と報じられています。現実に米国金融は軒並み高をしています。つまり4350億円も自己資本が増えるので、10倍のレバレッジを掛ければ4兆円以上の投資ができます。いくら運用が下手な野村でも、この環境下なら10%以上に回すことが出来ると言う読みが背景にあります。投資銀行業務は半導体のように、良い時は非常に儲かるのです。
仕手化しやすい環境が背景にありますね。
しかし世界経済が悲観的なシナリオを選択して二番底に向えば、投資した物件から利益ではなく、更なる損が生まれ野村證券は第二のJALみたいな存在になるかもしれません。つまりそんな存在なのですね。果たして皆さんはどう判断をするのか?
株には、このように常に強弱観の二面性があります。
日経新聞は野村證券の負の面を書きません。お仲間ですから…。東芝は経団連の輩出企業ですから日本の仕組みでは、JALに続き年金債務問題を抱えているとは…日経新聞も書きませんね。日経ヴェリタスには年金債務の問題が触れられていましたが、リストには載っていませんでした。基準の取り方で色んな見方があるからでしょう。一方、フラッシュ価格は好調で、今は好景気に沸いています。常に株には二面性があります。売りと買い、どちらの見方もあるのです。どちらを選択するか、人それぞれです。
2009年10月09日
10月09日
景気回復が続く世界の動きは、現在、何処まで生産活動が戻るか?と言う段階なのでしょう。米国では消費が戻り始めています。米国でも日本と同じように安売り小売り企業の「ターゲット」などが好調のようです。デフレ傾向なのでしょう。
ここで経済指標を見てみましょう。
昨日は景気ウォチャー調査が発表になり、シルバーウィークの影響で旅行業が好調で、エコポイントなどの補助金政策が効いているようで、前月比プラス水準に戻りました。注目されるのは、「悪くなっている」と回答する比率が減っています。6月から13.5から9月は10.8と…。まもなく10を切りそうですね。2007年12月から悪くなっていると回答する人は10を越えていますが10月がどうなるのでしょう。この分では久しぶりに10を割れるかもしれません。実は2003年5月が12.3だったのですが2003年6月は9.3と回復しており、この時に株価は底入れしています。
更に工作機械の受注動向を見てみましょう。
景気底入れを受け若干ですが受注が回復し始めています。しかし設備投資関連はこのように、依然、非常に悪いのです。過剰生産設備を抱え新たな投資を考える企業は非常に少ないのです。この二つの統計は先行指数と遅行指数です。先ずは人間の心理が景気動向を感じ行動を決めます。そうして消費が回復してから設備投資が起こるのです。何故、このような遅行指標を取り上げたかと言えば中国なのです。実は今年は無理だと思いますが、来年には中国のGDPは日本を抜き世界第二位になります。世界で一番地理的に恵まれる日本は政策さえ、普通に実行すれば世界で一番、株式が上がる可能性がありますね。目先の細かいテクニカルはどうでも良いのです。
実は「2007年まで株は下がりません。」を出版した時は2005年6月でした。あの時に本当は「薔薇色相場がやってきた」と言う本のタイトルにしたかったのですが…出版社の意向で変わったのです。今は2002年から2003年の時期に似ていますね。政権が変わり、戸惑いが市場にありますが、同時に期待もあります。今度こそ、長期波動のバラ色相場時代になって欲しいものです。東アジア構想を打ちたて、FTA(自由貿易協定)やEPA(経済提携協定)を推進しようとする民主党政権の政策は正しいですね。実行できるかどうか…。その為に農家への所得保障制度なのでしょう。このようなやり方は市場原理に反しますが自由貿易の環境づくりは必要です。
別に円に拘る必要もありません。元紙幣を使っても良いし、場合によればSDRでも良いのです。早く早く…。兎も角、3人で一人を支える前に、ゆとりがあるうちに新しい体制を作る必要があります。納税者総背番号からキャッシュレス社会へ効率化社会の構築です。まだ民主党政権の希望の部分は、子育て手当て程度で、他の政策には、あまりスポットが充てられていませんが、東アジア構想は素晴らしいのです。その為にODAの増額も必要になるでしょう。
