今日の市況(2010年03月26日)
FRBは金利を当分低いまま据え置くと表明しています。既に住宅担保証券の買い取りをやめ、今度は逆に売り始めます。正常化のステップで2006年の日銀とは違いますね。本来なら、先ず量的緩和政策をやめて、金利を上げる前に国債の買い入れを停止すべきだったのでしょう。一昨年のFRBの緩和策をみると、日銀は金利の上下だけが中心でしたが、FRBは国債の買い入れや住宅担保証券など…。更には民間の金融機関の債務保証までしました。まったく日銀と実力が違う印象です。やはり正常化と言う概念が違うのでしょう。古典的な金利の上下だけでは、日本は既に実体経済に影響がないのに、それで充分だと考えている日銀が、長いデフレ社会を構築し、地価や株式の価値を下げて国力を削いでいます。昨日発表された消費者物価の推移を見ても、年金生活者と役人の天国政策で、働いて稼ぐ若者の力を15年以上もつぶしています。
しかし昨日、報道されている亀崎審議委員は「追いつめられたり圧力があったり、雑音を考えながらやっていくのではなく、自らの判断で実行していく」と述べ、「先行きの安心感をつくり出す」ことの重要性を説き行動する日銀をアピールしたそうです。亀崎委員は「必要な場合にはプロアクティブに政策を実施していかねばならない」と発言したと言われています。市場から追い込まれる前に、行動したいという事なのでしょう。
何故、株式相場が新高値を更新したか?
かたるはベースマネー論の仮説を採用しています。この見方が正しいなら、今年の株式は高いですね。亀崎委員の談話を合わせて考えれば、容易に相場観は掴めますね。非常に重要な事なのです。今回、銀行株を中心に取り組んで、目先はまた失敗した理由もこれなら説明できますね。何しろ日銀の量的緩和実施は、昨年の3月です。このような金融政策の効果は1年半後と言われていますね。つまり今年後半には、このまま緩和政策が維持されるなら、金融銘柄の株価が上がるのでしょう。
統計数字で遅れている米国の住宅市況回復を支援する為に ホワイトハウスは26日に住宅ローンの減額や、失業者への一時的支援を盛り込んだ、住宅差し押さえ防止策の改定を発表すると報じられています。導入後1年が経過した支援プログラムの拡充を図るのだそうです。まだ、未発表ですが水面下で検討されているようです。つまり米国は市場経済なのです。芳しくない統計数字が出れば、更なる追加策を講じて目的を達成しようとします。日銀とはえらい違いですね。市場経済とはこのような形を言うのでしょう。
さて少し皆さんの好きな個別銘柄の話題を述べましょうか?
ビスタニュースを御覧の方はお分かりだと思いますが、またヒット銘柄が出ていますね。アイダエンジは、既に100円以上、株価が上がったでしょうか? レポートから僅か3週間程度でしょうかね? このような出遅れ株が修正されている様子が続いています。
実は昨日、書いた電子部品の話しですが…。ある赤字会社の株価も5割以上も上がってきましたね。今週号のビスタの原稿にする予定ですが…。このような赤字の会社の株が、ツガミの連想で上がっているようですね。あまり個別株の話しをしたくないけれど、東京精密なども採り上げています。同じく赤字ですね。この時期に、このような赤字で株価が上がってくる株は買いにくいものです。でも何度も述べているように、株価が一番よく上がる時期は、赤字から黒字転換する瞬間なのです。何銘柄か…2倍以上になる株式を用意できます。しかし2倍や3倍では面白くありません。やはり株の魅力は成長株ですね。PERの世界ではなくPSRの世界なのです。
人間と言う動物は面白いものですね。自らラッセルする行為は嫌います。しかし仲間が居ると安心できるようです。しかし株の世界は逆なのですね。妙味があるのは先駆者になることなのです。こんな表現では分かりにくいかな? これから高値に向う株を新高値水準で買うことは非常に勇気が要りますが、一旦高値を付けた直後に、下がった株は買いやすいものです。でも継続して、何度も下がったら買うつもりなら良いのですが…。そのような気持ちを維持するには、かなりの信念がないと続かないものです。だから株価の値動きで買うなら、次に新高値を取る時に買い乗せすれば良いのです。
一例を掲げましょうか?
なかなか人気株に育ちませんが、円安効果を一番発揮できる日本の輸出企業はマツダですね。輸出比率が高く、欧米の景気が回復し、躍進する中国経済があります。かたるは今年100円を突破する円安を考えています。何故なら、多くの輸出企業の自動車産業は民主党政権に移行し、海外生産比率を高めていますね。ホンダが良い例ですね。30%程度かな? 日産自動車も世界的な戦略カーを九州からタイに移しています。政策がもたつき内外金利差が広がります。でも近隣諸国は高成長国に囲まれていますね。マツダはフォードとの提携を見直し、中国でこれまで調整に手間取っていた増産体制を、自分達の意思で決定できるようになります。そろそろ南京工場が稼動する時期でしょう。全ての条件の華が開きますね。これで原油価格があがると世界で一番の技術力を誇るアイドリング・ストップ機能が爆発的な支持を得るかもしれませんね。HVを越える燃費効率なのです。
マツダを簡単に書きましたが、一つは業績面で赤字から黒字に転換し、過去最高の1株利益は65円と高く、しかも現在は純資産価格以下の株価ですね。つまりPER10倍で650円です。円安の為替変化が見込まれ、世界で躍動する中国市場でマズマズの成績なのです。2009年は40%増を達成しています。そうしてアイドリング・ストップ機能を持ち、非常に高い燃費効率を誇りますから、原油価格が上がっても競争力がありますね。
まぁ、いずれ株価は上がるのですから新高値を切ったら買えば良いのです。ところが多くの人は私も含めてですが、下がると株を買い易いから、相場が下がる局面で買うのですね。下がったら少し休むと思ったほうが良いですね。そうして休養を入れて出直ってきた株を買うと早いのです。証券マンは、いつもスピード計算をしています。銀行株のように何れ上がるのは分かっています。しかし時間が分からない。1年も待たされた事例もあります。やはり買ったら直ぐに上がり始めて欲しいのが人情ですからね。この速度計算が一番難しいのです。
投稿者 kataru : 2010年03月26日 20:27