今日の市況(2010年01月13日)
今日は中国が預金準備率を0.5%引き上げたというニュースが、世界市場に影響し資源価格を含め弱含んでいました。金利を引き上げたわけではなく預金準備率を引き上げたのです。中国では不動産が高騰し売れています。当然、不動産価格が上がっておりバブルを警戒する中国は、二番目の家への融資は40%の自己資本がないと融資をしない方針に転換し、固定資産税の徴収も始めるそうです。そうして今日の発表です。日本が反面教師になっており、流石、中国主導部は人口が多いだけあって実力者ぞろいのようです。日本のマスコミは中国バブルと面白おかしく書いていますが、このように的確に政策を発動しているので大丈夫なのでしょう。
一方日本は、バブルが発生した跡で対策し始めて…、既に株も土地も下がっているのに、更に引き締めを過度に実施したのです。住専が問題化した時に止めるべきだったのに…、問題を先送りした無能の政策指導者が失政を演じたために、2005年まで処理に時間がかかり、なんと16年もの長い時間調整を強いられたのです。そうしてようやく、米国金融バブルの影響で助けられたチャンスを逸したのが、2006年の日銀の政策ですね。だから、再び失われた時代を過しているのです。何故、このようなミスが生じるかといえば「政策ラグ」なのでしょう。中国は財政・金融政策を総動員して、自国の景気の落ち込みを防ぎました。GDPの10%以上?の4兆元もの財政出動をして、更に空前規模で貸し出しを増加させ、需要を創りましたね。日本は小出し、小出し。少し回復すれば、不動産に対する総量規制と…役人根性丸出しの政策です。
通常、金融政策が実体経済に効きはじめるのは、1年から2年かかると言われています。米国のケースでは1年と3ヶ月ではないかと思うのですが…後にならないと分かりませんね。昔から金融政策の1次規制や2次規制では、株式は買いだと言われています。まして今回は預金準備率の話です。銀行が預かっている預金に対し、準備金を中央銀行に積むわけですね。運用するお金が減りますから、貸し出しにブレーキがかかります。しかしFRBもECBも、依然、緩和姿勢です。2月からFRBは出口を探ると発表していますね。やがて不動産ローンの買い取りもやめるのでしょう。中国需要で潤ったオーストラリアが世界で一番早く、引き締め政策を実施して今度は中国。やがて米国に行くのでしょうが、まだまだ時間は掛かります。
スピード調整が必要な市場にとって恵みの雨なのでしょう。日本株は株価位置が非常に低く僅かな買いで株価が飛ぶ筈です。必要以上に萎縮した市場水準になっていると思います。そんな所に能力のない経営者と言うか…世論に押され下値で増資をしましたから、なかなか目先の株式需給が改善されないようです。三菱UFJの株価をみていると、外人投資家を含め、玉を集めているようですが、やはり1兆円増資の目先の打ち返しは大きな負担のようですね。でも安心感は生まれれば、やがて長い期間のリスクに耐えるようになるでしょう。これまでの相場なら、上げたあとは必ず株価が下げましたが…今回は日銀の行動が背景にあるので、粘り腰の株価の動きになると考えています。
今日の新聞では大きな話が報道されています。日経新聞はいつ報道するか分かりませんが不動産に1400億円の新規資金投入があります。1400億円も純投資なら5000億円近い不動産が買えますね。久しぶりに明るい材料です。更に三菱電機がパワー半導体の工場を日本で新設します。何れも日刊工業の一面です。日本から生産基地を海外に動かす話題が多い中で輝く存在ですね。このパワー半導体は鉄道の電車のモーターやハイブリッドカーのモーターにも使われます。何もエアコンのインバーター向けだけではありません。しかも三菱電機は技術的にも、世界一なのです。サムソンに水をあけられているソニーでありません。北米ではサムソンに続くのは船井電機ですね。
中国ではGMが中国のメーカーに肩を並べて、車を売っていますが日本は販売店の設置などで遅れていました。ようやく昨年少し力を入れた日産自動車が内陸部に販売店をおいたので38.7%増の75万6千台を販売しました。ところがトヨタもホンダも販売店網戦略で遅れを取りました。マツダはアテンザが中国の若者から高評価を受けて、なんと40.5%増の17万9700台を売りました。そのマツダが市場で人気になっています。公募価格は213円で3億1500万株の売り物があります。マツダの幹事は野村證券です。マツダは黒字転換し配当も実施するでしょう。しかも1株純資産は308円です。ムードを盛り上げるにはトヨタなどの第一人者の活躍も大切ですが、それ以上に全員が参加できる仕手株が必要になります。2007年には833円の高値があり魅力もあります。過去最高株価は1130円です。フォードが大株主ですが独立系で3流メーカーなので狙われやすくもあります。中国メーカーが買収すれば面白いのに…。まぁ、幻想は兎も角、全面高の相場より、人気株の活躍株も育って欲しいものです。

更に始まりましたね。安川電機は中国の第一汽車から溶接ロボットの受注を受けました。中国では設備投資ラッシュになっているのでしょう。車の単価は住宅に次いで価格は高いのです。故に関連企業は幅広く、車が売れると景気に与える影響は非常に大きいのです。米国では今年は車の売上が二桁増加することでしょう。私は1200万台を予想しています。中国は一般的には1500万台と言われていますが、人口に対する保有台数は非常に低く10%に大きく届きません。故に1700万台以上売れるのでは…と予想しています。世界で一番の自動車生産国の日本は、タイを戦略基地にして価格重視の世界カーを今年売り出します。ようやく日本もエンジンが掛かってきました。日銀が極端な清貧思想を採用しない限り、株価は薔薇色なのでしょう。乗り遅れた投資家には、中国の金融戦略で押し目を形成する日本株に乗るチャンスが来ますね。

投稿者 kataru : 2010年01月13日 19:30