このレポートは、あまり銘柄を書いてないから面白くないかもしれませんが、基本的な戦略を掴んでいれば株式相場なんて簡単です。ただ日本市場は理屈で動かない部分もあり…ちゃんとした理論が働くような活発な市場を育成せねばなりませんね。くだらない需給銘柄が、持て囃される時代より、理路整然と政策論争をして語れる市場になって欲しいものです。その為には既得権力者の人は反省しないとなりません。東証はフェアでないと…個人投資家は育成できません。頑張れ!東証。
残念ながら、明日から月曜日までお休みです。
連休中に良く考えて年末年始の相場に乗って儲けて下さいね。ビスタニュースの原稿は、一日早め、明日掲載します。今晩、書きますから…。今週は乗ってもらえたかな? 見事に一番人気だね。火曜日に騰落レシオを掲げた意味をビスタの読者の人は分かってくれたでしょうか? あのリストの上位銘柄が軒並み高でしたね。今週は続編を掲載予定です。
2009年10月08日
10月08日
かたる君は日経新聞により育てられました。大学1年から株式投資をし始め、日経新聞を毎日読むようになり、もう30年以上になります。これまでは失敗の連続です。まぁ、このコラムを読めば分かるわけで…。兎に角、騙され続けてきました。そうしてコラムを毎日書くようになり、新聞の裏と言うか…記者の心境が理解できるようになって来ましたね。同時に新聞の厭らしさも感じるようになっています。
嘘を書いているわけではありませんが、意図的な記事の作成を感じるのです。
例えば、これまでは前年比の比較を用いていたのに、突然、前月比に比較対象を変えて記事を作成します。また四半期別で書く場合と半期別で書く場合と…使い分けているわけです。しかし読者には「赤字が膨らむ」と言う文字が躍ると、実体は改善しているのにも拘らず、悪化していると勘違いしますね。しかしその反面、記事の反応を見て株価の動きを判断できるのですね。
例えば…先日、注目しておりました商船三井が減額修正を発表しました。その翌日の日経新聞の記事は「赤字が拡大」と言うような内容の記事でした。案の定、株価は売られます。私はビスタニュースでコメントを書きました。第一四半期の赤字を埋めきれず、第二四半期は黒字だったが、事前予想のように回復せずに減額修正したと…。そうして株価は500円を割れるかもしれないが、この下げが買い場になり上がると思う…と言うような内容だったと思います。減額修正の発表が9月25日でした。
コンテナ船などは景気回復を受けて改善され、自動車運搬船も遅れているとは言え回復しています。儲け頭のケープ型のバラ積み船は、船舶の過剰から需要以上の供給があり緩んでいましたが、パナマックスとケープ型の倍率が1.1倍を割り込み異常レートでした。だから同社の安岡専務の発言のように、市況は秋口には改善されるのだろうと考えていました。新日鐵の高炉再開などを受けての予想でしたね。そうして本日の日経新聞の記事です。この記事を受けて株価は上がってきましたね。
新聞にはたくさんの有意義な材料が提供されています。
DeNAが米国ベンチャー企業のオーロラフェイントに20%出資すると言います。この意味は非常に大きいですね。オーロラ社はiPhone用のゲーム開発に欠かせないソフトを開発している会社だそうです。DeNAは7月に中国のSNSの会社を傘下に収めています。あれから3年です。着々と進化しているようです。しかし業績面では、当分、成果はないでしょうね。しかしこのような記事は、何れ株価に効いてきます。
今日は雑誌から…
宇沢弘文(東大名誉教授)先生は、痛烈に市場原理主義経済を批判されています。
「市場原理主義は儲けることを人生最大の目的として、論理的、社会的、文化的な側面は無視してもよいという考えである。このような考えはフリードマンの活躍以降、世界の経済学の主流になった。しかも本来、こうした政治・社会的な圧力や変化から自由であるべき大学もが、市場原理主義の流れに巻き込まれた。知性、理性、感性を失い餓鬼道に落ちてしまった大学人も少なくない」
でも半面で市場原理を優先したボランティア活動の「社会起業家」も多く誕生していますね。この点を先生に問うてみたいですね。経済性を無視した行動は続かない。私は株屋ですから市場原理主義者的な考え方ですね。効率的な社会が進歩をもたらすと考えています。日本は世界で一番、共産的な仕組みの残る国です。市場経済化できないから、株が下がり国民は豊かになれないのです。株が上がるか、下がるかと言う目先的な現象より、今の日本は、非常に大きな実験をしているのですね。まるで1989年のベルリンの壁崩壊のような変化を歩んでいるのでしょう。果たして株は上がるのかな…?
