今日の市況(2011年01月24日)
かたる:今日はNY市場の強さを見て戻った感じかな?基本的にグローバル企業の業績は良い。GEもそうだけれど新興国向けが伸びているからだろう。しかし最近GSなど多くの投資グループは新興国の持ち高を減らしている。理由はQE2の弊害であるインフレ懸念からの金融引き締めがある。既に景気対策の時期は終わり持続的な景気拡大に移行できるかどうか?米国では回復の上げ相場は終わり、拡大基調の上昇と言う表現を用いているようだね。
僕が悩んでいるにもこの弊害に対する過剰反応が心配なんだね。スタグフレーションを心配する背景は物価高になるが本格的な設備投資などに移行する前に需要が減る可能性がある。先週来、北京では自動車ディーラーが店を閉めていると言う話題を提供したのもその心配を懸念している。ブラジルの金利を書いたと思うがブラジルは昔の高利回り国債の償還を迎える為に国債を大量に発行し償還に充てていると言う。資金流入が近年加速したために逆回転をし出すと資金の引き上げが起こる。故に果たしてドル安になるのかどうか…。
ユーロ圏は既にインフレ警戒モードで利上げはあるが利下げはしないだろう。故に為替が動いているようだが…このあたりの見極めが難しく本当にこのまますんなり株が上がるかどうかわからない。だから僕はどちらかと言えば…年初からは弱気派だ。
時代や:でも今日は上がっているね。
かたる:うん、久しぶりに引退していた神主さんから電話を頂いた。今は悠々自適の生活で石井久が日本株は上がると断言していたと言う。神主さんも株を2年ぶりに買うために資金を手当てしているとか…。
時代や:僕らは知っているが過去の人だから知らない人も大勢いると思うよ。独眼竜の事は…。
かたる:石井久は独眼竜というペンネームで、株式新聞社で記事を書いていた。その前はなんと街のおまわりさんから株式新聞社へ、そうして立花証券のオーナーなんだね。むかしスターリン暴落を予見した「桐一葉落ちて天下の秋を知る。」と言う有名な句を書いたんだね。それで人気になり、一時、立花証券は盛況だったと言う。今でもファンはいるよ。僕の知り合いが立花に長くいたので聞いてみたが本当らしいね。何とバブルの絶頂期に自宅をすべて売り払い賃貸住宅で間借りをしたと言う。平成元年からのバブル崩壊を危惧しての行動だね。
時代や:へぇ、自宅まで売ったの。すごいね。
かたる:まぁ、投資家と言うのは大したものだね。神主さんの話ではえらく強気だったらしいよ。でも後半と言っていたとか…。
トロ:もうおじいちゃんだろう?当たるのかな?
かたる:今の懸念が払拭されれば怖いものはないね。その可能性は高いよ。僕はもともとQE2は成功しリーマンショックを克服できると言う考え方だからね。バーナンキ議長は、昔からインフレターゲット論者だよね。日本のようにデフレを放置するとは思えない。それに一時的なだましがあることも日本を研究してよく知っているね。いろんな意味で日本は中国にとっても他山の石となっているね。
トロ:何故、最近は弱気説ばかり唱えるの?
かたる:一つはテクニカル調整だね。どんな株も上げっ放しはない。でも強い初期波動を作った株が下げたらチャンスだと思うね。それに日本株は非常に割安だよ。例えば一株純資産が429円あり、一株利益で71円、おまけには配当が9円の会社があるとしよう。この会社の現在株価はいくらでしょう。ただしあまり財務内容はよくなく自己資本比率は31.2%だよ。でも予想ROEは16.7%もあるよ。
時代や:感覚的には株価はPER10倍で700円?
トロ:いや自己資本比率が低いから、きっと株価は出遅れているから純資産の400円前後だろう。でも問題は来季の業績だね。本当に70円が続くのか…それとも減益になるのかどうか。
かたる:今のところ増収・増益だろうね。二人とも外れだね。この株の今日の引け値は282円だよ。安いでしょう。こんな株は他にもゴロゴロしているよ。だからテクニカルで過熱感があっても、そんなに株価は下がらないと思うよ。たぶん横ばいか若干の値下がりだろう。例えば米国の自動車販売が伸びると予想されているから、米国に強いホンダが買われているね。更にダイムラーとの会見が予想されていた東レなどが今日は高かったね。
時代や:でも物色が絞り辛いね。スマートフォンとか言っているが…。
かたる:そうだね。僕は相場の性格からして一度はスタグフレーションを懸念する資源高の相場を経験すると思うね。中国が大量の大豆を米国から買い付けたりしているが、基本は化学製品だね。その原料は原油だから…
時代や:でもカタルがそう言っていたからWTIの相場を見ているが、そんなに高騰はしてないね。
かたる:僕も専門家じゃないからわからないが、おそらく米国景気の影響を受けるのだろう。ガソリン需要が膨らむ春とか…でもWTIは世界の原油から見ればほんの一部の話。実際は既に多くの原油が100ドルを突破しているね。ナイジェリアのボニーライトやマレーシアのタピス、インドネシアのミナスと…いずれも大台に乗っているらしいね。
まぁ、原油が上がるかどうかも含め、新興国の需要(経済成長度合い)は現時点では分からないね。もちろん市場関係者が気にする米国の雇用統計とか…いう遅行指標もあるがね。石井久が正しいとすれば…この問題が見えないと前に進めないね。よって彼も今年後半に相場は上がると述べているのだろう。僕がFRBを信じているのと同じだね。もしこのまま日本株が上がるシナリオがあるとすれば、政治がお馬鹿さんをしないことが前提だね。
考えてみれば分かるが新興国から引き揚げた資金を投入するところがない。日本は長い間のデフレを克服し新しい時代にスタートできる位置にいるから大挙して外人が買ってくるかもしれないね。その資金量を吸収できるし尚且つ長期間のデフレ継続で資産価格は底値圏だね。それに株価はいろんな指標から割安だよ。何より高値で株を買う買い手がいるね。
時代や:一体だれ?
かたる:決まっているよ。今は売っている機関投資家に個人だろうね。消費税が引きあがると国債金利が上がり始めるよ。買う国債が無くなるから資金が動き出すね。だから消費税の引き上げがお金が動き切っ掛けになるかもしれないよ。
トロ:普通は増税で景気に悪影響だが、カタルは資金需給から株が上がると思っているわけだ。
かたる:うん、まぁね。だって先ほどの例でも利回りは3%を超えるしどう考えても2倍以上になるよ。そんな銘柄がゴロゴロしている日本株だもの。上がるに決まっているよ。でも目先は調整、もうすぐ上昇だよ。
投稿者 kataru : 2011年01月24日 16:34