今日の市況(2012年02月10日)
かたる:1月13日から先物による買戻しか、新規買いの裁定効果により、全体の株価が引き上げられ、その後の好転する市況展開から、過剰流動性相場の可能性が考えられ金融株まで上がってきました。まぁ、これ以上は悪くならないと…世界景気の回復も考えられるので市況関連で割安の海運株まで買われているのが現実なのでしょう。商船三井はカタル君の大好きな銘柄の一つです。世界経済が栄えるなら物流網が潤うのが道理ですからね。
この道理も不思議なことに、理解できないことがあります。
商社などの数字を見ても分かるように資源価格の推移は好調で、このグループは環境が良いはずなのに、カタル銘柄の一つである太郎君、AOCは通期見通しを引き下げ、株価が売られています。この背景は二つ、売り上げ増を見ても分かるようにカタル君の読みは当たっていますが、中間期の引き下げを通期に織り込んでいなかったこと、あるいは製品在庫の在庫価格を厳しく見たためなのでしょう。この辺は内部情報で会社側に詳しく聞いておかないと分かりません。余程、長年に渡り会社側の姿勢を観察しないと分かりませんね。
しかし外部環境は良く、悪いとすれば燃費が良くなりガソリンの販売数量が減ること、国内の全体需要は微減して行くことでしょう。しかし北海油田やエジプトの高利益部門の参加を控え、収益は大きく改善さますから、今年のスターまでは無理かな?人気銘柄の一つになります。おそらく一時的な調整で出直るのでしょう。営業が黒字で経常が赤字の理由は金融収支など…製品在庫の棚卸損などは通常は特別損失ですが分かり辛い処理です。会社のカラーにより厳しい会計基準を選択する会社、例えば商船三井などは、積極的に廃船処理を進め、新鋭船を残しているから良い会社ですね。運航する船舶が新しくなっています。詰まり国際競争能力が高いわけです。この変化は数字の影になって見えないのですね。つまり長年、ニュースや業績数字を追わないと分からないのです。
むかし、私は血圧降下剤で痛い目に遭いました。色んな種類がありACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、交感神経抑制薬なども…更にα、βと細かい分類があり、それぞれ患者数を把握してないと市場規模が分からないのです。会社側が200億円の売り上げを見込むと言っても、市場規模が100億円程度の事がある訳で、会社側の嘘を見抜けないとなりません。専門のアナリストは、過去の経過分析をするのですが、慣れてないと、なかなか生きた知識になりません。この辺りの見方を、太郎君を見て感じた次第です。
時代や:また自己弁護か? それよりDENAからグリーへの心情の変化を教えてよ。前は、海外戦略はDENAの方が進んでいると言っていたよね。
かたる:うん。だって3年前から、南場さんは米国と中国に僅か3人だと思ったけれど…最初に派遣し準備をさせてきて、その成果がNGモコや中国大手との提携だからね。しかし今度の決算を見て、守安さんはこの大切なことに触れなかったよ。目先の国内売り上げの事しか念頭にないようなイメージを感じたね。NGモコへの追加資金投入の話も出なかった。株価を見るうえで国内はベースで、既にどうでも良いよ。伸びは限定されるからね。ところがグリーは早くから国内会員数と海外会員数を発表しているよ。ここで疑問が浮かぶね。何故、日本の売り上げばかりなのか? 海外では課金システムの仕組みが構築されていないのかな? 今、最も力を入れるべきポイントは社会規制が懸念される国内ではなく海外展開だね。ところがグリーも地域別のセグメントを発表してないよ。ただ会員数や業績の推移をみると、グリーに期待感を感じた次第だね。
DENAは大型内製ゲームの話しをしていたが…確かに現状の収益は国内からのコンテンツに左右されるだろうが、株価を大きく飛躍させる原動力は海外売り上げの増加だよ。この辺りの仕組みが日本と米国や中国では違うのかどうか? 足踏みはDENAで2年、グリーは1年の印象かな? グリーは海外会員数を発表しているのに、DENAは発表していないから遅れているのかもしれない。この辺りの変化がグリーに傾かせた理由かな?
