未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年02月22日)

かたる:あらあら…残念なことに、はかなく株価は消えている。マツダは一応の目安とされる25日線上に届いたが、通常はこれだけやり過ぎると、調整に時間が掛かるのが、これまでの常識です。ところがあまり派手にやらず、ソコソコなら反転する場面がこの25日移動平均線です。日経平均株価も横ばいになるかどうか…の瀬戸際を間もなく迎えます。しかし2月6日の大陽線を抜けずにもたついています。指標株と思われる野村証券の株価は2月12日の動きに続けず13日は大陰線になっており、通常は上に抜ける筈の形なのに抜けないという事は、たぶん一幕は既に終了しているのでしょう。おそらく横這いで個別株の物色に移ったのでしょうね。次に業績数字が確認されるのは5月なので僕の現在の相場観は横這いで、75日線の引上げが終了する時期が次の狙い目だと判断しています。ここで注目されるのは先駆した有望銘柄の動向なのです。早めに整理に突入したシャープの動向がこの相場のカギを握っている可能性もあると思います。覚えていますか? 毎日3円程度の修正を繰り返しており、もう直ぐ、75日線と200日線がクロスして75日線が200日線を下から上に突き上げる「ゴールデンクロス」と呼ばれるタイミングを迎えます。一般的には変化日とも呼ばれますが…この時期がもう直ぐ訪れます。今日は相場観の話ではないので、明日に持ち越すとして昨日に続きですね。

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昨日は想像力の話を、登山家の竹内洋岳さんインタビューから引用しました。日本の教育は基本的に記憶力重視です。しかし独創的な発見や発明などの分野に対応するためにはこのシステムは弊害になります。故に日本は東西冷戦の崩壊から社会のシステム転換が出来ずに疲弊を続けているのでしょう。今日の新聞は「カブトデコム」の解散です。拓銀を倒産に追い込んだデベロッパーの会社です。当時の不動産開発を象徴する一つの事例ですね。僕のお客様の中で、この時期に大手建設に会社を売却してバブルの崩壊を免れた幸運に恵まれた人が居られました。わき道に逸れるので話題の顛末は何れ書く機会があるかもしれませんが、素敵な紳士でしたね。

さて想像力は見えない利益を可視化するために必要だと、昨日はこの見えない利益のピカ一企業は007だと述べました。3年前からのカタルの宿題の会社ですが…今、ようやく出番を迎えている訳です。そうして「利益の質」の話を昨日はしました。携帯ゲームの世界は既に簡単に成り立つ世界とは違い、開発費が百億円単位の規模に膨らむ業界なのでしょう。ゲーム開発だけでもそうでしょうが、LTEを利用する技術は通信機能を熟知しサーバーの管理など大変な作業でしょうね。大手銀行のソフト開発は、3年程度は掛かり、たしか1000億円台の開発予算の規模だったと思います。友達に技術者が居り開発費を詳しく聴いたのですが…、頭の悪い僕は直ぐに数字を忘れます。しかし大変なのは良く分かります。

今日はメールでも問い合わせがあったので、多くの皆さんの関心ごとなのでしょう。例えば「よくよく調べると、グリーの機関投資家の空売りが多く2000万株ほどになっております。 モルガン・スタンレーとドイツが売っていますが、こういう情報はカタル様は気になさらないのでしょうか?」とか…。「グリーの大株主KDDIが持ち株1600万株の半数800万株売却の記事がありました。グリーの出来高でも実弾の800万株売却は大きいと思います。」とか…ですね。主に需給面の材料を質問されます。

市場の命題に「効率的市場仮説」と言う話題が、アナリスト試験には出て記述解答を求められたことを覚えています。この仮説は「市場は全てを知っている」というものです。だから皆さんの知っている材料は、すべて織り込まれて株価は形成されているかどうかと言う話なのですが…。常に現実は変化しており、その変化が株価に織り込まれていくわけです。だから私は何度も「出来高変化に注意を払え」と述べています。下のグラフはグリーの長期株価波動と出来高変化を示しています。長期なのでグラフでは最近の動きは鮮明に見えませんが…最近は200σでは過去最高を示しています。でも30σ等はまた過去最高にはなっていませんが強弱感が対立している様子は理解できるでしょう。

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さて皆さんは株価の動向が気になる訳です。カタルが本来なら前から相場を見ているDENAの方を注目する筈ですが…何故、今回はグリーを選択しているのか? 単純な理由の一つは、株価が安い事。そうしてコンプガチャや一連のイメージが悪い事ですね。後手、後手を踏んでいるIR対応は、まるで素人集団です。急成長する企業によくある現象。この試練を乗り越えると、ソニーや松下、トヨタに変身できる可能性もあります。さて最近は僕の当初のイメージ通りの相場に変化しているようです。かなり前に…マツダは分からないがたぶん売り、でも二番手銘柄のトヨタの空売りを考えたこともありました。何故なら、既に11月まで相場は成長を買っているからですね。だからトヨタの5000円は、調整を余儀なくされると思っていました。同時にトヨタなどの自動車産業は、日本で最も有望な産業の一つでもあります。その理由も述べています。だいたいイメージ通りですね。

