今日の市況(2011年03月01日)
かたる:考えてみると…昨年、10月の日銀政策転換から完全強気の相場見通しが、一番正解だったようだね。昨日は外資系の先物だから、そんなに強くもないのだろうが…きっとSQに絡んだ仕組債の動きがあるのだろう。その中身を聞かれても分からないよ。そんなもんは存在するのかもわからんし単なる憶測だから…。でもそのような仕掛けがこの環境下で働くのだから、かなり需給は改善しているんだろうね。
時代や:いったい何を言いたいのか、よく分からんよ。
かたる:目先の話じゃないよ。もっと、ずっと長いスパンの話。
バブル崩壊以降、土地本位制と持ち合い株式制度がともに崩壊したね。日本株は米国株よりずっと割高の時代が長く続いたよ。その為にQレシオとか…持ち合い株を除いた浮動株で株価を評価していた時代もあった。しかし今では普通に国際比較しても割安水準になったね。でも機関投資家は持ち合い株を売り続けた。一旦、2003年に解消したかに思われたが、その後のフジテレビなどの事件で、コーポレートガバナンスは大きく後退した。
一時、新日鉄や銀行の株式持ち合い制度が復活したね。しかし、それもこの度の金融危機で崩壊したよ。銀行は自己資本比率規制が厳しくなり持合いを続ける余裕もなくなった。まだ会社は自分のものだと言う悪しき慣習が残っているから、MBOなどがあるのだろうが、基本的に日本市場はグローバル化されているね。最近では松下のように系列上場企業を完全子会社化する例が増えているね。まだ日立などはそこまで至ってないが…。日立本体を買収して日立建機や日立化成などを売れば、どうなのかな?まぁ、その話は置いて…
2006年からの下げで…残存の持ち合い株式が無くなり、年金基金の機関投資家もグローバル基準で、日本株比率調整を終えている可能性があるね。故に日銀のパフォーマンス程度のアクションが外人買いを誘発して、ここに来て…インフレ懸念による資金移動から新興国から先進国の流れの中で、日本株が見直されスーパー成長サイクル論が登場している背景があるね。
トロ:盛んにスーパー成長サイクル論を述べているが…その根拠が希薄だよ。
かたる:何度も述べているよ。アジア諸国は何も中国だけでなく、人口が2億を超えるインドネシアも、自動車の輸出基地化しているタイは6700万人、日本に近いベトナムは9千万人近い人口があるね。更に今日の新聞を読むと、インドが外国投信を受け入れると言う。インドは中国の2000年前後に位置しているのだろう。このような資金を受け入れることは、成長が加速するね。要するに新興国の市場経済参入は加速する。
トロ:そこで一番怖いのがインフレの資源高や食料品の物価高だね。故に中東ではジャスミン革命が起こっている。
かたる:僕はもっと劇的な変化があるかと思ったが…どうも中国は乗り切れるかもしれないね。全人代総会が開かれているが、地方政府は地価の目標価格を示すことが要求され、今までのような錬金術が使えなくなってきたね。加えてエネルギーの消費率を話題にし始めている。
時代や:いったい、何が言いたいんだ?
かたる:まだ分からないが…流れがゆっくり進む可能性があるね。
トロ:いったい、いつ頃を想定しているの?
かたる:僕は年初のレポートのような展開を予想していたが、今日の東レなどの動きを見ると…間違っているような気がしてきたね。誤解されると困るね。間違ってはいないが、速度計算を間違ったと言うか…はじめチョロチョロ、なかパッパって言うじゃん。あんなイメージかな? おそらくFRBは6月までQE2の拡大政策を継続するだろうから…その前後か、その後かな? みんなは好調な米国経済と言うが…そんなにスムーズに、まだ行かないね。フレディーマックやファニーメイのGSEの存在を考えると、そんな感じがするよ。
トロ:カタルは年初のレポート展開の先送りと…言いたいわけだね。
かたる:先送りと言うか…。だって本来なら、太郎君だって既に800円ぐらいしているはずだね。でも実態は600円未満だよ。何故だろうね。石油資源開発も、まだまだ株価は低い位置だね。ようやく外人投資家が、今年になってから買い始め出したイメージだね。おそらく2年ぐらいは買い続けるだろう。だからピークは来年以降だよ。僕のイメージはもっと早かったんだ。でもあまり早く叩くと中国の恩恵を受けられないし、中国の市場開放が未完成だからね。
時代や:なんだか…二人して他人が分からんような話をして…。理屈はどうでもいいんじゃい。何を買えば儲かるの?
かたる:そうだな。スーパー成長サイクルは確実に来るし、僕の考えているインフレを織り込む動きも確実に来るね。その順番が交互に現れて…徐々にインフレになり、その後、米国は利上げしだし、中国本土の株が上がり出したら、本物のスーパー成長サイクル論相場に突入かな?
気の長い話だが…そんなイメージだね。
つまりボリュームが上がるとすれば、やはり証券株なんか面白いと思うね。底値からの第一ロケットから、かなり、調整過程の時間が経過しているよ。自動車関連も大丈夫だと思うが、今の所、上をガンガン買えるほどの状況は見えないね。米国は確実に向上するから…、ある銘柄は上がっている。この関連株を買ってみたい気もするね。
一方、気を付けなければならないのは、中国も成長力が若干鈍るだろうし、特に日本の経済対策が時間切れになり、エコカー減税やエコポイント制度がなくなったから、この関連に気を付けないと駄目だね。
時代や:そんな客観論はどうでもいいの。具体的な銘柄だよ。
かたる:そうだな、例えば液晶の薄型テレビ関連が上がったメーカーではシャープかな?メーカーの株価はあまり上がってないね。でも見えにくいけれど、部品絡みの化学関連にもたくさん銘柄があるね。実は東レも関連しているが、他のものが伸びるね。僕は日東電工なんか危ないような気がするね。
時代や:今日は上がっているよ。それにスマートフォン関連でもあるよ。液晶からスマートフォンだよ。
かたる:だから落ちる度合いだよ。落ちなくても伸び率が落ちれば、危ないのが株の世界だよ。それに大画面の薄型テレビと、小さな画面のスマートフォンを結びつける考え方が僕には分からないね。素材メーカーだよ。グラムいくらとかの単価の世界でしょう。普通は…違うのかな? だから銘柄選別が難しいよ。
中国の成長率の減速は明らかだよ。でも全体数字は落ち込まないね。所得が上がったし、他の国々の伸びもあるからね。影響は少なく、ほんの一時的な鈍りかも知れない。だから現時点では分からないから、様子見になるね。よって内需銘柄の選別も考えられる。でも所詮は資金流入の問題で、持ち合い解消売りが切れれば、一時的にユーフォリア状態になる可能性があるね。エリオットの延長波まで考えられるよ。
時代や:なんだか、分かり辛いな? お前自身も、全然見えなんじゃないのか?
かたる:予測なんて、所詮そんなものさ、誰にも分からんよ。でも強く見れば桃太郎だって、休んでいるから可能性はあるよ。でも、いずれインフレ懸念を織り込むし、業績の変化率が大きくなりそうな環境だから、外人投資家と思われる買いが入り始めた太郎君は、やはり面白いね。今の相場は証券株の選択もあるよ。連日、20億以上の出来高が続いているからね。需給面で野村や大和は増資をしているから、動きは鈍いが確実に拾っているところがあるね。故に時間の問題だろう。どれを選択するか人それぞれよ。
投稿者 kataru : 2011年03月01日 18:07