未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年11月17日)

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FRBのバーナンキ議長は異例のコメントを発表しました。
「雇用の最大化と物価安定と言う二つの目的への取り組みと米国経済の強さが、強いドルや世界の金融安定に貢献する」と述べたそうです。基本的にこれまでFRBが為替に対しコメントしてないことが色んな憶測を呼んだようです。結果はドルの買戻しは一時的だったようですが、この発言は記憶に留める必要があるのでしょう。最近はドルキャリーの動きが多く、ドル資金を米国で借りて新興国で運用する取引が盛んです。その動きに堪りかねレアル防衛の為に、ブラジルは課税強化しましたが抜け道があり、ザル法と言われています。新興国では資産バブルが起きているのですね。

一方、日本は逆です。政府が正式には20日の月例経済報告で認めるようですが「デフレ宣言」をするとの事です。初めて日経新聞は名目と実質の比較グラフを載せました。最近、経済アナリストがこのデフレを指摘する声が高まっています。調べてみると1992年の第二四半期(4-6)にわが国は初めて480兆円台(年率換算)のGDPを記録しました。それから17年も経った2009年の第三四半期(7-9)に、再びこの水準を割れて479兆円の名目GDPの水準です。つまり17年間も横這いなのです。更に2000年からずっとデフレ状態が続いています。

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僕らは名目の世界で生活をしています。
物価が下がってテレビがいくら安くなっても豊かさを感じるでしょうか? そんなことより今年より来年、手取りの給与が1万円でも上がったほうが嬉しいですね。実質GDPを財務省が用いるようになったのは彼らの戦略です。年金生活者や公務員はデフレが嬉しいのです。給料は民間のように下がらないし実質的な生活が楽になりますから…。しかし一般の人は、今年より来年の方が豊かになる「希望」が欲しいのですね。そうです「夢」がない社会だから「鬱」と言う精神病になるのです。人間は「希望」が必要なのです。毎年豊かさを感じるようにGDPの水準を上げて、適度なインフレが働く活力になるのです。

ようやく政府はデフレ宣言をするという意義は非常に大きいですね。今のところ消費者物価に留まっていますが、一番、重要なことは資産デフレに言及することです。正しい現状認識が正しい対策を生みます。早い話が「土地」や「株」の価格を上げることが景気を押し上げ、政策を支持する世論を生みます。はやく認めてください。そうして早く成長戦略を打ち出さなければなりません。私が何故、いつも早く、早くと言うかと言えば…、個人の金融資産は1441兆円と言われています。国債は864兆円で地方債など他の債務を加えると1095兆円と言われていますね。まだ余裕が345兆円もあるから、金利が2%で毎年22兆円ほどしか増えないなどと侮ってはいけませんね。金利は環境により、簡単に10%程度まで跳ね上がるのですね。この金利下でも武富士は10%の金利を払い資金を集めます。日本も似たようなもの。残された時間は、あと3年半ですね。

鳩山さんに、このような認識があるかどうか分かりませんが、消費税を早急に上げないと間に合いませんね。だから景気を刺激して名目GDPの3%程度の成長は必要になります。あるいは、デフレ・バブルが弾けて強烈なハイパー・インフレの道を歩むか? 日本人は選択を迫られているのです。株はインフレになれば急騰します。分かりますかね? だから政府の「デフレ宣言」は重要なのですね。政策が変更される前兆なのでしょう。ビスタニュースで何度か述べている最後の「産みの苦しみ」と表現しているのは、このような背景があります。

今日は個人が持っている株式が下げていますね。GSユアサにダイワボウなどの仕手系株式を始め、東芝やみずほなどの銘柄も下げています。新安値銘柄数が増え値下がり銘柄が増えています。あまり強気論を述べる環境ではありませんが失望もしていません。ようやく正しい認識をするようになったのです。先ずは入り口に立てば、後は出口を探す行動を起こせます。そうなれば株式市場は夢を感じ時代の先を見据えて動きますからね。市場の悲観はチャンスに繋がります。

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投稿者 kataru : 2009年11月17日 17:58