今日の市況(2010年04月06日)
NY市場は景気指標を受け堅調な展開が続いているようです。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は6日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ4.25%にしました。オプションのSQ清算を今週に控え、神経質な展開が続いています。つまり各ポジションには、コールオプションの売りがあり、相場は下がりにくいのでしょう。今日もそのような観測を裏付ける相場の動きでしたね。本格的な調整局面は来週からではないかと推測する根拠はここにあります。ただ本格的な決算発表を控え、売り方は売り辛いですね。難しいですよ。この時期の今期の業績の読みは…。自分の持ち株の会社四季報(東洋経済)の今期予想利益と、会社情報(日経)の数字を見比べれば、その違いが分かるでしょう。赤字予想が黒字になっていたりして180度、見方が違います。会社情報は1株利益が10円も出ないのに、四季報では100円台の1株利益を予想したりと…、銘柄により見方は大きく割れています。だからツガミのような銘柄が、この時期に出てくるのですね。
自動車に関して言えば、かなり数字は好調な数字が出るのでしょう。米国ではトヨタの販売促進費の影響もあるのでしょうが、ピックアップ・トラックが売れていると報道されていましたね。中国は相変わらず伸びているようです。フォードの中国合弁である長安・フォード・マツダの2010年第1四半期累計生産台数は、10万8131台。旺盛な需要を背景に、前年同期比89%増をマークしたと報じられていますね。上がれば下がるのが株の常ですが、多くの銘柄は上昇過程なのでしょう。故に多少、高い所を買っても心配ないと思います。ただし金融政策の動向には注意を払う必要がありますが、まず、今の環境は心配ありません。単なる乖離調整ですね。
実は騰落レシオや乖離率などは開いていますが、出来高推移をみると調整は短いことが予想されます。どれもそうなのです。この調整の目安は株価と時間ですが、出来高が少なくなってくれば、だいたい整理は終わりに近いのですね。下げてくると買い向うのに勇気が要りますが、自分の相場観をしっかり立てておけば買い向うことが出来ます。どうしてもネット・トレイダーやディーラーの人たちは、目先の売り買いばかり気にしますが、通常は順張りではなく、逆張りが理想でしょう。問題は自分の資金力との調整です。こればかりは自分自身でないと分かりません。自分の力量にあった勝負をすれば良いのでしょう。ただし時には冒険も必要でしょう。
温度差は激しく、業界によりまだ冬を抜け出せない所もあります。例えば国内建築などは依然、厳しい状態です。建設用建材は例えばH製鋼などはようやく在庫整理が終って、通常の業務に戻ったところだそうですね。それも値上げが確実だから、前もって値上げに備えての在庫調整ですね。忙しいわけじゃない。大阪製鐵の社長の談話によれば最近、通常の業務に戻ったところだそうです。株価が上がっている工作機械ですが、メーカーにより温度差がマチマチです。やはり株価は正直でツガミの受注は好調でしたね。大手企業の匹敵する水準で輸出に至っては抜いていました。
要するに、この回復力が、どの程度の角度で戻っているかなのでしょう。生産体制が戻ってくれば、繁忙度合いも改善されます。当初は予期せぬ注文にてんてこ舞いでも、やがて勇気あるメーカーは増産体制を整えます。半導体のDRAM市況はそろそろ上昇度が止まりそうに見えますね。ただ需要の回復は可処分所得をあげ、更に刺激された購買意欲は消費を盛り上げ、理想的な好循環を生みます。米国の一人あたりの労働生産は限界に近付き、やがて新規雇用に移る所ですね。雇用統計の増大は、可処分所得が増えることを意味しており、徐々に正常化の過程に向っているのでしょう。
問題は金融機能が完全に回復していないことです。
今回の金融界の赤字は、何年もに渡って貯めた利益の吐出しです。体力が弱っているのに、いきなり通常の景気回復と同様の出口戦略を取ると、日本のように二番底に陥ります。年内にも米国の利上げとの観測が高いですが、ゆっくりやるべきでしょう。故に負け組みのシティーバンクの株価は注目されます。日本は15年もの時間をかけてバブルの清算をしてきたから、非常に体力が落ちていました。その時に、あのようなベースマネーの減らし方をして、新興勢力を叩くから、また低迷したのです。可哀想に、またダヴィンチの金子さんが餌食です。始まりのライブドアの堀江さんに、終わりにダヴィンチの金子さんか…。僅かな債務超過なのだから、誰かスポンサーが居ないのかな? 今でも日経ヴェリタスの創刊号を飾ったインタビューが鮮明に印象に残っています。1兆円ファンドの創設を豪語していたのに…。完全に福井さんのミスですね。
今回は日銀の充分な反省がありますから、驚くような反騰に繋がっているのでしょう。だから短期調整で、株価の高値を買っても怖くありません。二度の試練で、精神的にまいっているから、なかなか大手銀行株は割安だと言っても、相場がスタートしませんね。おまけに、折角の出始めに、要らぬ助け船を出すから出鼻が挫かれました。所詮、駄目なやつは淘汰されるのが人生でしょう。2年や3年の延命策をとっても、無駄なのです。亀井さんの気持ちは良く分かりますが、格差は自然な現象なのでしょう。むしろ地元のアーバンの倒産を教訓に生かし、金融庁の検査マニュアルを見直すべきでしょう。延命より新規貸し出しのノルマです。今の地価はいくら融資しても良い水準でしょうに…。大勢観が政治家に求められます。
そんなわけで脅える気持ちは分かりますが、勇気を持って果敢に挑戦しても心配はないと考えています。こんな時ほど、くそ度胸を発揮しなくては男がすたる。もう廃っているか…トホホ。
投稿者 kataru : 2010年04月06日 18:36