今日の市況(2010年01月05日)
米国の経済統計が面白い段階に入ってきました。注目される雇用統計の発表は8日ですが増加するとの観測も一部であります。その前哨戦で昨日はISMが発表されました。市場予測は54だったらしいのですが、実際は59と大きく改善し株価は上がりました。この数字で注目されるのは在庫水準で過去最低水準まで低下しているとの話しです。日本でも村田製作などは契約社員の雇用を切ったために、受注を充分にこなせない状況だそうで、現在雇い入れた社員の熟練度が増すのを待っているとか…報道されていました。サプライチェーンマネージメントの普及で、低水準の在庫なのでしょうが…予想以上に経済が回復しているのでしょう。この原因は、今回は需給調整による景気後退ではなく、金融不況から来る需給低迷だからでしょう。この説をかたるは、ずっと言い続けています。だから回復は早いと…。

世界景気の見方として、海運業も見方は二分されています。
商船三井や第一中央は強気の見方ですが、郵船や川崎汽船は弱気の見方で経営方針を立てています。本日の新聞には第一中央の小出社長のコメントが載っており、インドが稼動し始め2010年問題は杞憂との見方でしたね。現在のBDIは3140で、BCIは4197、BPIは3823です。世界経済の見通しも、ずいぶん人により考え方が違うものですね。
今日の日経新聞でニッセイアセットの久保さんは3月頃に9000円と述べていますが…下がるのでしょうか? ここで本日発表された昨年末の日銀の当座残高は20兆3370億円でした。日銀が株を上げると表明しているから、外人投資家が株を買い始め上がっているのですね。故に私は中国の設備投資、米国の雇用までの復調、日銀の対応をみて、もっと遥かに高い株価水準まで買われても、不思議ではないと思っています。本当はもっと急激にデフレを克服するなら、日銀は積極的に対応すべきだと思います。それはベースマネーの前年度比率の推移を見るとわかります。日銀は経済が破綻しても日銀券の価値を守りたいのでしょうか? その様子はありありと分かりますね。2002年から2003年の金融危機にはあれだけお金を出したのです。

少し皆さんには分かり辛いでしょうか?
マクロ統計を最近は重視しているから、このような解説になりますが…。今日は三井住友銀行が増資を発表するとか…またまた日経新聞の観測報道でしょうが…。何やら本当に世界基準は8%近くになるのでしょうかね? コアTire1の話しです。今の段階では4%説が有力なのですが…まだ決まった話しではないのです。私には太平洋戦争を煽った朝日新聞のように、無理やりマスコミ論理で増資を押し付けているように感じられます。市場経済と言うのは動いているもので、間違った報道でも世論が誘導されれば、そのように変化するのですね。しかし最後は経済論理の通り収斂するのですが…。2年や3年の期間ではそのような方向性で動くことは良くあるのでしょう。
何故、日経新聞が増資を押し付けるかといえば…、きっと国債の買い入れを増進して欲しい財務省の意図ではないかな?…と邪推をする始末です。まぁ兎も角、この増資報道が実現するのか分かりませんが、少なくとも景気の状況から見て、株は上がることはあっても下がる可能性は薄いと思っています。
かたる君は、この年末年始は車のお勉強でした。
ブラジル、ロシアの一人あたりのGDP水準は8000ドルで、中国は3500ドル、インドは1000ドルです。車が売れるのは3000ドル以降ですね。しかし1000ドルを越え始めると急速に購買力が上がります。中国は2001年に1000ドルを突破したのです。僅か8年で日本の需要の2倍から3倍近い車が売れるのですね。中国の昨年末の車の保有台数は6600万台と推測されます。つまり13億人に対し、まだ1億まで伸びてないのです。米国は3億に対し2億5千万台の保有です。
物が売れると増産投資をして、設備投資ラッシュになります。エルピーダがその実例です。今の半導体業界はフル操業ですね。その為に微細化加工投資をして増産します。こんな状況なのに…9000円まで下げるのかな? 当然、上げ続けているので調整はありますが二番底懸念を、日経が書けば書くほど、相場は強く天井が高くなると考えています。

投稿者 kataru : 2010年01月05日 17:37