今日の市況(2013年01月25日)
かたる:最近、見逃していた銘柄群の中で、バイオ関連があります。タカラバイオや株価が急騰しているナノキャリアなど…。昨日はNHKのニュースで大日本住友製薬が報道される人気ぶりでした。時代的な背景を考えると創薬ビジネスは、スーパーコンピュータの発達やIPS細胞の活用など…時代が大きく進む分野でもあります。しかし多少、気にかかるのが景気循環における選択が正しいのかどうか…。薬品が活躍する景気循環はたいがい不況期です。つまり景気の四季では、秋から冬の時代にかけて物色される訳です。何故なら、景気循環に関係なく病人は存在し、景気循環に業績が影響を受けないからですね。だから昔から薬品株が活躍するのは、必ず、景気後退期でした。
今の景気循環の季節感は日銀の金融緩和を見れば分かるように、冬から春に向かう時期ですね。故に、赤字企業のシャープなどが人気になるのです。米国は歴史的な金融危機を乗り越える段階です。日本も歴史的なデフレ環境を乗り越える段階です。この歴史観は通常の景気循環を大きく超えるビック・ウェーブですね。ソニーの業績への変化は感じられませんが、市場の一番人気を支配しているのは大幅に劣化した株価価値の水準訂正と景気動向への期待です。つまりバイオ関連が人気化しやすい環境ではありますが、季節感から見ると適正ではありません。
それに大日本住友製薬にしても業績に寄与するのは、はるかに先の話し、通常、新しい有望な物質が見つかっても、薬になるためには様々な試練があり、臨床試験に入るまで大変なハードルがあります。更にその狭き門を通り抜け、臨床入りしても最終治験の段階まで行く薬も多くはありません。カタル銘柄に掲げたJ・TECは既に厚生労働省から認可を受けたのですね。だから2年以内に業績が変貌する可能性を秘めています。グルグルのグルコサミンで知られている世田谷自然食品などの宣伝を見れば、容易に膝関節の患者数は相当な数ではないかと推測している訳です。加えて親会社が富士フイルムですから、怪しい会社ではないでしょう。様々な角度から計算され、昨年から注目銘柄の一つにカタルは選んでいたわけです。今日、初めて人気になったYこと007も様々な角度から成り立っている相場観により選定されています。
ナノキャリアは調べてないのでは分かりませんが、単に話題性で買われているだけでは早晩人気は冷めるものです。株価が買われる背景をしっかり理解しておれば、株価が下がった時に対処できますね。三菱UFJの480円なんか、どう考えても説明が付かない安さです。正常な社会環境なら700円から1000円程度が妥当株価なのでしょう。つまりこのデフレ環境が克服されるまで、本当の意味で日本の復活はあり得ません。まだアベノミクスは初期の「はしり」程度の評価ですね。正常な株価評価に戻れば、お金は自然に動くようになります。つまり信用乗数、貨幣乗数が10倍程度まで引き上がる筈ですね。その様な状態になって初めて、日本は世界競争に向かうための準備ができるのでしょう。教育改革が疎かになっている現実は哀しい現実です。詰め込み式の記憶力を養う教育から独創的なアイディアが評価される社会環境を作る必要があります。
株価が急騰すると、どうしても利食いを考えがちです。しかし背景をよく理解しておれば、買い増しが正しいのですね。野村証券は確かに一服しました。しかし時代的な考察をすれば、野村証券が倒産の危機まで株価が下がるという事は、日本の資本主義観の大きな欠落を意味しており、グローバル化に敗退している現実を物語っているとも言えます。何故、私が何年も、何年も、金融株に拘っているかと言えば…信用創造なくして成長がないからですね。日本は数々の失政により金融機関を痛めつけてきました。それではリスクが取れませんから、成長力が落ちるのが当たり前ですね。どんなに高い技術力も、お金がなければ、資金を提供する人がいないと現実化しない訳です。政治家も政策官僚も、良くこの事を意識しなくてはなりません。だから貨幣乗数効果は非常に大切なのです。キャッシュレス社会だから、M2が減って当然だとかいうテクニカル面の話しではないのです。
さてこれから新聞を読んで、のんびり朝飯でも食べるか…。今日の日経新聞は良いニュースを報じています。日立と三井物産か…日本は少子高齢化ですが、世界人口は爆発的な伸びに入っていますね。農業は成長分野でしょう。地球規模で大胆に行動できるのは儲かっている商社ぐらいのもの、昔、三菱商事は社運を賭けて…は大げさかな?でも資源に大規模投資した冒険が、ここ数年の利益に繋がりましたね。何故、商社がこんなに安い株価位置なのかよく分かりませんが、グローバル化を手助けする総合的なマネージャーですね。世界にも類を見ない業態で、僕はもっと高く評価されても良いと思うが、万年割安なのですね。おそらく冒険による利益だと思われているのでしょう。丸紅などのカラーは、嫌いではありません。勿論、大型では東レも好みの銘柄です。年金担当者の方も、そろそろ目覚めて欲しいものです。株価が上がれば売るという、資金配分比率投資は競争に負けることも意味しています。歴史的な考察が必要な時もあるのです。
投稿者 kataru : 2013年01月25日 11:35