未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2012年01月06日)

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かたる:米国株は当初、イタリアのウニクレディトの株主割当増資の割引率を嫌気した欧州危機を嫌気して下落していましたが、結局は米国景気を支持し戻りましたね。バンカメなどが高いのです。米国の給与計算代行大手オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が同日発表した12月の民間雇用は32万5000人増加し2011年で最大の伸びを記録したそうです。この統計は農業従事者を除いた民間雇用の毎月の推移を示すもので、市場予想は175000人増だったそうですね。やはりQE2終了から6か月経過しての反応で…金融政策のタイムラグが確認されていますね。このあと欧州危機の影響による欧州景気の悪化予想があり、この動向が懸念されますが財政健全化政策のアイルランドを始め、本当に財政を厳しくすると民間景気にも波及するのでしょうか?

どうも先進国におけるケインジアン政策は、もともとインフラ整備が完了した先進国では景気刺激効果は少なく、間違った発想なんじゃないですね。日本では90年代に度重なる景気刺激策を行いましたが、結局、大きく浮上せずに財政赤字を大量に増やしただけでした。消費税引き上げに国民の真意を問えと…自公民は主張していますが、今の赤字は彼らの失政の「悪しき遺産」なのです。さらに農業政策も怠り食物自給率が下がったのも自民党政治の責任です。

時代や:ねぇ、ケインジアン政策って、何? 読者に分からないと意味がないよ。

かたる:ごめんね。最近少し難しいと言うメールもあったんだよね。なるべくわかりやすく解説するよ。イギリスの経済学者のジョン・メイナード・ケインズの理論を支持する政策さ。昔、米国では大恐慌に陥り経済が低迷し銀行が破たんして行くが、ニューデール政策などで、一時、景気が持ち直したんだね。この時の財政出動が、それまでのGDP比2.5%程度の水準を10.7%まで高め、テネシー川流域の開発の為に、ダムを作り発電所などを作る大規模な公共事業投資をするんだね。要するに政府がお金を出して、需要を作り出す政策が代表的な考え方だね。最近では中国が50兆円規模で財政出動を実施したね。

トロ:かたるは、ケインジアン政策は途上国のインフラ整備が未熟な国では有効だが…先進国では財政出動しても景気を大きく刺激できないと考えているわけだね。

かたる:うん。有効な例もあったとは思うよ。光ファイバー網の整備などは、日本をインターネット先進国にしたね。でも無駄な公共事業投資も多いよ。問題の「八ッ場ダム」は90年代よりずっと前の事案だと思うが…僕が言いたいのは乗数効果が出ないと言うことだね。既に道路や鉄道、電力などの社会資本が完備されている所に、同じような公共事業投資をしても乗数効果は出ないよね。ところがITの関連投資のおかげでソフトバンク、楽天、DENAなどは発達したよ。日本はこのようなインターネット・ビジネスでは、世界トップ水準だね。欧米は日本と同じ間違いをしたんだよ。先進国において公共事業投資は、あまり意味がない投資だね。乗数効果が少ないんだ。

時代や:乗数効果って…?

かたる:字の通りだよ。例えば日銀がベースマネーを100億円投じると…回りまわって全体の総需要は1000億円くらい生まれる事を信用乗数と言い、10倍程度の効果があるんだね。最近は減っており7倍とか…その程度じゃないかな?

だから昔は公共事業投資を実施すれば、その需要が民間に波及し、やがて全体の総需要が喚起されたんだね。つまりケインズ理論はその様な事を言っており、この考え方を支持して自民党政権は、構造改革を怠り失敗したんだね。最近では小さな政府を主張する自由主義のフリードマンのようなシカゴ学派の考え方が常識になっているよ。

トロ:なんで…今日は何故、こんなに株価が下がったのかな? 3連休不安だけの動き?

時代や:今晩のNY市場が安いとか…欧州危機の深刻さじゃないの?

かたる:昨日、NHKで浜矩子さんが欧州危機を煽る解説をしていたね。僕の考え方は少し違うね。ECBが流動性を供給したことで、この問題の峠は越えたと思っているね。ただイタリアなどの内情を聞いていると、いい加減な国だね。税収漏れがあったり…財政規律が歪んでいる事は事実のようだよ。だから欧州危機で、健全な方向性への是正は必要なんだろうね。僕はキャッシュレス社会にすれば、良いと思っているんだね。お財布携帯などは日本が誇る技術だよ。

今日、日本株が大きく下がったのは先物からの売り崩しだと言う話だね。おそらく切っ掛けはIMFの報道じゃないかな? なんでもIMFが日本国債の下落を懸念して、邦銀の検査を実施すると言うからね。でもドイツの銀行だって、どの程度、欧州の国債を保有しているか発表されていないようだね。日本の銀行の国債保有比率は高く、当然の懸念だね。仮に20%国債価格が暴落したら大変だよ。

国債保有の対預金比率は25%程度だから…国債の減損処理だけで5%の自己資本が失われるね。つまり国内銀行は債務超過になる可能性が生まれるよ。IMFの検査からそれを連想する仕掛けが入っても不思議ではないよ。なにしろ消費税が引き上げられてもプライマリバランスは達成できないんだから…。

時代や:プライマリバランスって、支出と収入の均衡点だったよね。

かたる:そうだね。現在は僕と同じで借金で生活しているわけだ。トホホ。

時代や:怖い話だね。先のことを考えるのは良そうよ。それより今日の市場は内需関連が上がっているね。復興関連予算効果が出て来るかどうか…と言う選択かな?代わって好材料と思われた日経新聞報道のグリーなどは下がっているこという事は調整が必要なんだろうね。あらら…また下げているじゃないかな? カタル銘柄のDENAは…

かたる:僕はいつも強気だからね。上がる前の下げだと思っているが…止まる様子が見えないね。なんとか止まって欲しいな。グリーの日経報道通り業績推移は好調だと思うが…、両社に言えるが…これから数か月の動きから目が離せないね。ここまでの業績のほとんどは日本国内であげたものだが…今年はこの日本分に、海外分が上乗せされるはずだからね。この数字の出方が明らかになれば、株価は今が買い場で、反転する筈だが…。3点底になると良いな。

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トロ:何度も…聴いた解説だね。そんな事は消化されているんじゃないの? 株価は全てを知っているよ。それにしても、カタル銘柄はいつも言い訳をしているんじゃないの?

かたる:だって…成功した銘柄は利食いしたためか、聞かないもの…答えようがないよ。いつも聞かれるのは失敗した銘柄ばかりで…損をして持っているから聞かれるんだろうね。

トロ:そんなもんかね。株なんか駄目だと思っているからね。IMFの検査は怖い話だよ。いよいよかたるのアホらしい懸念が現実味を帯びているような…。嫌だ、嫌だ。

かたる:日銀は最後に追い込まれるかもしれないね。そうしてインフレが加速され、長いデフレ経済に終止符が打たれる展開かも知れないよ。もしその混乱があるとすれば…その落ち込みが絶好の買い場になるね。本当に…そんな展開が来るのかな?

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投稿者 kataru : 2012年01月06日 16:16