今日の市況(2010年01月21日)
米国の株価が下がり、米国の新規住宅着工件数が冴えないことと、中国の金融引き締めの話題で下げたと言われているようです。ただ中身を見ればわかりますが、報道のような大げさなものではありません。今、米国で注目されるのは新規着工件数より中古住宅の販売件数の方でしょう。下のグラフのような推移を示しています。更に銀行の与信コストで消費者向けが増えているようで雇用状態の影響を受けているのでしょう。しかし小売はラチェット効果からか落ち込んでいません。やはりFRBの金融緩和効果が発揮されているのでしょう。オバマ大統領は新たな金融規制を検討中と言われていますが、ここが間違いの基でしょう。どんな内容になるか分かりませんが、過剰な規制は融資余力を削り経済が衰退します。日本のコンプライアンス規制を見ればわかります。


代わって元気なのが中国です。兎に角、最近の数字は驚くばかりです。10-12月期の成長率は10.7%だと言います。米国株を下げた融資規制は当たり前の処置で適正な対応でしょう。日経新聞の報道が正しいかどうか分かりませんが2週間で1兆元と言う数字は異常な伸びですね。例年1月は融資残高が大きく伸びる季節的な要因がありますが、押さえ切れない需要を感じる次第です。ホンダの武漢への新工場設立が報道されていますが、日本工作機械工業会の発表では中国向けの受注は202億円と前年同期比で約6倍と過去最高の受注額だそうです。更に好調なのは韓国です。此方も4.3倍だそうですね。欧米は依然不調です。新興国需要が大きいのですね。


本日の日経新聞では粗鋼生産の報道がされていますが、12月の数字は前年同月比で19.6%増とかなり回復しています。特に自動車向けの薄板鋼板の在庫が逼迫しているようです。でも建設は駄目なのです。銀行融資が伸びないから建設が低調なのですね。日銀が悪いのです。この日銀に亀井氏が昨日の閣議の席で噛み付いたようで、「中小企業はどうなっている」と白川さんに質問したようです。日銀はマスターベーションの政策では意味がありませんね。末端の資金需要が盛り上がるまで緩和して、初めて自分の仕事をした事になります。幻想のインフレに脅えベースマネーを減らし、再び「失われた時代」を延長させた責任は大きいのです。中国のように銀行融資規制するような時代にすべきでしょう。
本日、日本株の堅調さを意外に思われた方が多いかと思いますが、何度も言うように日銀がベースマネーを増やしているから株は高くなります。銀行株に上昇波動の流れが生まれれば心配いりません。日銀の今のペースの資金供給は成功していると考えて良いでしょう。しかし三菱UFJ銀行は500円の大台に乗っておらず、黒字で配当を実施し尚且つPBR1倍割れの企業は多く、流動性の供給が充分かどうか予断を許しません。ただ注目されているソニーのように、世界を代表する企業は株価修正されています。黒字化が見込まれPBR1倍割れだったので当たり前の水準訂正の現象です。ビスタニュースではこのような参考銘柄を幾つか取り上げています。

押しらしい押しのない相場は強いのですが、株価位置は高く一目均衡表に見られるように調整があっても不思議ではありません。ただ絶対的な株価水準が依然低いので、なかなか押さないのでしょう。私のお客様も昨年のように3月安値を気にする人は居ます。しかし考えてみれば分かるのです。日銀が緩和姿勢を継続しているのに、株が下がる道理がないですね。加えて亀井さんが閣議で白川さんをやり込めたのです。この意味は非常に大きいですね。
IRNETで主張している数字やデータを転用してもらって構いません。データの数字は全て正しい発表元から集めているつもりです。かたる同様の見方をする人が増えてきました。野村金融経済研究所の海野さんが私と同じ主張をしています。日本発の流動性相場なら日本株が有望と述べていました。FRBの緩和姿勢を転用し、かたると同じ主張をしています。残念な事に2002年当時ほどに、日銀は金融緩和をしていませんが、株は上がると思っています。この緩和姿勢は昨年の2月頃から始まっていますから、内需の景気刺激効果もまもなく表れることでしょう。
昨日の旭硝子に続き、今日は日本電気硝子が賑わっていました。12月から株価が急伸して買い辛いですが、どの銘柄も大きく下がる相場ではありません。赤字の急伸する銘柄が多くありますが、見込みがあるから赤字でも株価が上昇するのです。大きく上がった株の初押しは買い場ですよ。頑張って下さいね。


投稿者 kataru : 2010年01月21日 18:46