今日の市況(2010年02月04日)
NY市場より日本市場の方が格段に魅力的です。
理由の一つは、オバマ政権は清貧思想論者の民主党です。今回の米国の金融危機回復過程を、日本に当て嵌めて比較して考えると、いくら上手く対処しているとは言え、完全な克服までやはり時間がかかるでしょう。日本も同じ民主党ですがドラスティックに旧体制を転換しています。その為に経済界は、ある意味で自立し始めたように感じられます。近隣には高成長が期待できる市場があり、経営者の考え方次第で、いくらでも成長できますね。日本は折角、巨大市場が控えているのに、自動車と言う得意分野で大きく出遅れました。
中国の車の保有台数は1億台にも満ちません。推定で7000万台ほどでしょう。人口比率で5%程度なのです。日本のケースでは昭和38年に5%を越えています。この時の日本の一人あたりのGDPは7565ドルですね。4000ドルに満たない中国のケースがやや早いのは、技術革新のおかげで車の価格が安いのも一因でしょう。その後、日本は20%ほどの高成長期が長く続きました。おそらく中国も同様でしょう。
加えて同程度のGDPの国々を、周辺に多く抱え、まだGDPは低いですがインドと言う巨大市場の成長も控えていますから、株式相場を考える上で、非常にワクワクした気持ちになります。基本は日本政府とグローバル企業の取り組み方が問題になります。ようやくCO2問題などがネックになり、日本は輸出主導型の経済体制からの脱皮を謀っているようにもみえます。
この民間の意欲を後押しする政策を、政府が実現できるかどうか…
つまりFTA(自由貿易協定)やEPA(経済提携協定)の締結ですね。日本の場合、ネックとなるのが農業です。特に米の価格は国際価格と比較になりません。条約の推進を図り農業界の競争力を育てることが不可欠になります。米作りの輸出などのアイディアは面白いですけれどね。タイなどの農業国で、日本の会社が大規模な機械化農業を推し進める。国境と言う壁を取り払う政策の実現が、日本が生延びる道じゃないかな?
まぁ、大相撲界のような日本村社会の考え方を変えて、日本人自らの意識改革が必要になります。移民の受け入れも含め人的な交流も必要でしょう。中国の支配下になる前に共同で枠組みを作るのが成長の早道だと考えます。今ほどテレビで…朝青龍が引退したそうです。何やら日本村って、いやらしいな。…と言うのが本音です。ライブドアとフジテレビに地検などの絡みがあり、同じ日本人として悔しいな。昔は、もう少し、おおらかさがあったように思うのですが…、既得権力者の裁量権のいやらしい部分だけが強調されています。また若い人の活力が社会から消えます。日本は難しい国ですね。
まぁ、こんな話しより、今日は少し具体的に個別解説を加え、相場論を展開してみましょう。日銀の臨時政策会議で流れが変わり、米国の金融規制で、その流れにブレーキがかかりました。今回のリード役の第一人者はやはり「日産自動車」でしょう。早めに立ち上がり他より早く一服しました。1月12日は824円までで、12月30日の826円を抜けませんでした。この時点で日産自動車は調整入りが決まります。1月27日に710円を付け2月1日には713円と、今度は調整が完了したことが窺えます。?

しかし日産自動車の決算発表は9日ですが、11月4日の修正発表で1700億円の赤字予想から400億円の赤字に修正されていますが、現時点では赤字の内容です。営業利益は1200億円の黒字予想。1株純資産から考え、現時点で1株純資産の638円を大きく上回る株価を付けるのは、やはり強弱観が対立します。しかし4月以降は、来期が焦点になり中間期の決算数字の予想になりますから、株価4桁が意識されることでしょう。
市場では同様の銘柄が、注目される筈です。何故、マツダに注目しているかといえば、1株純資産が304円ありますから、来期の業績の黒字展開が確実視されるこの時期に、いくらなんでも高成長が期待される自動車関連が、1株純資産以下の水準は、明らかにおかしいな株価だと考えています。日産自動車の株価を押し上げる為にも、市場全体を考える上でも自動車関連の成長期が期待されるこの時期、マツダの株価を上げることは他の銘柄への影響を含め自然な流れです。
先ず、黒字転換していくホンダが先に上がり、日産が続き、マツダに流れるのは自然な流れでしょう。同じように、部品株にも同様の流れが生まれます。先ずは黒字になった会社、次に黒字が見込まれる会社、1株純資産が目処となり株価は順番に繰り上がることでしょう。日本株市場は、まだ不安定ですね。バブルの後遺症からなかなか立ち直れません。日本人はムードに弱い国民です。自分で考える事を放棄し、マスコミの論調に自分の意見が左右されます。日経新聞が書けば、その通りだと思うし…。しかし記事を書いている記者も取材をして、自分なりにアレンジして記事を書いています。予測など当たるものではありません。
常に市場にはリード銘柄が存在し、そのリード役が大相場になれば、全体の相場も大きくなります。ある程度、浮動株が吸いあがっていると人気になると株価が綺麗に上がります。ツガミが最近では成功例でしょう。背景には自社株買いなどの布石も効果があったのでしょう。既に現時点の業績推移からすれば、明らかに株価は割高です。しかしこのような上げ方は最近では珍しいですね。私の意見が正しいわけではないし、将来のことは誰にも分かりません。しかし新聞を読んでいれば、市場の流れは理解できますね。トヨタの出来高は5千万株を超えて、市場全体の売買代金は1兆6853億円でしたがトヨタは1836億円でした。10%を越えましたね。一応、強弱観が対立する水準なのでしょう。資金力があり時間があるなら買い下がりは面白いのでしょう。何故、社長が自ら陣頭指揮を採らないのでしょう。不思議な印象です。この背景に驕りがあるとすれば長期の低迷に繋がります。同じケースでパナソニックはこのような不祥事を信頼に変えましたね。僕にはしつこく見えましたが…誰にも間違いはあります。対処の仕方が市場の印象を決めるのでしょう。この点も強弱観が対立する場面です。今日はトヨタショックかな?

投稿者 kataru : 2010年02月04日 17:57