2009年10月07日
10月07日
今日のビッグニュースは豪州の金利引き上げでしょう。
金融危機以降、世界で初めての金融引き締めです。通常、金利高は株安になります。しかしこの局面は金利が引き上がると、市場に安心感が醸し出され株高になっています。日本もそうですね。株価水準は非常に安く、信頼感だけで日経平均株価は20%~30%程度は上がるのでしょう。景気先行きに対する信頼感がないから、株が非常に安いのです。先週末は、なんと68%もの株がPBR1倍以下なのです。更に驚く事に、黒字で配当を実施している企業の32%がPBR1倍以下なのですね。理由として考えられるのが、デフレですね。更に資産価格が下がり景気が悪化するとの読みです。今日の日経新聞には珍しく日銀とデフレの話が書かれていました。日本問題の元凶は、ここにつきますね。日本全体が自信を失い、希望がなく活力が生まれないのです。「今日よりも明日、明日よりも明後日…」人間の活力の素は、インフレですね。
資源大国のオーストラリアの金利引き上げは、納得できますね。新興国のインフラ整備が盛んになり原材料価格が上がり始めているからですね。ドル安で金価格が上がっている現象は、将来のインフレ懸念です。ドルの信認が問われているのですが、同時に、世界の中央銀行のばら撒き政策で、この後に起こる現象はインフレです。その動きを感じているから、昨日、今日と、日本の金融株が買われてきました。野村證券のファイナンスの影響も側面にはありますが、本筋はインフレ懸念でしょうね。小学生でも理屈が分かります。世界で一番、デフレで苦しんでいる国は日本です。日本には資源がありません。インフレになれば影響を受けますね。民主党政権にとって世界のインフレは大歓迎ですね。
民主党案が「ばら撒き政策」だと、多くのマスコミやアナリストが述べていますが…分かりませんね。ひょっとすれば、もっとも効率的なお金の配分になるかもしれません。長く続いた55年体制は巧妙に作られた集金システムです。民主党は官僚の天下りを批判しています。本来なら事務次官に3億でも5億でも給料を払えば良いのですが、公に出来ないから隠れた集金システムが存在し、その機能を維持させるのが55年体制です。末端の国民である消費者に還元される前に、中間搾取されるシステムです。
市場経済と言うのは消費者に実権があります。日本は既に社会基盤整備を終えている国なので資金配分を変える必要があるのですが、この24年間、55年体制の維持の為に無駄な時間を使いました。ようやく、小泉政権で実現できなかった夢を、民主党政権で実現できる可能性が高いのです。亀井発言が背景にあり、産みの苦しみを味わっていますが…。ひょっとすれば…、この壮大な実験が大成功する舞台が整い始めているのかもしれません。あとは政策次第です。5日に野村の値決め、9日に金融政策発表が…行われると言われています。市場原理を悪戯に傷つけなければ、過剰な警戒感は杞憂に終わり政策への信認が復活しますね。
冒頭述べました。兎も角、株価水準は異常に安いのです。その修正波動だけで、2割も3割も株価が上がります。いよいよ政策が動き出し、少しずつ市場に信認が戻り始めるかもしれません。業績の見通し以上に「政策への信認評価」を株式市場が採点するのです。このテストに合格できれば、年末年始高は確定です。さぁ、政権への信任投票の開始です。
2009年10月06日
10月06日
NY市場は9月のISM非製造業指数が50.9となり、ほぼ1年ぶりに景況感の境目の50を越えました。これを受けてNY株価は上昇しました。加えてGSがレポートで有形資産が増え、2009年の4-6月期の収益率は2007年比で39%も増加しているのに、株価は36%下げていると指摘して大手銀行株のレーティングを引き上げたと言います。そうなのです。総資産に対する収益力の話しをしているのでしょう。前にかたる君は銀行の収益は、総資産に比例すると述べましたね。覚えていますかね? 通常は資産と収益のバランスが取られるべきですね。邦銀も資産に見合った効率営業の路線を歩まなくてはなりません。既に、これまでの利鞘による銀行業務での収益拡大を望むのは、少子高齢化を迎え無理な時代なのです。果たして、どの銀行が効率化に一番乗りなのか?
