今日の市況(2010年03月16日)
日銀の政策会議を控えNHKまで金融緩和策の拡充を報道する始末です。しかし奇妙な事に為替は円高方向に進み、相場の天候がおかしな雲行きです。まぁ期末なので、輸出企業の決済が増えているだけかもしれません。連続する第一生命のファイナンスの為の布石か、T&Dに続き、今日はSONY FHと、何故か第一生命の値決め前に賑わっています。
一方的に吸い上げられる資金に、市場は低迷を続け売買代金は1兆円スレスレの展開が続きます。これで本当に金融緩和を続けているのでしょうか? 通常は不景気の株高で、金利が下がると株式が買われるのですが、残念ながらその兆候はありません。ただ嫌々ながらの金融緩和政策姿勢と、売り厭き気分の蔓延で割安銘柄が、次々に水準訂正をしています。故に気分的には少し明るいのです。
米国では共和党の同意を得ないまま、金融改革法案が上院に提出されボルガールールに沿った提案がされていますが、このまま通過する可能性は極めて少ないと言われているようです。日本での報道はあまり見かけませんが、今、世界の金融市場の話題は中国の「元」の行方だそうです。そろそろ変動相場制の採用を考えてもいい時期だとは思いますが、プラザ合意の失敗で、失われた時代を経験している日本を見ていますからね。おそらく中国はまだ管理相場なのでしょうね。
今日の話題は電子部品の話です。
薄型テレビやパソコンの需要拡大でコネクターや水晶部品の品薄な状態が続いているそうです。確かに電子部品業界は好況を示す指標が数多く出ています。日刊工業新聞では村田製作の特集を組んでいます。日本電産にしてもヒロセ電機にしても株価は高いですね。完成品では競争に勝てない日本ですが部品は世界一なのでしょう。その電子部品業界のある中堅メーカーは、忙しくて、忙しくて注文に生産が間に合わないとか…設備投資をするにしても二番底が怖いことと融資基準が厳しい為に資金繰りが難しいと…報道されていました。当初は週単位の出荷だったのですが、最近は日単位の出荷に変え対処していますが、それでも毎日催促の電話が入るそうです。しかし物理的に作れる量は限られますから部品が確保できない為に生産に支障が出る状態だと言います。今度は電話ではなく、直接、担当者が部品工場まで来て様子を見に来る有様だという報道がありました。
もう一つの新聞の話題は「組み込みソフト」の話しです。最近の電化製品は全て組み込みソフトが入っています。つまりコンピュータ化されているのですね。HV車やEV車は当たり前ですし、携帯電話のスマートフォンにも…兎に角、テレビを始め全ての家電にこの組み込みソフトが入っていて、その開発費が膨大な市場を形成し始めました。このソフト開発費は2004年の2倍以上になっているそうです。現在はなんと4兆2000億円の市場規模だと言います。アンドロイドやリナックスと言ったオープンソースの開発費が膨らんでいます。
実はこのような話題を掲載して、銘柄を思い浮かべられるのが証券マンの力量になります。分かりますかね? ビスタニュースでは事前に関連銘柄を掲げています。一例を掲げましょう。3月3日に薄板需要の話しで中国輸出の話しをして…、3月4日に「宝鋼集団と新日鐵が作った宝鋼新日鐵自動車鋼板(BNA)が2ヶ月前倒しで、薄板生産量を1.6倍に増やしたと言うのです。」と言う話しを、「今日の市況」に掲載しました。その時に、薄板を作るために必要なフェロマンガンを生産している日電工(5563)の株を買っていると563円前後では買えていますね。今日は623円まであって、619円の終わりです。
なるべく今日の市況では、上がりそうな株の話題を提供しているつもりです。最近は個別銘柄を掲げなくなったから知識のない人にとって面白くないかもしれませんが、市場の話題になるようなテーマを書いているつもりです。この組み込みソフトは関連団体が出来るほど急成長している分野ですね。今日の関連株が賑わっていました。あまり上がるものだから今日は少し利食いしましたが…。売ったのが良かったかどうか…? 疑問です。他にもたくさんありますね。モーターコアの出遅れ部品株が上がったのは四季報数字の影響でしょう。分かりきっている数字の変化ですが、改めて驚いたのでしょう。
大切なことは、このような状況の変化が5月の決算まで続きます。本当に驚くほど頑張っている会社は状況が激変している様子です。先程の電子部品の話は日刊工業だったかな? 関連銘柄は…内緒です。まぁ、頑張って下さいね。
投稿者 kataru : 2010年03月16日 16:36