今日の市況(2011年03月10日)
かたる:あらら…おかしいな。ずいぶん下げたんだね。最近はディーリングに力点を移しているから相場全体の流れが見えているのかどうか…昔は証券会社にいたのでみんなの数字が分かったから「あぁ、相場が悪くなってきたんだな。」と言うのは手数料の推移で分かったけれど、自分だけだと一般的に基準が何処にあるのかどうか見えなくなるね。もともと今週は難しい局面だったよね。
時代や:何が、スーパー成長サイクル論だ。他人を散々煽り上がって…おまけ利食いできるのに買い増しに行ったりしてやられているよ。
かたる:確かにそうだね。考えてみると先日、ルネサスエレクトロ二クスを883円で1000株、買ったんだよね。2日後に903円か902円で売ったんだよね。あれを売らなかったら今日は855円だからやられているね。ハハハ…。絶対に一般的な売買ではできない芸当だね。ネットなら手数料が安いからできるけれど…。今日は何か半導体市況が崩れているとか言って、エルピーダなども下げていたみたいだね。
実はこの会社は僕のお気に入りの一つなんだけれど…。パワー半導体は三菱電機やロームなどが頑張っているが、ルネサスも頑張っているんだね。今はシリコンを使っているが、省電力化効果が期待されている素材に炭化ケイ素があり、それで半導体を作ると4割も削減できるんだって…現在は価格が高く汎用品にするために3インチから6インチに挑戦しているらしいが、歩留まりの問題があり実用化になるかどうか…。
何故、大幅赤字のルネサスに拘るかと言えば、車のハイテク化が背景にある。実は車の半導体では世界で一番なんだね。どんどん車はハイテク化されているよ。今度、ホンダとソフトバンクモバイルは提携するね。渋滞情報だとか瞬時に活用できるように研究がされているが…おそらくこの分野ではホンダが先端かな?ソフトバンクと組むことになり通信料金が軽減されるね。ソフトバンクもSNSと同様に新しい社会インフラを構築できれば大きな強みになるね。他にソフトバンクは最近、財務的なゆとりから公立の小学校へ実験段階だがICT(情報通信技術)を投入し始めたね。だんだん面白くなってきたよ。
トロ:分からんでもないが…あまり夢みたいな話ばかりじゃなくて…現実的な話をしたらどうなの?
かたる:じゃ、この環境下でも株価が高かった帝人は、炭素繊維の形状を簡単に変えられる技術の材料が出ていたが、この分野はもともと東レが帝人と並び第一人者。ボーイングやMRJの開発で炭素繊維の素材化に取り組んでおり、自動車へも高級車を中心に採用され始めている。今度、日本でもようやく自動車の燃費計算方法が変わるが、原油が高くなれば、ますます素材変化が求められるかもしれないね。原料高は何もマイナス面ばかりじゃないよ。物事には必ず二面性があるね。株が下がるとみんな駄目だと思うかもしれないが、買いたい銘柄が下げ始めようやく新しいお客様の参入できるんだよ。市場参加者を増やすためには、やはり株価の上下は必要だよ。
時代や:でも下げ波動が長くなるかもしれないよ。
かたる:可能性としては否定できないよ。特に中国には注意が必要だね。自動車販売のケースが紹介されていたが、うれしい話を紹介しようかな?
例えば奇瑞汽車の1-2月は8.1%アップの112400台だったけれど、2月の単独は12.8%ダウンの32700台、バフェットでお馴染みのBYDに至っては17.6%減の78600台で2月はなんと22.4%減で、たった26500台の販売だよ。更にあのボルボを買収した浙江吉利控股集団は4.1%増の72600台なんだけれど、2月の単独は2%ダウンの30500台の販売だね。
一方、GMの1-2月は15.0%アップで452570台で、2月の単独は5.8%アップで184500台、上海VWの1-2月は50.1%アップの193000台で2月もなんと32.5%増の80000台と伸びている。
時代や:数字が良いけれど、いったい何が言いたいの?
かたる:非常に重要なんだよ。僕は本文で何度か鬼ゴムこと桃太郎の話や、河西工業の話をしたね。河西工業は奇瑞汽車からたしか50万台の部品の話を持ち込まれ共同で工場を建設しているよ。中国は自国ブランドに拘り外資系列を排除しようとしているが、実際の数字は国内ブランドより世界ブランドが好まれているね。
先日、鉄道省でも高速鉄道の張曙光運輸局長が汚職容疑で逮捕されたね。実際の現場で働く技術者も高速鉄道には乗らないと述べているとか言われているよ。あれれ?やはりスピードを速めればどうしても歪みが生じるのが自然の原理だね。一つの数字を見て様々なことを連想するのがオーケストラだよ。銘柄の動きは非常に重要だが、世間のニュースも重要だね。
最近はお直しの洋服の時代だとか…。ブックオフもそうだけれど…ほら、NHKの朝ドラで「ゲゲゲの女房」をやっていたね。あの時代は、貸本屋が不衛生だとか言われ、いじめられていたよ。そうして昭和30年代に流行っていた貸本屋は廃れたが…今はブックオフの時代だね。何やら、長いデフレ世界の為に物を大切にする新しい文化が定着しそうだね。先ほどの話と一緒。株は下がると嫌だが…それは一面性だけの見方。デフレは嫌だけれど、ある意味で生活パターンを循環型に変えるいいチャンスかもしれないよ。
もう少し余談を良いかな?
最近、GDPと言う付加価値の指標が正しいかどうか?…と言う議論が出てきたね。僕が相場で当たり続けていた時に月給で2000万円以上もらったが、あの時に感じたけれど、毎日20万円は使えないよ。クラブに2人で行って普通に飲む分には10万円ぐらいだね。でも豊かさがあったかな?心の豊かさはGDPでは測れないかもしれない。
トロ:なんだか悟りの世界のような話だな。ところで今日はどうして、こんなに安いの?
かたる:うん、NY市場の引け後にハイテク株のTIかな…業績が悪化すると言う話があったのかな? そのためにエルピーダなどの半導体株が下げたんじゃないの? この背景には全人代も影響しているんだろうね。成長率を7.5%から7%に引下げ加えて省力化投資を打ち出しているね。自国の燃料使用比率を高める為に外資と提携してシェールガスの開発に乗り出すんだよね。
分からないけれど…勘だからね。
昨日天然ゴムの相場下落を受けてブリヂストンが上がっていたね。何故、急に大幅安したのかな?2月の自動車販売が低下したからかな? でも世界で見る限りいよいよインドが第二の中国化の道を歩み始めているよ。インドの2月は18%増299578台の自動車が売れたらしいよ。この数字は確かだと思うが別の新聞は乗用車の数字を…23%増の189008台とされていたね。インドの鉄鉱石の輸出は減り間もなく輸入国に変わる。中国と同じ道を歩んでいるね。
時代や:さっぱりだよ。そんな話を聞いても…ハッキリ言いなよ。どっちなんだよ。
かたる:そんなことが分かれば僕は億万長者で苦労はしないよ。分からない。でも前から今は難しい相場展開だ。…と述べていたよ。
何故なら、来期の数字は増えるが減速するからだね。さらにQE2の影響が出てくるのは…まだ序盤戦の筈。その為に大国の中国などの動きを見なくてはならなんだね。故に今年は間違いなく浮上する米国経済が中心なんだ。今日は株が下がっているが、中国が大きいと言ってもGDPでは米国の方がはるかに大きいよ。2倍以上で3倍近いと筈だね。だから大きくは下がらないよ。故にチャンス到来かもよ。
投稿者 kataru : 2011年03月10日 16:43