今日の市況(2012年03月16日)
かたる:今日は久しぶりに時間が取れ、色んなお勉強に充てています。かなり日経平均株価は上がってきたようです。過剰流動性相場による金融相場と言う色彩が強いですが…、既に多くの証券関係者は馴染みが薄いのでしょう。本物はこんなもんじゃ…ないですね。兎に角、僕の体験した金融相場とは、かなり、かけ離れています。最初に外人投資家により銀行株が一斉にストップ高して始まった金融相場は、スタートから6年程続きました。最初の3カ月で株価は2倍になりましたね。今回は先物指数による全面高に見えますね。
あまり話題になりませんが…債券先物が売られています。
先日は値幅制限ギリギリまでヘッジが行われたようです。話によれば米国ファンドの仕掛け売りと言う話ですね。その反面、1月は4597億円、2月は5873億円の外人投資家の株式買い越しだと言います。何れも兆円単位と言う訳ではありません。買ってはいるが、そんなに大きく買い越しているわけではありませんね。今回のECBによる資金供給額は100兆円規模なのに…。この規模で過剰流動性の金融相場と位置付けるのはおこがましいかな?

今の所、これだけ上がりましたが…少し長いチャートで金融株の代表格の三菱UFJの株価をチャートで見てみましょう。ご覧のとおり…低位水準で、うごめいている印象です。まだ500円の水準もクリアしていません。何故、500円かと言えば…僕の証券界に入った頃の水準だからですね。30年以上、前から止まったままなのです。日銀が小粒の窓口指導とも捉えられる融資先促進策を、緩和政策と捉えるかどうか…。前回の国債買い入れのインフレターゲット論採用を連想させる姿勢から、後退したようにも感じます。FRBの声明により米国経済の回復が確認され、円安方向が定着しそうですが…基本的に輸出額よりエネルギー輸入額が大きく貿易赤字は更に膨らむでしょう。このような読みの背景から国債先物の売り仕掛けが入ったのでしょうね。
むかし1988年から1989年の話です。当時は株式先物が導入され数年間、経過した時分だと思います。最後の1年は値嵩株だけを上げる先物操作で、大きく日経平均株価は持ち上げられました。先ほどの三菱UFJの最近の天井は2006年ですね。しかし実際の日経平均株価は2007年が天井で1年遅れでした。1988年当時も同じですね。金融株は経済の要で、金融機能が劣化する国は必ず落ちぶれます。金融機能が栄える国は、必ず栄えるのです。だから金融セクターを大切にしなくてはなりません。金融の中心地の米国のGDP比での金融部門の割合は2010年で8.5%なのだそうで、NY大学のトマス・フィリッポン経済学教授は7.5%を適正水準と考えていると言います。つまり米国の金融調整は、未だに終了してないと言う見方も出来ますね。実際の動きは下のグラフの通りです。

今回の日銀政策会議は海外からの注目を集めたと言います。一部委員は資産買い入れ額を増やすように要請したが、却下されたようですね。しかし白川さんは更なる緩和政策を否定はしなかったと言います。前回の日銀政策決定会合で異例とも言えるインフレターゲット論の導入後、株価は活気づき、債券は売られる展開で、為替は大きく動きました。日銀がその気になれば、簡単にデフレ経済から脱却が出来ます。資産価格も同様ですね。政策は非常に重要なのですね。何故、失われた時代を甘受するのか?僕には理解できません。既に自殺者が増え続け、空洞化が加速しているのに…財政はギリギリのやりくり状態で時間が限られています。公務員は人件費を削減され、今度は新規採用も大きく削減させるほど追い込まれています。
テレビや新聞の裏を知れば呆れる実態で、メディア操作はインターネットの普及で、だんだん真実のみが伝わるようになっています。メディア操作の限界も見えますね。
今日は過剰流動性による金融相場に否定的な見解と、皆さんには映るかもしれません。しかしそんな事もないのです。現状の相場を見ると、やはり一番、その方向性で銘柄を選択することが相応しい内容になっています。まだ500円台に乗ってないだけで、三菱UFJは未だに上昇途上なのですね。今日は第一生命が賑わっているようです。この背景は利回りが上がると運用益が改善すると言う理由ではありませんね。基本はデフレからインフレへの脱却ですね。生命保険の原理を考えれば分かりますね。デフレはマイナスでインフレはプラスなのです。原理を考えれば毎年5%のインフレなら、毎月入る掛け金で不動産などの資産を買い入れ運用すれば、運用益は増え支払う契約額は、過去の解約時の金額でインフレにより実体は減ってくるのですね。だから生損保の成長は新興国なのですね。それにも拘らず日本の生損保は、新興国への進出に大きく後れを取っています。経営者不在ですね。ここに来て第一生命が上がってきたのは、日銀のターゲット論の為ですね。
このような現象を捉えてみても…、相場の背景は過剰流動性による金融相場の色彩を帯びています。今日も日経新聞はマツダの応援記事でした。しかし僕の考えている仕手化の動きはまだ出ていません。相場の芽はこれからの筈です。もし玉が吸い上がっているようなら、だんだん出来高が減って株価は大きく上がり始めます。まだまだ序盤でしょう。彼らは200円台の買いの筈ですからね。公募の手当てでも玉は揃わず、場から株を調達せねばなりません。このところの為替の円安ピッチは速く、業績は急改善が見込まれますね。V字型回復の可能性が出てきましたね。5月の大幅赤字発表時は仕上げの動きになる筈で、その時点の大幅な赤字を梃にして、更にその時分は、もう一段高の動きを示す筈です。故に4月、5月はメインになる筈ですね。ここでやらねば、手持ちの玉は永遠に捌けませんね。要するに市場経済は騙し合いです。他人より早く時代の流れに気付き、誰よりも早く動き、仕掛けるのがヘッジファンドの力量なのでしょう。
グリーの海外展開話が、初めて日経新聞に載っていましたね。
僕が記憶している中で、海外展開の話がメディアに登場するのは初ですね。日本会員の比率は僅か15%なのですね。残りの海外会員は85%もあるのです。それにも拘らず1600億円の売り上げのほとんどは、日本のものと言います。単純に海外展開を日本並みとしたら売り上げは5倍増えます。つまり株価は相当な上値が望まれますね。これは誰にでも分かる常識ですよ。国内の規制なんて…あっても無くても関係ないとも言えます。この展開は時間の問題で、大きく株価ステージが変化する場面が来るのでしょうね。しかし、その時期は残念ながら分かりません。日経の報道が事実なら意外に早いのでしょう。


投稿者 kataru : 2012年03月16日 15:32