実は野村證券は、ある決断をしました。この意味で株価は注目されます。
しかしファイナンス期間中であるので、コメントは差し控えます。払込日の13日にかたる君の意見を述べる予定です。それにしても、何故、日経新聞は値決めが予想される5日に、あのような報道をするのでしょう?
私が野村證券・日経新聞・東京テレビの繋がりを指摘し、既得権力者の集まりとして、時に批判するのは、あのような記事を平気で書くからです。金融庁は記者に厳重注意をすべきでしょうね。更にファイナンスを利用して、投機的な動きをする株価操作も取り締まるべきだし…。このようなファイナンス期間中のコメントも…、どうかと思います。やはり市場はフェアであるべきでしょう。その野村證券は一番人気で、それも飛びぬけての…出来高でした。
注目されるのは日経ヴェリタスの今週号で、さも10月は危ない月だと言う過去のデータを紹介していたので、市場は暗くなっています。何処が底かわかりませんが、過去のデータ上では、既に株価水準は安値圏に位置しているのでしょう。3月に日経平均株価は下値を叩きましたが、その時の騰落レシオは72でしたが、今回は63ですね。勿論、過去には50台の数字が並んでいましたが、しかし50台の数字は、そう頻繁にでる訳じゃありません。昨年のリーマン危機の時に54があり、その前は昨年のサブプライム問題の1月に52があります。確かに日経ヴェリタスが報道したように、ここから最後の下げを演じる可能性もある場面ですが…そんなに暗いかな?
まぁ、どっちにしても、あと僅か…、あるいは既に底を打っているのでしょう。株価はそんな位置でしょう。非常に際どい場面だと言う株価位置ですね。野村證券のファイナンスの意義が、まともなものであれば良いのですが…。このところ、ずっと継続して銀行株を買っているかたる君です。理由は経済の要であり銀行株が下がり、他の株が上がることは常識的に考えられないからですね。しかし…そう思っていましたが昨年の11月からの上昇はハイテクなどの輸出企業だけが中心でした。かたる君の読み間違えですね。
さて、そろそろ7-9月期の決算発表のピークを来週から迎えます。生産が戻っているので増益なのでしょう。ダラス地区の連銀のフィッシャー総裁は景気の二番底を想定してないと述べていました。このまま上昇局面に入るかどうか…まもなく判明しますね。余裕のない人は無理をする必要はありませんがターニングポイントを迎えている可能性も高い時期です。さぁ、年末年始高へ…不安が一掃され、新しい夢を感じられる相場に向かうのでしょう。…と、いつもの様に楽天的なかたる君の上昇理論です。これが常勝理論に変わればいいけれど…。
2009年10月05日
10月05日
米国では予想外の雇用統計の数字でしたが、事前にGSなどによる引き下げ観測があり株価への影響は軽微でした。順調に改善してきた非農業部門雇用者数の減少幅が8月の20万1千人より悪化して26万3千人なり、失業率も9.8%となりました。しかし今年1月には74万1千人も減ったのに比べれば改善しているのは事実ですが、失業者数は遂に1514万に乗りましたね。しかも失業期間も26週間と増えています。
一方、車の補助金時限政策が切れたドイツでは9月の数字発表があり、前年同月比で21%増の31万6千台の新車登録があったそうです。ドイツ自動車工業会は補助金政策の反動による需要減懸念が払拭されたと指摘したと伝わっています。何故、このことが重要かと言えば、二番底懸念はこのような需要に影響されるからですね。V字型回復と言う見方は少数派ですが存在しまだ結果は分かりませんね。半導体価格も好調に推移しています。
一方、国内市場は外需依存の半導体関連株に利食い売りが出て、総じてハイテク株は安くなっていました。野村證券の公募株価が568円に決定され、増資による売り需給が消えた為か、金融セクターの株価は総じて高かったようです。為替はG7を経ても、依然、ドル安に推移しています。今日はオリンピックの結果発表を受けて建設株は総じて安く、ブラジル開催から川重などの鉄道車両メーカーの株式が買われていました。
野村を巡った公募増資に対する見方は二分されています。
