今日の市況(2013年01月31日)
かたる:昨日、思いがけない人から電話を頂きました。昔の僕のお客様だった人ですね。そう言えば、彼からメールで年賀の挨拶があったので返信したのです。
その内容は…
「お久しぶりです。元気ですか? 僕は全然元気がなかったのですが…10月頃から株価の上昇が窺え、元気が戻りつつあります。良い相場になって、良い銘柄に出会えると良いのですが…今はみずほ、三井住友、グリーも持っていますが、三井住友は何れ、飛べば売ります。既に半分売りましたが…。みずほは159円にも指値を入れていますが買えるかどうか…。他に狙っているのはユビキタスにJTEC(7774)などにも興味を抱いていますが…買うかどうかわかりません。安全ならみずほでしょう。200円台は堅いと思っています。後は政策次第ですからね。頑張ってくださいね。いつでも電話を掛けてくださいね。」
更に…他にも読者の方から「マツダ株凄いですね。僕は89円で購入していて、130円で手放しました。」…と、500万円ほど儲けたとか…。最近はメールの数も増えてきたようです。出来るだけ返信を心掛けていますが、全てのご期待に応えられるかどうか分かりません。悪しからずご了承ください。でも昔のお客様はいつでもどうぞ…。一度、なにかの縁でお付き合いが出来た訳で、既にお友達です。会社を辞めたからと言って、縁が切れた訳ではありません。お気軽にどうぞ…。
多くの人は、間違っていますね。昨日も昔のお客様に電話で話したのですが、彼は年初のメールを見てJ・TECを買って少し儲けたと話しています。読者の方も、折角、良い銘柄を選別されたのに…その後の上昇の方が大きいですね。別に皆さんに限ったことではありません。僕自信も、野村証券をたしか340円台で買ったのに、最初の飛び出しの420円で売っています。それでは何故、バフェットは兆円単位のお金を残せ、僕らは家を買う程度のお金も手にできないのでしょう。バフェットの投資は、何年も株を持ち続けますね。彼は2007年だったかな? 米国金融危機時に、ウェル・ファーゴに投資して、まだ持ち続け、更に買い増しを続けています。しかし多くの投資家は株価が上がると、僕のように途中で株を売るのですね。決定的な違いは、ここにあります。
今日は金融株が再び人気になって来ており、三菱UFJも500円台の乗り、みずほも180円台の動きで、野村はまだ新高値を更新していませんが「指呼の間」ですね。ようやく、アベノミクスの成果が試される感覚の相場になって来ています。カタルは10月末よりマネタリーベースの話を何度も掲載し、株が上がる理由を説明してきました。そうして11月14日の衆議院の解散を切っ掛けに、アベノミクスが評価されて、円安と株高が始まっています。例の如く、テレビの評論家は、場当たり的なコメントに終始しており、株価は13000円とか、12000円とか述べていますが、基本の概念を大切にして置いて下さいね。まだ三菱UFJは500円台前半の株価でしかありません。三菱UFJの一株純資産は690円もあり、毎年、内部留保が進んでおり、今年は730円程度に、来年は770円、800円と増え続けますね。何故、私が今年に入って、何度も総資産相場の背景を説明しているか?よく考えてくださいね。政府は名目成長率が実質成長率を上回る予測を打ち出し、日銀がインフレ・ターゲット論を採用して2%を掲げている意味を…。この政策が実行されるなら、確実に三菱UFJは700円台の株価になります。…と述べているのですね。だから年初からカタルは、総資産の大きな企業リストを公開し、総資産の値上がり利益が、リスクオンに繋がる経営になるのだと述べています。