そうしてグリーが選択されるのではないか?と考えていました。しかし予想と違ったのは目先の業績数字が落ち込み、減額修正をしている点です。あらら…しかし探せば僕は何処かで書いていると思いますが、このような下値のボックスを抜ける時に、大きなファンドの介入があるなら、一度、売りから入ってから参入するとも述べている筈です。今回の業績修正は絶好のチャンスです。先ずは大規模な売り仕掛けを行います。それは下げて儲けるためではなく、買って儲ける為に、先ずは売るのですね。ユダヤ資本の常套手段です。歴史を勉強しなさい。ロスチャイルド家が財産の基礎を築いた時の話です。ワーテルローの戦いで、彼はナポレオンの敗退を知りながら、先ずは売りから入りました。そうして人々が売りに参加した時に、ネイサンは密かに買っていたのですね。翌日にイギリス勝利が伝わると、今度は一転して相場は暴騰し、彼が紙くず同然で買った国債をお金に変えました。詳しくはこの辺のブログが良いでしょうか? 紹介記事は他にたくさんあります。

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全体の休みは想定されており、あとはタイミングの問題だけです。しかし…本当にカタルが考えているように、海外展開が利益を生み業績数字に反映されるのでしょうか?ここが難しいところです。先ほどの需給面の話ですが…、現実があくまで大切なのです。需給バランスは、主従の関係の中では業績が主体であって、需給バランスは従う関係なのです。年金ファンドは昨年後半に持ち高を減らしていたのです。どんどん売っていましたね。ところが今度は買うと言います。日本株の持ち高を増やすと言っています。この実例を参考にされると良いでしょう。需給バランスより業績は大切ですよ。さて問題はここです。確かにDENAは、米国と中国にカタルが現役で手掛けている頃の話だから、数年前から海外展開に取り組んでいました。

しかしグリーは猛烈な対抗心をDENAに抱いていますね。田中さんは後発のDENAが自分達の真似をして成長したのに、更に汚い手を使いサードパーティーを囲い込んでいることに、烈火のごとく怒っていましたね。この対抗心は必ずバネになる筈。裁判まで起こし大人げないと感じていましたが、同時に彼の性格がよく表れています。だからここまで成功したのでしょう。一方、DENAは流石です。MBA保持者の経営陣は、SNSからゲーム、そうしてLINEに次は的を絞り、経営の多角化を図り収益の安定性を目指しています。スバルとトヨタの関係かな? この関係をどう表現したらいいのでしょう。どちらの戦略に、陽があたるのでしょう。ここで余談ですが、ガンホーは論外です。確かに目先の業績数字は好調で、パズドラが収益の柱になっているのでしょうが…。サードパーティーは存在するのでしょうか? 基盤整備は意外にお金と人手がかかるものです。グリーのニュースリリースを見ると、その混乱ぶりが分かります。米国は時差があるように広い為に、いくら早い通信機能とは言え、日本と違い通信の遅れも問題になっているようです。基盤整備が整えば、おそらく収益化が加速されるのでしょう。DENAの安定を取るか、グリーの集中を取るか難しい選択です。

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最後に、皆さんは冒険を止めて、流れがハッキリしてから乗っても構いません。カタルのように際を考えないで良いのです。この分岐点の見極めは、非常に難しいものです。既存のゲームの売り上げが、海外売り上げの増大が来る前に落ち込むと…再び業績数字は下方されます。だから立ち上がりが先へ伸びるかもしれません。今日は007の話しではないですが、あのQBの開発に、なんと3年も費やしています。通常の携帯ソフト開発は半年の世界の話なのに…。しかし陣容が小さな会社なら仕方ありません。故にグリーの海外売り上げの計上もズレは大きくなるかもしれません。しかし大手ファンドは、その時間差もある程度、考慮して調べているでしょう。僕のような素人とは違います。アナリストはゲームを実際に自分でやりながら、何処に魅力があるか探り、同業他社の戦略や費用の掛け方の違いを、詳細に調べ上げてから仕掛けます。何しろ、数百億も賭ける投資なら、必然的によく調べて臨む筈です。しかし…どうなるでしょうね。僕にもさっぱり分かりません。ただカタルの勘は、時機到来かな?と、考えているだけの話です。しかしカタルは、よく間違いますからね。皆さんも自分でよく考え、自己判断で臨んでくださいね。

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投稿者 kataru : 2013年02月22日 12:41