損失補てん懸念がある一方で、米国への投資銀行部門の補強など前向きな見方も存在しますが、払い込みが済んでからビスタニュースで書いたかたるの見方を発表したいと考えています。民主党政権に対するマイナス面もあるのですが、基本的に日本は構造改革を避けては通れません。現実は4人で一人の年金生活者を支えており、もう直ぐ3人に一人の時代が来るからですね。少子高齢化は現実の現象で、時間が刻々とやってきます。今は個人金融資産が国の借金を賄っていますから円高に推移していますが時間の問題なのですね。
今日もデフレ銘柄であるファーストリテイリングが好業績の発表を受け株価が高く推移していました。別にユニクロの製品が悪いとかそう言うことではないのですが、なんだか少し寂しいのです。ブランド品が日本で売れるのは、なんとなくリッチな気分になるのですが、安さを売りにする製品の会社の株が上がるのは日本の凋落を感じさせます。何故かな?この製造小売(SPA=speciality store retailer of private label apparel)は、何もファンションだけでなく家具のニトリや自転車のあさひなど…どれも株価が買われていますね。民主党政権が輸出型の製造産業より、消費を増やし内需を伸ばすと言うことはこういう事なのでしょう。日本製品であっても中国やベトナムなどで作り、日本に輸入すれば良いのでしょう。この企業モデルは衣料品だけではなく他の産業も利用できるのでしょう。
今日の新聞記事の中で興味を引いたのは「中国の設備ストック調整は軽微」と言う記事です。鉄鋼メーカーなどが首切りをしているので心配していたのですが、どうも過剰生産設備の状態ではなく、雇用の調整でないかという推測ですね。仮に過剰生産設備でないとすれば、この記事の予測どおり、早晩、中国需要は一段と需要が高まる筈です。そうなれば素材産業が調整を入れていますが、株はここが買い場になりますね。この辺の読みは難しいですね。まぁ、何より金融セクターの株価が上がることは良いことです。
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10月02日
まったく…暗い話しばかりですが、今日は明るい話しを最初にもって来ました。
なんと待望の海外からの受注を三菱重工は獲得した模様です。そうです全日空が付き合いで25機発注しただけのボロ飛行機か?と思っていましたが、なんと米国の大手地域航空会社のトランス・ステール・ホールディングスから100機の大量受注となった模様です。開発費は1500億円以上と言われ、採算ラインは350機から400機と言う話しですが…MRJに国際競争力があることが、これで証明されましたね。最近では炭素繊維よりアルミを使うケースが多いようですね。炭素繊維は優れているのですが加工技術が難しいようですね。先ずは目出度しめでたし。これでオリンピックも決まれば、もっと良いけれど…。そのオリンピックは、最初の15歳の少女の登場は、環境問題を訴えるもので面白いプレゼンでしたね。
さて米国では日銀短観と同じようなISM製造業指数は発表され、予想値より悪く株価が売られたと言います。しかしISMは単なる切っ掛けで、もともと高値圏にあるNYダウ平均株は調整を欲していました。上海総合株価指数が一足先の調整に入ったように、おそらく、今の市場経済を引っ張っているのは中国経済の動きでしょう。その中国は現在、共産党建国60周年でお休み中ですが、この株価指数が注目されます。さてISM製造指数は50が景況感の分かれ目と言われています。今回の数字が予想より悪かったと言っても52.6となっていますからね。最近の動きは下のグラフですが…。もっと期間を長くしたグラフはあまり見た事がないでしょうから、載せて見ました。このグラフから分かることは「100年に一度の大不況」と言いますが、かなり大げさな表現だと言うのが分かりますね。
米国の指標で注目されていた9月の自動車販売台数は、前年同期比22.7%減の年換算で922万台と、再び1000万台を割り込み補助金特需の反動が表れている様子です。ただ10月、11月は家電製品の補助金制度が開始されますね。
