今日の市況(2010年02月25日)
それにしても呆れる展開です。朝高のあと急激に先物から株価を崩しディトレの人達が我先に手仕舞いをする動きを見て、どうしてこんな市場になったのかな?と考えました。理由はハッキリしています。日本人は投資教育が希薄の為に値動きだけで心理が左右されます。確かに円高になる素地はあります。バーナンキ議長が当面、低い金利のまま維持すると述べたことなのでしょう。しかし15年もデフレ政策を続けている日本と抜き打ち検査的な公的歩合引き上げを実施した国とどちらに信頼感があるでしょう。
国土交通省から1月の地価価格が発表されていました。東京では池袋の東口が上がったそうです。ヤマダ電機の進出で電気街の激戦区になった影響でしょうか?しかし未だに多くの地点は値下がりを続け全国の主要地点150箇所のなかで3ヶ月前と比べ144箇所が値下がりを続けており、3%以上の下落地点は減ったとは言え66地点から56地点だそうです。この時機を見て白川さんを何も感じないのでしょうか? 山口さんは講演で予想よりデフレの勢いが強いかな?とのニュアンスだったとか…。
日本株に強気の外資系ファンドマネージャーは日本株を買う理由に「日本政府やG7の強い圧力を受け、日銀がデフレ阻止の姿勢を強めるとみられることだ。菅直人財務相は円安を望んでいるとされる。主要国の中央銀行が金融緩和策の出口を探っている中で日銀が量的緩和を拡大すれば、円安効果は大きい。日本企業、特に製造業の収益を押し上げ、日本経済の追い風にもなる。」と言う前提を選んでいました。ところが18日の日銀総裁の会見は12月の臨時政策会議の効果を打ち消すものです。
米国では米連邦預金保険公社(FDIC)の四半期リポートを発表し、2009年の銀行貸し出しが減ったことを減ったことを危惧しています。(上がアメリカの銀行貸し出し前年度比、下は日本のもの)このグラフと日銀のスタンスを比べれば一目瞭然でしょう。
フランスでは失業率が上がりインドでは銀行貸し出しが大幅に増えています。円高が大きく進むことはないでしょう。理由は日本はデフレ政策を堅持、米国は出口戦略へ、故に夏ごろまでには日米の金利差が開きます。本日は急激な円高を警戒し自動車株も安かったようです。スズキのリコールやデンソウ、東海理化、矢崎ノースアメリカなどがカルテルの疑いで強制捜査されています。ただ自動車株の株価水準はここに来て調整を強めておりもう少し時間がかかるかもしれませんが、調整は進んでいます。
やはり3月上旬に発表される中国の自動車販売台数が、一番、関心のある材料でしょう。米国では今年中間選挙を控え過剰な金融規制が採択される可能性は低いでしょう。金融機関の体力がなければ豊かな国は創れません。金融の力を過小評価してはなりません。日本は金融機関を虐め続けているから低迷が続いているのです。お金を貸すことが出来る人間が儲からなくて世の中が良くなる道理がありません。いつだって貧乏人は食うのが精一杯なのですね。悲しい話ですがこれが現実です。
日経平均株価の動きを見るとどう考えてもまもなく上昇すると思うのです。世界の1月の粗鋼生産は前年比で25.5%増と伸びています。中国は4億8694万トンで前年比18.2%増。インドは5420万トンで前年比14.8%増です。日本も頑張っており8723万トンで前年比では36.8%も増えています。この理由は自動車各社の生産が戻っている為に薄板需要が多いのです。この話しを聞いてピンと来る人がいますか?ビスタニュースでは参考銘柄を掲げております。どうしても高級薄板を創る為に必要なのは金属マンガンやフェロマンガンと言う副原材料ですね。一昨年は市況が急騰して大幅な増益になりました。
新聞を読んでいると、すごい増産ラッシュなのです。今日は日立建機だったかな? 兎に角、毎日、新工業増設の話や増産投資の話が載っています。分かりますね。世界経済は既に設備投資の段階にあり業績相場の位置に景気循環は来ています。日本だけですね。マンションを建てたいと思っても銀行融資が降りないような金融氷河体制を堅持しているのは…今こそ、澄田元日銀総裁を出番なのです。あの時は銀行や生命保険がお金を貸す競争をしていました。
投稿者 kataru : 2010年02月25日 19:11