今日の市況(2013年02月28日)
かたる:これまでカタルは何度も主力相場が休みに入ると、幕間に材料株が賑わうと述べてきたけれど…昨日は日経新聞の影響でバイオ関連が賑わいました。しかし若干ですが、この流れに違和感を抱いています。本来、この手の夢を買う医薬品関連は、景気後退期の後半、季節感で言えば冬の時期に買うのです。だからもっと早くIPS細胞の絡みで山中教授がノーベル賞を受賞する時期にピークを迎え賑わう筈です。野田政権時に相場が出て良いはずですね。しかし遅れました。アベノミクス効果が生まれる11月から12月は、既に季節感で言えば春の段階で金融相場に移行しているのです。
たしかに昨日の報道は、時間概念が大きく変わるアイディアで規模の小さなベンチャー企業のとっては大きな材料ですが…既にナノキャリアは安値から5倍、10月末は94900円だったのです。この手の材料株は、必ず過去の経験では株価は下がっています。その理由は、医薬品関連は人の生死にかかわり、製薬化に時間が掛かるからです。2年や3年程度なら分かりますが、多くの薬は10年程度、開発に時間が掛かりますね。
何故、カタルがJ・TECを選択したかと言えば、膝関節の治療薬が既に認可を受けたからですね。ナノキャリアのすい臓がんの治療薬はようやく治験です。この段階では薬になるかどうかわかりません。確率的にもそう高くはないと思います。ただ癌に特化しており市場規模は非常に大きく、将来の夢は非常に大きいことは、間違いありません。だから株価の人気が冷めた時に、また狙えばいいのでしょう。ただ最近は開発費の援助が信越化学などの大手からも認められておるようですから、以前の株価概念より多少は良いのでしょう。J・TECは親会社が富士フィルムで資金的なバックボーンもあり、富山化学がグループ企業に存在しますから販売網もあります。でも既に株価がカタルの注目していた時期から3倍にもなり、カタルは興味を失いました。
ここでカタルの疑問は、何故、スケールに小さなベンチャー・バイオの物色なのでしょう。ここがカタルの疑問点なのですね。金融株の相場をみると、野村は未だに公募価格の奪回が完了していませんし、三菱UFJは純資産のラインにも到達していません。信用創造が進むなら、不動産関連の仕手株などが出てきても、おかしくありませんが、どれもスターは誕生していませんね。更に2月の初めからは、空売りの回転が効いてきています。僕がこの時期に狙っていたのはDENAやグリーですが、このグループの海外展開は遅れているようです。確かに売上高の伸び高は鈍り、現状の国内は頭打ちで既に伸びを欠いています。だから株価の勢いが失われたのですが、このグループの売上高利益率は非常に高く37%、38%ですね。
日経新聞は珍しく、昨日に新聞でカタルが主張している営業利益率の話を一面で取り上げていました。トヨタは5.3%、VWは6.0%、ソニーは2.0%でアップルは35.3%、日立は4.7%でGEは11.8%と比較していました。携帯ゲームの現在は転換期の狭間に位置していると考えています。いくらなんでもPER10倍以下の現状評価は明らかにおかしいですね。海外利益への期待感は既に存在するのです。何故、トヨタなどより大きく評価が低いのでしょう。DENAの変身過程を見れば、明らかに時代対応しています。今回のLINEを真似て、コムを投入した成果の是非は見方が別れますが、SNSからグリーを真似てのゲームへの転進は見事でしたね。任天堂は海外展開をした時に、野村証券が企業の成長を支えてくれました。公募増資を高値で実行して助けましたね。グリーやDENAは自前の資金で投資をしています。何を金融界はやっているのでしょう。日本に残すべき産業を育てないで、どうして金融マンと言えるのでしょう。既に終わりを迎えている鉄などにしっぽを振りトヨタに夢があるのでしょうか?