今の一般的な評価は「業務利益」ですが、「包括利益」と言う言葉があります。利益には2種類の価値があるのです。丁度、本日の日経新聞には、レアアースの価格下落により日立金属が評価損を150億円も計上している話が掲載されています。資産価格が下がったので利益が減る訳ですね。包括利益とは…規模の大きな会社が保有している資産が値上がりすると、その値上がり分も会計に盛り込む考え方ですね。一般的には株式資産の評価替えは買値の半分にならないと減損会計しなくても済みます。しかし株価が2割でも下がれば、実際はその分の損失が既に発生している訳です。この考え方が包括利益です。全ての含み利益も損失も、会計に盛り込もうとしている訳です。さて実質成長率を名目成長率が上回り続けると…この含み利益が大きく膨らんできます。そうすると金貸しの金融機関は、多少の損失をしても利益率の高い冒険が出来るようになり、貸し出しが増え、社会が元気になります。目に見えない行動を促すのですね。長いデフレ環境は、表面化しない内部損失が負担になっており、表面的な業務利益を削っていました。だから冒険が出来ずに委縮していたのです。今度は逆なのです。だから年初から総資産規模の話を何度もしています。株式相場は基本的に正直なのです。
理論的な裏付け武装が出来ないと…株価上がると直ぐに売りたくなり、または株価が下がると直ぐに売りたくなります。昨日のJ・TECなどの動きなどもその事例でしょう。カタルが買ったユビキタスの値動きも、その範疇ですね。それは値動きだけに魅せられた目先筋が動いているだけだからですね。しかし現実はどうでしょう。赤字企業の株価が上がってきたときは、基本的に利益成長が止まるまで、改善を続けるうちは買い続けるのが筋ですね。冒頭のメールからの話の焦点は、ここにあります。カタルはその株が、何故、買われるか? 解説しています。アイフル、シャープ、マツダ、ソニーなど…ソニーなどは水準訂正の動きに過ぎないでしょう。数日前に三菱UFJの方が、筋は通っているとソニーの株価との比較を述べています。
先程のマネタリーベースと日経平均株価の話ですが、政策が正しく運営されるなら、間違いなく2007年の高値を日経平均株価は抜きます。それはマネタリーベースからも説明が付きます。2007年の高値は18000円台ですね。つまり正しい政策が実行され続けるなら、株価は2万円を目指したスタート地点に居ることになりますね。分かりますかね? この背景の意味が…基本的に一度上がった株は大きく下がりませんね。どんな株も…。しかし必ず行き過ぎるのが株価で、株価の上昇は上げ続けるわけでもありません。途中で何度も休みますね。故に途中で利益を出しながら、手持ち株数を、どの程度まで増やせるか? 本格的な金融相場が始まっているのです。
何度もカタルは述べています。株価が上がり続けるうちは、利食いなど考えずに買い増しする手段を考えなさいと…。如何に、持ち株数を増やすかが、その行動が未来の利益に繋がるのですね。首つり足を連発していた株価が、上に抜け始めています。基本は最も駄目な形なのですよ。強弱感が大きく対立しているから、高値圏で強弱感が対立する首つり足が連続で現れるわけです。極めて稀な現象です。昨日のJ・TECはストップ高の後の大陰線で通常は駄目な形です。ユビキタスもそうですね。大きな陰線が描かれました。たぶん両者とも現物株だと思いますが…故に信用の売りは入らない為に、当然、値動きは荒くなります。しかし今の相場は、株価が下がった時がチャンスなのですね。野村証券はつい先日まで460円台だったのです。カタルの今日の市況に書いた時が、反騰の出発点だったですね。結果論は誰にでも言えますが、今、株価が下がっているカタル銘柄も心配はありません。赤字のうちは怖くはないのです。一番怖いのは利益が大きく伸びているのに株価が下がるパターンです。アップルのような現象ですね。
これだけ株価が上がってくると、だんだん銘柄選別は難しくなってきますが、筋を外さなければ、どんなに高値と思われる水準を買っても基本的に心配はありません。しかし株価が下がった時の為に、株を買う理論武装は、非常に必要なことなのです。果たして、僕らはバフェットにもっと近づけるのだろうか?
投稿者 kataru : 2013年01月31日 10:41