今日の市況(2010年02月17日)
NY市場は反発し一般的な解説では「ニューヨーク連銀景気指数の上昇も米景気の回復期待につながり、買いを誘った。ダウ平均の上昇幅は昨年11月上旬以来の大きさだった。
欧州連合(EU)が前日開いたユーロ圏16カ国の財務相会合で、ギリシャの財政再建計画を承認する方針を示した。ギリシャをめぐる財政不安がひとまず後退するとの期待感から、外国為替市場でユーロが対ドルで買われた。ドルと逆の動きをしやすい金や原油相場が大幅に上昇したため、石油株や金鉱株などが買われ、相場を押し上げた。原油や金といったリスク資産全般の上昇に株がつれ高した面もあった。」との事でした。
推測では仕掛けの筋の買戻しなのでしょう。
覚えておくと良いと思いますが、多くの場合、僕らが問題を直視する頃は、事態は解決に向かい一時的なブレはありますが、概ね逆に相場は動きます。金融の世界では、意図的に事態を悪化させる報道を流して、逃げるケースが多いですね。つまり手仕舞いをするのです。例えばギリシャ国債や通貨を売り持ちして、意図的に深刻なニュースを流すのですが、大概は一時的な動きでピークアウトします。相場の世界では「材料出つくし」という言葉がよく用いられます。ただし事態が更に深刻になるケースもたまにはあります。
僕が判断を間違えた。サブプライム問題ですね。
あの時はたいした事がないと思っていましたが、実はサブプライム問題の背景にはCDSの問題が隠され、非常に大きな金額の金融デリバティブ取引があったのです。その結果、ベア・スターンズの破綻が終わりでなく始まりでした。まぁ、あのようなケースがあるから安易な対処はできませんが、多くの場合は大々的に報道されていた時に、慌てないことですね。しばらく様子を見て逆の行動が正しい確率は高いのです。
今日は家の帰るとかみさんが「良かったわね。大幅高で…」と言いました。そこで私は「素人は、これだから困る。」と応えました。今日の上げは、ほとんどが指数による裁定買いの動きでしょう。まぁ、原子力関連が日経報道で賑わっていましたが、相場になるかどうか…何度も原子力の話しをしますが、このテーマは中長期波動を支えるに過ぎません。目先の業績が向上することは、先ずないでしょう。強いてこのテーマで買うなら、東芝ではなく日本製鋼所でしょうね。でも業績の寄与はかなり先の話でしょう。しかしテーマは長いから株価を支えることは事実でしょうが…。大相場になるような動きはしないでしょう。
まぁ、兎も角。相場は強くはありません。
でも先物が上がる訳はあります。むしろ此方のほうが相場に与えるインパクトは大きいですね。今日から日銀は政策会議を開いていますが、昨日、自民党の山本幸三議員が予算委員会で官財務大臣に「政府がインフレ目標を設定して1年か1年半で達成しろとやらなければ、政治的なリーダーシップを発揮した事にならない」と詰め寄ったと報道されています。菅氏も名目3%、実質2%を上回る目標の認識を披露したとか報道されています。

1995年7月から1%割れなのです。こんな状態を放置しておくのは普通の感覚ならありえません。普通の会社で物が売れなければ倒産しますね。「需要がないから商品が売れないのです。」なんて…、上司に売れない理由を言ったら、真っ先に首になりますね。売れない商品を売るのがセールスです。値段を下げたけれど、商品が売れなければ他に努力をしますね。日銀さん、あなたの使命はお金を動かすことです。信用乗数や貨幣の流通速度を上げることなのです。
さて、こんな中で政府と日銀の共通目標として1%の物価…、本当はデフレーターが正しいのでしょうが…? まぁ、これでよし。…として、これを公に発表した意義は非常に大きなものがあります。昨年末に「デフレ宣言」をした菅さん、今度はインフレターゲット論の採用を謳った効果をアナウンスしました。当然、外国人は買いに走ります。先ずは先物を…。だから今日の株高の動きに繋がったのでしょう。実態はショート・カバー(買戻し)なのでしょうが…。これで明日、日銀が、物価目標でも良いのですが、発表文章の表現に、この言葉を盛り込めば株高は決定しますね。できれば国債の買い入れでも良いし、オペでも構いませんが同時に実施することが望ましいのです。
今日の解説は、こんな感じで良いでしょうか?
折角だから、ヒントぐらい提供します。
実はツガミを昨年末に、ビスタニュースでは採り上げました。切っ掛けは12月の新聞記事ですが、今日の日経新聞によれば2007年に改革に着手しているわけですね。僕の郷里の長岡に工場がありましたが、新しく建設した工場を閉めたのですね。そうして中国に生産設備を移管したのです。2007年後半に実施した英断です。やはり2年は掛かります。実は中国の設備投資に火が付いたのは、昨年の10月からでしょう。この動きは広がり推測では生産が間に合わずに、ニコンが先日、露光装置の大型商談を纏めましたね。ニコンはオランダのASMLの後塵、所謂、2番手メーカーですよ。(余談ですが本社を移転するそうですね。)

ここで言いたいのは、あらゆる発注に際し、既に一番手は注文が一杯で受けられず、2番手メーカーに注文が舞い込んでいる現実です。その様子は上の資料(日本鍛圧機械工業会)に表れています。実に海外からの受注では、218倍も1月は受注を伸ばしました。まぁ、昨年の1月はリーマンショックのあとなので参考になりませんが…。このグラフが株価なら、この初期波動を見れば、大相場が実感できるでしょう。銘柄は内緒なんて…けちな事は言いませんが、まだビスタの読者にも書いてないし…。あとでね。
しかし株はね。いくら業績が好転しても株価が上がるわけではありません。仕掛け人の存在が必要なのですね。会社の業績、仕掛け人の実力、環境、夢などの様々な要素が噛み合って相場が形成されるのです。でも事前に知識を入れて知っておけば、相場が来たら乗れますね。頑張ってね。明日の日銀の発表に、かたる君は淡い期待をしています。白川さんそろそろ批判記事を書くのも厭きました。

投稿者 kataru : 2010年02月17日 18:16