今日の市況(2010年02月26日)
米国の経済統計に揺れる相場展開でした。一つは失業保険申請件数が2週続けて増加しています。先週は32千件、今週は22千件増加して496千件になりました。55万件以上に膨らむと嫌な感じを受けますが、まぁこの程度なら許容範囲でしょう。ただ楽観は出来ないのは、「FDICの23日の発表によると、2009年末時点での預金保険基金は209億ドル(約1兆8818億円)のマイナスとなった。昨年第4四半期はマイナス幅が126億ドル拡大した。多くの銀行破たんが続いていることが背景。また、昨年第4四半期末時点で銀行と貯蓄金融機関に対するFDICの支払準備率はマイナス0.39%と、過去最低水準となった。FDICは問題を抱える銀行の減少は当面見られない可能性が高いとの見方を示した。FDICによると、「問題」銀行数は2009年第4四半期に702行と、昨年第3四半期末の552行と、2008年末の252行から大幅増加した。これは1993年以来の高水準。また、こうした銀行の資産総額は4028億ドルに達する。」と言う現実があることです。
ついでに不安を煽ると、多くのヘッジファンドがユーロの先物を売っていると言うニュースが流れています。つまり1ドルが1ユーロまで下がると言う見込みで取引をしていると言います。まぁ、私が知るくらいのニュースですから、まもなくピークを過ぎるのでしょう。なんでもそうですよ。素人が知るようなニュースになる時は、大概はピークで多くの場合は素人をマスメディアで脅かし、仕掛け人達は反対売買をして手仕舞いをするのですね。こんな事は常識です。だからこそ、自分自身が情報の価値を確り見極める能力が必要なのです。こんな事は当たり前の常識ですからね。それを誰かに騙されたとか文句を言うのは、自分の裁量がない事を言っているようなものです。
まぁ、偉そうな事を述べていますが、私自身、新聞や雑誌に騙されることが多いですね。日刊工業新聞や日経産業新聞には、まるで画期的な夢のような記事が、時々、掲載されその銘柄を買うと高値を掴まされることは間々あります。何故、自分が間違ったか?この検証は大切ですね。失敗を糧にして次回に生かさなくてはなりません。最近ではかたる君の見ている範疇は増えるばかりです。物理的に情報を集める限度があります。一日に読める記事の量は限られますから、誰かが有意義だと思う情報を纏めてくれるサイトがあったら、10万でも20万円でも一ケ月に払って購読しますね。情報の価値は自分が決めるものです。
国内では国土交通省から建設受注の統計数字は出ていました。グラフは季節調整済みの時系列の数字ですが、1991年4月はなんと2兆5679億円もあったのですが、季節調整済みの今年1月は8737億円だそうです。でも実際の数字は6699億円です。何故、季節調整済みの受注額とこんなに違うのか?良く分かりません。一度、国土交通省に聴いてみる必要があるかな?でも統計資料によれば、例えば3月や9月といった期末になると突然大きく数字がぶれるから納得かな? まぁ、数字よりここで言いたいのは、1/3にもなっている現実ですね。何も百貨店の売り上げだけでないのです。
デフレって…こう言う事なのに、何故、日銀は我を張るのか分かりませんね。本当に東大法学部を卒業したエリートが集まるところなのでしょうか? 今では日本の産業のほとんどが、このデフレ政策の被害に合っています。僕がマツダを応援する理由の一つに儲かると言う見込みがあることも事実ですが、日本の自動車会社で輸出比率が高いのです。ホンダは30%程度ですがマツダは80%ぐらいなのですね。まぁ、グローバル企業と言う点では失格ですが、果たして生き延びることが出来るのでしょうか?
ダビンチは収益還元法を基にしてファンドを組んだので銀行が融資したのでしょう。メザニンローン(中間のリスク)とか利用してね。ところが日銀のデフレ政策が続く為に地価が下がります。公認会計士が時価評価を迫りますから、巨額の不動産を抱えていると評価替えで多額の損失を計上しなくてはなりません。収入は入ってきて利回り採算が合っても地価が下がれば会計上損失処理が必要になります。やがて債務超過になりますね。どの企業も同じですね。毎年3%の値下がりが10年も続くと30%もの巨額の損失を抱えます。地所などの一等地ならまだしも、田舎の生産工場の簿価なんか…当てになりませんね。坪1万円でも買い手がないでしょう。それを10万円とか簿価に載せているわけですから…厳密に処理すると大変ですね。
日立も東芝も従業員の多い会社ですから年金債務だけで多額になります。NTTなんかもすごい金額ですが自己資本に対する比率を見ると、倒産したJALが一番で二番目は東芝、(でもこの資料は2009年10月20日のエコノミストのものですが…)三番目は三洋電機に日立、富士通と続きます。DICにNEC、今、話題の富士電機など…。何故、こんな問題が生じるかと言えば、株価が下がるからですね。経済の仕組みはインフレが前提になっていますが、日銀はデフレ政策を続けています。だから昨日は銀行貸し出しの日米比較のグラフを掲載しました。米国は1942年ごろ、1991年ごろ、そうして今回ですが、何れも僅かに2年程度の話ですね。ところがわが国は10年以上もこんな状態を続けています。馬鹿だね。本当に…みんな貧乏になります。
まぁ、こんな話しは面白くないか…。
そう言えば、友達の会社がベトナムの会社情報誌を発刊したそうです。元気かな? 日本と違いベトナムはインフレに苦しんでいる国ですから良いですね。株を買っても儲かります。良かったら、是非、申し込んで下さい。此方から…
投稿者 kataru : 2010年02月26日 18:59