今日の市況(2013年02月18日)
かたる:先週の木曜日の日経産業新聞だったと思いますが…、イチロウのインタビュー記事が載っていました。40歳の代表者として、彼の心境が描かれていました。やはり僕の抱えた矛盾と同様に、彼も社会に不条理さを感じている様で、心の中でその不合理さを取り込んでいるようです。うちの親父も潔癖症というか、嘘が嫌いでした。その為に他人に嘘をつくと、ひどく怒られました。その性格のせいか矛盾に心が折れたのですね。株屋に転身して自分は嘘をついているつもりではないのに…結果として嘘になることがよくあります。
双日は代表的な事例でしたね。事の起こりは日商岩井から始まり、大規模の赤字をどう処理するかで市場は問われていました。当時の西村社長は当初、期間利益で返済すると述べていましたが、結果はMSBCを発行して借金の返済に踏み切り投資家を裏切りました。当時の市場環境を考えると、債務整理のやり方としては、あまりいい選択肢とは思えませんでした。貸し手責任を問い、別の手段が後年では多く用いられています。アイフルのように…所詮、株価は幻で色んな展開が予想されます。
そんなわけで…推奨当時とは違い条件が変化して、結果として証券マンのカタル君が嘘を言ったことになりました。このようなケースは多く業績予想もその一つです。パナソニックとソニーの処理を見れば分かるように…同じケースでも経営戦略の選択で業績数字は大きく変わります。これは経営者の選択ですね。このマジックに気付く人は、なかなか少ないですね。会計士でさえ騙される世界の話です。
株価を見てカタルは常に市場の投資家動向を考えています。パブロスの条件反射の実験がありますが、人間の感情は慣らされます。これは時間に比例し、記憶にインプットされるようです。今ではバブル以前の日本経済を覚えている人は減り、先ほどの話しのように、停滞する経済を見てきた40歳の人達が、社会の主流を歩み始めています。イチロウも外見から見れば確立された成功者の一人のようにみえますが、本人自身は未だに多くの葛藤と闘っているのでしょう。人間の深層心理は不思議なものです。最近、マッドメンに続きリベンジを見始めました。毎週、ドラマの放映を待つのは嫌いですから、レンタルショップで借りて好きな時に見るわけですが、復讐をする為の心理戦が描かれています。実は株価の背景には、この心理が多く影響しますね。投資に参加する層の市場心理が、大きな影響を及ぼします。
例えば、最近は為替動向で指数が動き、心理がコロコロ変わりますね。通常、このような指数の変化のマジックは、相場の中身が存在してない為に、弱い相場時に現れる現象です。本当に強い相場は、必ずスター株が生まれます。「ナノキャリア」は10月末比の上昇率は3.30倍です。2位がガンホーで3.27倍、以下アプラス、T・TEC、マツダと続き、証券株やシャープなどの個別株が続きます。
…が、金曜日の段階で2倍以上になったのは僅かに6銘柄ですね。(時価総額300億円以上)これだけ下げたのに…これしか上がっていません。先週は大きく下がりましたから、リストアップされた銘柄は少なくなりました。1.5倍以上は僅かに44銘柄のようです。野村証券を指標株としましたが39位の1.55倍でしかないですね。このリストはある意味で正直なようです。バイオと金融が多く並んでいます。神戸製鋼やJFEなどもリストアップされているのは株価が大きく下がった為でしょう。パナソニックもソニーも登場していますからね。しかし僅かに44銘柄か…。カタルの描く壮大な金融相場から日本経済の復活には遠い現実ですね。やはりアベノミクスの限界が問われる時期が来るのでしょう。
