未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2010年11月11日)

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色々書きたい内容が豊富な時ですが、時間がないので簡単に…
本日は中国の主要経済指標が発表されています。そのなかで関心が高かったのはCPI(消費者物価)でしょう。下のグラフはその動きを示しています。10月は4.4%だったのです。まだ経済成長率(GDP)よりCPIの上昇率は低いので、中国の人は可処分所得が増えていますね。日本は過去オイルショックを経験し急激な物価高に見舞われました。トイレットペーパーがスーパーからなくなる事を経験するなど…混乱が生じました。でも中国は今のところ、多くの人は平静のようです。しかし消費者物価にも、色んなものがあり、電化製品などは技術革新により単価が下がります。一例を挙げるとDRAMなどの半導体価格は、時間の経過で単価が下がっていますね。

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しかし食料品だけを見ると、物価の上昇は意外に高いのです。
昨年8月頃までは横這いでしたが、今年に入り6%台前後だったものが、8月は7・5%、9月は8.0%、先月の10月は10.1%と、とうとう二桁の伸び率になりました。GDPの成長率と同じような数字ですね。このようになると低所得者はエンゲル係数が高いので不満が溜まります。日本の場合はこの数字は23%ほどですが…中国はもっと高いでしょう。2009年のある調査によれば、都市部は37%、農村部は43%となっています。当然ですね。資源などの物価高は、一人あたりのGDPが低い国にとって大変な負担になります。

このような状態になると、物価を下げるために生産活動を抑える政策、つまり金利を引き上げる…など、引き締めの金融政策が採用されます。中国では先頃、預金準備率を0.5%引き上げましたね。しかし為替によっても調整できます。元の価値を上げれば良いのです。つまり米国のQE2は、新興国にとって物価高と言う副作用をもたらします。さて、ここで考えて下さい。金利が上がると投資採算が悪化し経済活動が弱まります。素材や設備投資などの関連企業が影響を受けますね。QE2は先進国の経済活動を助けるが新興国ではマイナスに働く可能性があります。新興国の物価高は先進国との格差を埋めます。その縮小スピードが速まります。

さて具体的に銘柄の動向を考えれば、最近人気になっているコマツやファナックですが、CPIの数字が高くなれば、なるほど目先の業績の伸びは大きいですが(物が売れるからその需要に応える為に設備投資をする)、少し先の業績は減速して当然ですね。(物価を下げる為に引き締め政策が採用されるから…)ただ中国は為替介入しているから貿易黒字も増え物価が上がります。仮に介入をやめると黒字は減りますが、同時に国内物価は低くなるのでしょう。QE2などの過剰流動性により、お金が中国などの新興国に流れ、経済活動が活発になるという読みも出来ます。採用の当初はこの動きでしょう。この境目を図る目安がCPIとGDPの差でしょう。だからこれからの中国のCPIは何度も注目されていくのでしょう。

でもあまり神経質になる必要はありません。
2008年のリーマンショック前の中国のCPIは8%代後半まで上昇し食料品に至っては、なんと23%も上昇した月があったのです。でも理屈を押さえておくことは必要ですね。おそらく中国のCPIは4%台だったので、まだ設備投資の勢いの方が強いのでしょう。つまりコマツは、もう一段高しても不思議ではないから、安易な空売りはすべきではないのでしょう。でも僕も売ってみたいね。いずれピークを打つのです。さらにこんなことも考えられます。資源価格が上がれば鉱山会社などは増産投資をするから、一概に減速するとも言えません。どうでしょう? 理屈を知って居ても株価の判断が難しいでしょう? 更に世界は中国だけではないですからね。

株価の読みはこんなプロセスで考えられています。今日はCPIとコマツを取り上げました。まるで株式教室みたいですね。相場のほうは昨日指摘したみずほが130円の公募を回復し、日銀の資産デフレ対策を評価する声に変わるかどうかが見所ですね。

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投稿者 kataru : 2010年11月11日 19:58