今日の市況(2010年04月13日)
日本のメディアは、何故か普天間問題が中心でオバマ大統領との会談をトップに伝える様子ですが…。実はワシントンで胡錦涛主席と鳩山首相が会談をしており中国側は4つの提案をしたと報道されています。
「まず一つ目は、両国トップの往来を保持すること。両国の指導者は多くの場を利用して接触を保ち、政府や政党、議会などの各分野での対話や交流を強化して相互信頼を強める。
二つ目は互恵協力を深めること。ハイレベル経済対話などのメカニズムの働きを十分に発揮し、経済や貿易協力の安定した成長を推進する。双方は世界経済の発展の潮流に順応し、持続可能な発展を目指して、エネルギー、環境、低炭素技術、エコ経済、循環型経済、ハイテクなどの分野で協力を深め、両国の経済貿易の協力をさらに高いレベルに推し進める。
三つ目は文化交流を展開すること。交流の形式を絶えず新しくし、その関係のメカニズムを設けて整備して、両国国民の相互理解と友好感情を促進する。
四つ目はアジア一体化プロセスで協力を強化すること。中国は日本と対話や意思疎通、協調を強化し、手を携えてこの地域の貿易、金融、インフラ建設といった分野の協力を強め、共にアジア一体化の建設を推進して実質的に歩み出すよう促進したい」と4つの申し入れを行ったと言います。
既に日米関係より日中関係に依存した貿易取引は拡大し続けています。経済大国になった中国の存在は、日本が活躍できる舞台が整ってきたように感じます。東西冷戦でソ連と米国のハザマで立ち回った日本は、漁夫の利を得て成長しました。今回も同様の構図が背景にあるように感じます。この考え方は非常に重要なヒントになりそうですから時間をかけながらの考える新しいテーマになりそうですね。米国が輸出拡大を打ち出し、牛肉の輸入問題が持ち上がり普天間と絡んでいる様子です。
別の観点では、ブラジルの自動車販売が、金利引き下げや融資条件の緩和で伸びており、ドイツを抜くのではないか?と言う観測があるようです。2009年のブラジルは310万台の販売で、ドイツは400万だったのですが、人口が2億600万と8200万人の差と成長を遂げる新興市場と、成熟市場のドイツとの差を考慮した発想だそうです。
実は新聞によれば3月の中国の乗用車販売が前年比63.2%アップの126万台でバス・トラックを含めた自動車販売は55.8%増の174万台とロイターは伝えています。
日経産業新聞にも同様の報道がありましたが、年率換算で2088万台のペースですね。しかし在庫が増えており、このペースで売れるか不明と…例の如く、悲観的なコメントが新聞には入っていましたが、先月もそのように言っていました。日経新聞本紙では中国の自動車生産2000万台は過剰体制と最近まで批判していましたが、実売がこの数字ですからね。1500万台の予想から確実に上方修正されることでしょう。
皆さんには新聞記事を読んで早くピンと来るようになって欲しいものです。いつまでも値動きだけ見て、株価が上がってきたら買って、下がってくれば売るような投資行動ではなく、経済情勢を見て自ら行動できるように、自分の価値観を養って欲しいですね。値動きだけと思われる石川製作は、市場の一番人気で、今日から注意銘柄に指定されたら、後場から信用の売り禁止になったようです。
信用規制の注意銘柄が、どういう基準で選ばれて、どのタイミングで規制が実施されるのかサッパリ分かりません。完全に人気が冷めて株価も大きく下がっているのに拘らず、何年にも渡って規制が実施されている株もあります。投資家保護が大前提ですが、いたずらに市場を規制するのは行為に対し、僕は反対の立場です。でも最近の傾向として秩序を保つ為に、規制は重要だと言う認識もあるようですね。確かに節度を越えた行動は、回りに不快感を与えマイナスだし…。規制と秩序、そうして自由と発展の考え方の接点は難しいですね。
仕手色の強いGSユアサも賑わっていたようです。…でも、7日から私はそれまでの見方を、多少、修正して相場観を上方修正したのです。6日までは空売りを考えていたほどで、ソニーなどはその筆頭候補銘柄でした。しかし7日の住友化学や住友信託の値動きを見て相場観を変え始めたのです。その後、米国の金融株の堅調な値動きを見て、益々、このまま休みらしい休みを入れずに、日経平均株価は高値を更新し続けるとのスタンスに見方を修正しました。人により、このような状態をゴルディロックスと呼ぶのだそうです。
「ゴルディロックスとは英語の童話に出てくる主人公の少女で、三匹のクマさんの留守宅に迷い込み、お父さんクマのスープをtoo hotと言い、お母さんクマのスープをtoo coldと言い、子グマのスープをjust rightと言って子グマのスープを全部平らげたキャラクターである。ここからゴルディロックスとは、ほどほど、適度の経済状態を表す慣用句となり、多くのエコノミストに頻繁に使われるようになっている」との解説です。
確かに最近の相場を考えてみれば、売りたいほど株は上がらないし、買いたい程には株価下がりませんね。このような状態のなかで、株式は上昇していくと言うシナリオを採用し始めています。理由は安いのですね。しかし市場参加者が少ない為に、なかなかホットな相場が形成されません。石川製作ぐらい短期に上がるなら売れるのですが…。
今日も個別銘柄を掲げていませんが、多くの銘柄情報が満載されています。ある程度の物色意欲が背景にあれば、株で儲けられますね。黒字で配当をしており、純資産倍率1倍を割り込み、なお今年も増収増益になる企業を探せば良いのです。この時期は3月決算数字がメインですが、多くの銘柄は好決算を織り込んでいるものと思われます。だから余程のサプライズがない限り、高値を追っては駄目なのでしょう。
投稿者 kataru : 2010年04月13日 17:13