これだけ相場が高いのに…何故か期待するシャープは安いようです。この動きは良い現象ですね。ようやく「ふるい」が終了しているのでしょう。ただIGZO一本でリストラを乗り切ることができるのか? 社内体制が整ったのか分かりませんが550円の払い込み問題の火種は、依然、存在し、カタルの眼は向いたままですね。株式教室で若干、テクニカル面を説明してありますが、次の変化日は75日線と200日線がゴールデンクロスを迎える…何日後かな? 自分で計算して下さい。今のペースは1日3円ほどのようです。株価が200日線や75日線に接近する意味じゃないですよ。あくまでも移動平均線がGCを迎える時期が問題になります。まぁ、経験則ですから当たる訳じゃないですが…。プロの仕掛は、このような時期に始めますね。これは長年の経験です。今日の動きなどはなかなかです。大衆が興味を失うから、指数が上がっても個別は上がらなくなります。所詮、今の相場は素人集団ですね。
この時期は金融機能が動き始めていると言っても、欧米では金融に縛りをかけており、金融マジックの復活がなかなか進みません。日本のケースと同じですね。信用創造は資産価格の上昇が背景になっています。GDPの成長率を上げるには、固定資本形成の動きを促進させねばなりません。景気の信頼が回復すると消費者信頼感指数の動きが先行して実際の消費が伸びます。今まではこの動きが設備投資に向きませんでした。この利益が資産価格の下落や、海外との競争に消えたのですね。今度は円安基調と資産価格の復活が揃う可能性があります。そうなると企業は国内で設備投資をしますね。つまりムードが先行し消費を煽り、消費税の引き上げもそうですよ。そうして需要が追い付かなくなります。
マーチは逆輸入できませんよ。円安だと損失が広がります。仕方なく国内の生産活動が盛んになりますね。つまり理屈上、アベノミクスは一定の効果を生みます。その為に欠かせないのは資産価格の上昇の信用創造が前面に出て来るべきですね。だから三菱UFJの株価は必ず700円以上になります。ところが現状はマツダとトヨタを11月まで買っているのに…金融株は証券が先取りしていますが、肝心の邦銀は今ひとつです。つまり信用創造の方が遅れていますね。ここが最も大切なキーワードです。
IGZOは実験から生まれた副産物、電気を切っても画像が消えない不理屈な現象から生まれた技術、今この技術は世界トップですね。携帯端末は電池が命です。だからカタルは007に惚れたのですね。しかし惚れた相手がじゃじゃ馬娘で苦労しています。少なくとも皆さんは相場が成り立っている背景をしっかり捉えなくてはなりません。グリーにしても既存の落ち込みとFFの立ち上がりなど…、海外の遅れる展開などの関門はたくさんありますが、少なくとも目先の第4四半期は改善されますね。それはFFの立ち上がりが期待されているからです。僕もファイナル・ファンタジーのファンの一人です。…と言っても大昔の話ですが…。これはサイドパーティーの作品で利益率は低いのですが…おそらく混乱している社内体制は時間と共に落ち着くはずです。急成長する会社でよく表れる現象ですね。だから多くの会社の株が上場と言うイベントを境に低迷するのですね。マジックが消えるのですが、真の実力は株価が低迷してから発揮されるものでしょう。釣りゲームは何故か、ドンキーコングを連想させます。僕だけかな?
さてイチロウは、果たして2年目のジンクスを乗り越えられるのかな?自分に対し厳しく律せられる人間は非常に少ないものです。酒と女に溺れ、博打に負け、人生を棒にふるケースは多いですね。人間の深層心理は不思議なものです。エミリーの復讐劇はどう展開するのでしょう。しかしどちらかと言えば、このドラマはそろそろ飽きる方かな?シリーズ1を見たら終わりにしようかとも思っています。3月から2シリーズが始まるようですが…少し現実離れしています。金と権力の確執は何処の世界にもありますが…むしろ最近の僕はバロックの世界に魅せられているかな? 音楽はどちらかと言えば、バロック好みのようです。この原稿はいつもバロックのラジオ放送を聴いて書いています。
投稿者 kataru : 2013年02月18日 13:23