今日の市況(2012年03月05日)
かたる:やはり調整局面は来るのでしょうが、どのような形でこの利食い売りを消化するか? またどのような支援を受け再びこの調整を抜け出すか? …がこれからの見所でしょうか? 先日来、ECBの資金投入額を巡りいくつかの見方があると書きました。内容が悪いから供給額が膨らんだのか? それとも叩かれないから有利な資金を手にして投資が起こるのか? 前回は半分程度は待機資金だったので、僕の感覚では今回は調達額が少ないのでは…と考えていたわけですが、労せずに利ザヤが稼げるチャンスで信用問題が問われなければこのチャンスを生かした方が利益は増えますね。どちらにしても銀行の利益の蓄積に繋がります。FRBが国債を買う事も、日銀が国債を買っていることも同じ原理でもあります。メインは金利を引き下げ、産業の金融コストを下げる支援ですがダブルの効果がありますね。
この調整下では、先ずは買われた銘柄の調整パターンです。値下がりするのが弱いのですが、揉み合いで通過できるかどうか? その揉み合いにもいくつかの形があります。右肩上がりで玉を吸い上げる形が一番強いですね。下値の支持線である25日などの移動平均線を割れるのが弱いパターンです。閑散相場の中で物色対象が出て来るかどうか? 通常はメインの金融株は調整に入りますから、脇役である仕手系の材料株が誕生するパターンもありますし、最も強いのが休んでいるネット関連などの未来型企業を買い、交互に金融銘柄と物色を繰り返すのが理想です。
調整だとも限らないわけで、僅かな時間の経過の後で再び全体を買うパターンもあります。銘柄で注目されるのが、子会社売却などの噂があり、劣後債の募集まで追い込まれた野村証券でしょう。起死回生の一発銘柄のイメージですね。際どいタイミングです。エルピーダよりは若干恵まれているでしょうが…僕の目には似た者同士に見えます。だから面白いとも言えます。本物の金融相場ならこんなものではありませんからね。
ここで忘れられないのが、前回の仕掛け時は環境が悪く不発だったマツダでしょうね。浮動株が増えて通常は企業価値が下がり駄目ですが、今回は前回とは違い恵まれた環境下にあります。この公募を成功させると次に控えている多くの銘柄の増資が円滑に進み証券界も上げ賛成でしょう。前回、大量に株を仕入れたヘッジファンドは、おそらくかなりの玉は残っているでしょう。世界的にも景気は回復基調で、車の販売は伸びる傾向にあります。米国向けのメキシコ工場が誕生し自前の効果が生まれる可能性がありますね。中國でもフォードから離脱し生産ラインを変え増産効果が出やすくなっており、内陸部中心に販売網を拡大し販売数を伸ばしています。欧州は駄目ですが新車の省エネ効果があり為替次第で検討するかもしれません。オーストラリアは普通でしょう。マツダの車はどれも燃費効果が高く原油高はプラスに働くでしょう。加えて原発の影響で日本は貿易赤字が継続しますから円安気味に推移する筈で、為替効果が一番高いマツダは今期の数字は滅茶苦茶の赤字です。業績の急回復が予想されるマツダを、このタイミングで仕掛けなくては一体いつやるのでしょう?
公募で利食いした株がドンドン上がり続けると空売りをしたくなるものです。しかも大量の赤字が計上されるのですからね。一方、買い手は無尽蔵のお金が集まる環境にあり、いくらでも株を買えますね。問題は業績が読み通り急回復して一株利益が30円以上上がるかどうか? この話は又にしますが可能性はありますね。前回は失敗したマツダですが、今回は低位株価でもあり、この好環境を生かせると踏んでいます。果たして読み通り動くか?今日は値決めの日なのでしょう。


投稿者 kataru : 2012年03月05日 14:02