さて東京市場は、株価を支えたハイテクの利食いが入り下がりました。前から安かった金融株も下げており全面安の動きで、売り物もないのでしょうが買い物も薄く、どうしても株価は弱くなっています。長いデフレが力を奪っている様子です。先日、述べたエレクトロン買いの銀行売りのロング・ショート戦略の手仕舞いが続いているとの見方もありました。考えてみれば市場はかなり戦略的な動きに影響されています。最近ではコンピュータの自動発注なども多いと聞きます。この銀行株には、こんな見方もあります。銀行株のPBRは東証一部平均に比べ25%の割安水準で、仮に新BISで増資が必要になり実施したとしても、20%で充分足りるので既に株価は増資懸念を織り込んでも、割安水準に突入したと言う見方です。(みずほ証券 北岡さん)この話しは、かなり説得力がありますね。
私は2012年の話なので、この材料で株価が下がることがおかしいと考えています。今、増資をする必要は何もないのです。それでは野村證券は、何故、増資を行うのでしょう? この点はビスタに見解を述べる事にします。何しろファイナンス期間中なので自粛しないと…。株価が下がると何故か、体が燃えてくるのが分かります。そろそろ本格的なセールスを…と考え、何人かのお客様に電話をかけ始めました。本格的に株価が上がる為には、前提条件がありますからね。先ほど中国株を見ていましたが、この調整下でも中国工商銀行の株価は高い位置ですね。タイの銀行に対しTOBをかけたと言います。邦銀も自分の支店を構築するより、インフレで成長力のあるアジアの銀行を買収すれば良いのです。中国はすごいですね。
今日はある中小企業の現実を掲げます。
この会社は家族経営で建設業ですから斜陽産業です。黒字を維持するために、働いている奥さんの給料をカットしました。それでも足りずに経費節減するために事務所を個人から会社名義にして家賃を削りました。尚、足りません。仕方なく社長の給料をゼロにしてようやく均衡し黒字を維持しました。しかし現実の景気はどんどん悪化しています。社長は言います。これ以上、売上が落ち込むなら子供達の給料を削り黒字を維持しなくてはならない。赤字になれば廃業しなくてはならないよ。と話しているそうです。同業他社の社長は腹をくくり事業を閉めると言います。そうして工場をアパートに建て替え会社を廃業すると言います。長引くデフレは活力を奪い、やる気をどんどん奪います。人間の活力は「明日は良くなる」のあすなろ物語です。
『気がつくと、二人の死体の右手に、杉の木立に混じって、翌檜の老樹が一本だけ生えていた。 鮎太はいつか冴子が家の庭にある翌檜の木のことを、「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それで明日なろうというのよ」と、多少軽蔑を込めて説明してくれたことが、その時の彼女のきらきらした目と一緒に思い出されてきた。』(あすなろ物語より)
今日も愚直に銀行株を買っている。
2009年10月01日
10月01日
今日は多くの材料があるのですが遅くなりましたから、重要な事だけを述べて終ります。日経報道によると返済猶予は常識的なラインに落ち着きそうです。加えて国家戦略室がアナリストとの談話の場を設けるとの事で市場経済化の動きが見られます。JALの緊急記者会見は官僚組織を使いきれない民主党政権の失点ですが、クレジット拒否を受け直ぐに記者会見したスピードはある意味で評価できるでしょう。この3つからかたる君は強気に見方を続けており、今日も銀行株を買い続けていますが株価は下がるばかりです。
この背景は民主党政権の力量が分からずに、補正予算の執行停止が景気の急激な落ち込みを誘うと言う見方が背景にあるからでしょう。しかし半面で生産は戻り80%程度まで回復してきました。私は子供手当てなどの公約を見て消費を盛り上げ内需振興策だと考えていますが、同時に普通の人は子供手当てを子供の将来に預金するから消費には回らないと言う意見を述べる人もいます。確かに落ち込む可能性はありますがこの壁は乗り越えないとならない壁です。
何故か、日経新聞は報じていませんが本日から日本とベトナムのEPAが発効しました。2国間における10年間の両国の貿易額の92%の関税を撤廃すると言うものです。この政策は前政権のものですが、確実にアジア地域で経済を拡大させる動きです。ドイツがEUの統合により躍進したようなものでしょう。このような観点から見るとバラ色相場の下準備は着々と整いつつあります。普通の頭で常識的な政策を実行すれば日本はよくなりますね。確かに日本人の資質は落ちているのでしょうが、充分競争に勝てるラインだと思います。
金融株は3月に続く二番底の形成局面だと考えています。今日はこの辺で…