もう一つは株価面だね。DENAの株価急伸の原動力は4Qの数字の期待もあるだろうが、根本的には自社株買いだろう。早晩、この効果は5%未満だから一時的な時間効果だけ。むしろ本業に期待がかかるグリーの数字の方が海外分の思惑があるし、何度も言うが、2月3日の出来高と株価の急進は実弾買いが入らないと、あのような上げは演出できない。だからヘッジファンドの買い増しが期待されるね。株価は仕掛け人の動向で決まるよ。
株価は高止まりしており、空売りを仕掛けたくなるが…、下げても限定的で既に海外の売上数字が組み込み始めているとなると…空売りは非常に危険だね。あの数字に海外分が入り始めているとすれば、あっという間に、一株利益が1000円台に登る可能性だってある。2009年の秋から冬、僕は損をしてDENAをあまりの急騰で売ったんだよ。株価に惚れて業績の変化に気付かなかった。あの失敗を繰り返す可能性がある場面なんだね。
任天堂が海外進出した場面に似ているようなイメージだね。正直に言えば、僕はグリーを選んだけれど、グリーとDENAはどちらが良いのか分からない。ただ言えることは、携帯コンテンツはこれからも伸びるし、ネット文化は世界で一番、日本が進んでいる未来産業分野だよ。しかもコストは人件費の頭の中だけだね。原材料費が要らないから仕組みを構築すれば、あとは全て利益に変化する高ROE産業だよ。
トロ:DENAの足踏みを考えても分かるように、ゲームは飽きられるよ。積み重ねの利益じゃないよ。だからPERは割安なんだね。更に消費者庁の問題は通常の社会概念が通じない役所が相手だよ。役所は正しいかどうかではなく、自分達に利益があるかどうか?要するにノルマの規制は躊躇わない。彼らにとって存在感が命なんだね。金融に勤めていれば、如何に理不尽な処置を受けているか理解されるはず、社会通念の問題ではないんだね。役所を理不尽で訴えても、彼らは公務員で国家は永遠だが、民間は信用で簡単につぶされるよ。国家を相手に裁判を起こしても、時間闘争に持ち込まれれば、間違いなく衰退する。だから役所の意向を汲んで、規制団体組織を作り、天下りを受け入れる組織の構築をしなくてはならないよ。
かたる:そうだね。消費者庁との付き合いはDENAの方が慣れているんだろう。だから月初の売り上げが伸びると説明会で指摘したんだろうね。だってDENAは、むかし一度、行政からやられており、監視要員を大量に雇い健全化対策を講じた経緯があるからね。果たしてグリーに、その点の認識があるのかどうか、DENAの数字が足踏みを続けた背景は自主規制なのかもしれない。グリーはその点の認識が甘いのか、それとも海外の売り上げが寄与し始めているのか? この数字の中身の読みが問題になるんだろうね。
成長の為には、国内の売り上げのベースは必要で、行政の意を内々に汲んで監視組織を業界あげて作り、役員に天下りをお願いすれば良いのに…、両社とも犬猿の仲だからな。まだ子供の産業だね。日本と言う国を知らないのだろう。楽天の三木谷さんみたいだな。まぁ、彼の場合、既に日本をいつでも飛び出せる。ソフトバンクの孫さんは政治力の必要性を痛いほど感じているだろうし…。政治家なんて、金をとるだけで、ほとんど動かない。相場の中身を考えると複雑なんだね。だから株式相場もテクニカル派の人間が増えるのだろう。
まぁ、消費者庁もあと半年や1年ぐらい待ってやればいいのに…。日本のネット文化を海外に出る応援をしてあげないと…まぁ、彼らにしても生産性を生まないサービス産業の娯楽に対し、批判的な見方をする人もいるのだろう。これはある意味で理解できる。ゲームなんぞの存在が、日本人の資質を悪化させたと言う社会通念もあるから…。それならゼネコン組織を肥大化させ、借金地獄に導いた国家責任はどうなるのかな? 八ッ場問題や諫早の混乱か…。国家論は難しい問題だね。
時代や:今日は携帯ゲームばかりだが…他はどうなの?
かたる:実は見ている資料の中で日経225の上位人気銘柄の標準偏差が下がっていると言うことは値動きが鈍くなっているのかもしれないね。僕は最近、RSIなどのテクニカル指標を見ているよ。その一環のデータだが…何しろ真剣にテクニカルを勉強し出しているのが最近だからね。経験値の蓄積がないよ。IRNETを長年やって来て、講釈は一人前になったけれど、実力が今一だからね。相場は上がるなら人一倍、成果は期待できるが、そんな時代はなかなか来ないからね。もしこの見方が正しいとすれば200日線上で揉み合っているすべての225銘柄は一旦は売りなのかもしれないよ。でも下げても短期調整だと思うけれどね。チャートは代表的なホンダにしようかね。
投稿者 kataru : 2012年02月10日 16:11