今日の市況(2012年01月27日)
かたる:予想通りの展開でしょうか?
ホンダが200日線をクリアして常識的に短期の調整局面に入るのでしょう。本日の株価は2689円で、200日の移動平均線が2676円なので、果たしてこの水準を維持しながら乖離調整が出来るかどうか注目されますね。先駆している東京エレクは200日線より5.7%の上方乖離しており、ここ2日間ほど上昇の勢いは止まっていますが弱くはありませんね。ただ10月31日の高値4445円を未だに抜けていません。TDKも先の高値3950円をクリアできませんが200日線上で玉を消化しているようです。仮に一旦、売りに押されても、次は3950円を完全にクリアできるのでしょう。ホンダは初の200日線なので、通常はエレクと同様に一旦は押されるのが普通のパターンでしょう。ただ安易に空売りなどできませんよ。基本的には強いのです。
米国が報道の様に、インフレ・ターゲット論を採用しました。この意味は非常に重要なのです。昨年の11月30日に世界の中央銀行が協調して欧州危機に対応し短期の資金供給を実施したのを受けて、世界市場が好転していると同じような価値があります。しかし多くのアナリストは理解できないようで、このFRBの行動の重要性を認知していませんね。あの発言は宣言をしたのですね。これから「インフレにします」よ。と言う宣言だと思っていいのです。
日本は資産価格の下落を許してしまいました。だから失われた時代に突入したのです。負の連鎖が働きますね。土地の価格は下がるし、下がるから誰も買わない。土地が収益還元法価格になっても買い手が現れない経済の混乱を許してしまったのです。だから20年以上も失った時代になり、人々の心を蝕みました。しかし米国は際どいタイミングで的確な政策を実施しています。本当は予てから私が主張するように住宅債権を対象にQE3を実施すべきなのです。そうすれば間違いないのですが…最近の景気の好転などもあり、奥の手の魔法を温存しています。その代りにインフレ・ターゲット論を採用して資産価格を下げません。と宣言したのですよ。いや宣言と言うより価格を毎年2%以上に上げますよ。と言う意味に近いのですね。物価目標は何も食料品や資源などの消耗品だけではないのです。だから企業は安心して設備投資をするでしょう。
流石、年功序列の国ではなく実力主義の市場経済の国ですね。日銀の姿勢と実力が違いますね。日銀はデフレを改善するのではなく容認しているのですね。確かに日銀の意見も納得できます。中央銀行だけで問題が解決できるのではないのですが…しかし現状の政策を容認して追加対策をしないのだか、市場から容認していると言われても仕方ありません。FRBは失業率が改善しなければ更なる対策を打つでしょう。決して自分達のやり方が正しいと言って何もしないのではなく、目標が達成されるまで追加対策を実施すると言っているのです。今は非常に重要です。
流動性の罠に陥るかどうかの瀬戸際です。何故かと言えば、金融機関が自己資本規制下にある為に融資を実行したくないからです。利益の蓄積がないから融資などしたくないのですね。冒険をさせる為には金融機関の儲けが必要ですが、日本は儲けを蓄積するどころか、明治以来の蓄積をすべて吐き出させたのです。政策の責任なのに、民間銀行に政策責任を押し付けたのですね。だから失われた時代になっています。東電の処理と一緒のやり方ですね。国家責任を認め改善すべきだったのです。
でも米国は違いますね。
これで欧州は遅れますが、中国と米国が動くから日本株も上がりますね。しかも日本は円高を利用し、アジア展開を急いでいます。地理的な恩恵は大きいでしょう。仮に欧州危機で、もう一度、揺れたとしても押しは僅かですね。だから心配なのでしょう。問題はローカル市場の日本株を誰が買うかですね。1月に入っても外人買いはおそらくポジション調整の域を出てないでしょう。日本の政治は混乱し、財政問題もあるからですね。
年初から日本橋梁の復興博打で相場を盛り上げてきましたが…息切れでしょうね。何度も言っているように、せっかくのチャンスなのに政策がうまく機能していません。マイナスではないけれどサプライズではありません。本当は日本文化のネットビジネスが主流だと思うのです。昨日のWBSの放送では売れない芸術家の作品を市場に出す会社が紹介されていましたね。一番付加価値が高いのは「文化」ですからね。今、日本で起こっている様々なコンテンツ・ビジネス・モデルは世界で通用します。だから付加価値が高いはずなのです。故にPERの評価が10倍以下はありえないのですね。
しかし本日の日経新聞の報道でゲーム課金に対する報道がありましたね。なるほど…水面下ではそのような動きがあったから一連の株が大きく下げたのでしょうね。しかし間違いだらけの政策運営をしている政権だから分かりませんが通常は自主規制で乗り越えられる問題だと判断しています。だから日経新聞が報道しても関連株は若干高くなっていましたね。ただしい政策運営を心掛けてほしいものです。ゲームは急激に膨らんだから問題を孕んでいるのでしょうが、2006年の選択を繰り返してほしくはありませんね。僕の常識では自主規制で問題を改善できると思います。例えば課金を選択すると注意画面が出るとか…平均をはるかに超える料金に達したら、警告メールを発信するとか…上限課金を設けることも必要かもしれません。いろんな自主規制がある筈です。
今日は材料株の津田駒も強かったですね。確かに先物からの動きが中心で株価が上昇してきただけですから、強いとは言えません。野村証券の動きを見れば分かりますね。ただ多少全体の水準が上がったことにより、動きが出ています。津田駒は12月27日に上昇修正をたしか発表していたはずです。その結果、玉を拾う筋が存在するのでしょう。間もなく人気化しても不思議ではありません。だんだん買いの輪が広がると良いのですが…。果たしてどうでしょうか?今日はもう一度インフレ・ターゲット論の意味を考え直してほしく原稿を書きました。
投稿者 kataru : 2012年01月27日 17:28