余談ですが…トヨタから、ある学生が熱望されましたが、その学生はトヨタを蹴って浜松ホトニクスに就職しました。その後、採用担当者は、何故、トヨタを蹴ってホトニクスに入ったのか聞いたのだそうです。その理由が洒落ています。トヨタには夢はないが、ホトニクスには夢があると言ったそうです。その話を何かの拍子に社長が聞いたらしく…それが切っ掛けになり、ホトニクスにトヨタが出資したそうですね。僕らは夢を売り、その夢を現実に変えるべく行動するのが証券マンの務めのはずです。日本に残す産業の株価を高くして効率的な資金調達の手伝いをして、産業を支えるのが証券マンですね。そのような夢を育てる市場にしましょうよ。目先の利益も大切でしょう。しかし夢を持ち続けることも大切ですね。せめてPER15倍程度の評価を、グリーやDENAに与えても良いのでしょう。そうして実際に海外利益の様子が分かるようになれば、PERは30倍の評価に変化させ次のステップに歩めばいいのです。両社を採り上げる事は、バイオ関連を採り上げるよりボリューム面も投資家の為にも、日本の為にもなると考えています。
さて夢を語るのが、カタルの信条です。故に未来かたる。その代表格が007ことユビキタスです。株式コードは3858ですね。現在は8万円前後でウロウロしています。ナノキャリアのスタート地点と、同じような株価ですね。ナノキャリアの10月末時点は確かに9万円台でしたが、昨年のナノキャリアは、実は5万円前後の株価だったのです。この点もユビキタスと似ています。3年前に取り上げた時に…カタルは英ARM社への採用を期待していました。理由は携帯電話のCPUのトップメーカーだからです。アップルからサムソンまで全ての携帯端末のCPUは英ARM社の特許が生きています。ライセンスを供与するだけで利益を上げており、年間、数十億個のチップが生産されています。
007の素晴らしさは、ユビキタス社会に欠くことができないソフトウェアに的を絞り開発しています。しかし陣容が小さいために的を絞り開発しないとなりません。ようやくその一つが先日、市場に送り込まれました。カタルが期待するQB技術です。全ての家電はプログラム化されており、正常に回路を働かせるためにプログラムの立ち上げに時間が掛かるのです。その時間を短縮する技術がQBです。このデモンストレーションビデオを見た時に驚き、市場は非常に大きいと発想を膨らませ、舞いあがったのが3年前の話です。最初のターゲットは「カーナビ」です。今や全ての車に標準装備されカーナビは地図情報から交通渋滞情報やいろんな変化を続けています。おそらく車の心臓部に直結されデータの管理や外部とのやり取りを通じて、ITS(高度道路交通システム)の活用が進むのでしょう。年間どのくらい売れるのでしょう。今はケンウッドだけですが…各社が採用に動く可能性もあります。パイオニアが採用に動くかどうか分かりませんが、パイプはある筈ですね。やがて10万台規模が100万台、何れ1000万台に採用が拡大するかもしれません。
カタルの期待の一つは、この開発チームが次は、何をターゲットにするのでしょう。実は007を調べて行くと不思議なことに気付きました。全てが自前の技術開発ではなく、外部にあった技術を拾い上げて、育てているのに気づきました。会社ごと買収しているようです。日本には埋もれた開発はたくさんあるのでしょう。007は現在、WiFi通信の技術も保有しています。この技術を買われ、任天度が採用したのがゲーム機器への搭載です。更にデジカメに多く採用されている技術が、SQLと呼ばれるソフトデータ管理の技術です。新しい電力管理もやっていますが、村田が何故、資本提携に踏み切ったのでしょう。その理由が決算説明会で述べられていました。技術開発の途中で、度々、競合したと言うくだりですね。故に今度は共同開発しようという事で資本提携に至ったようです。説明会資料にはビックデータの話が登場していました。実はデジカメのSQLは、この技術だと解釈しています。かたるはソフトの事は良く分かりませんから、このレポートの記事は推測を含んでいます。了承して下さいね。
組立ソフトを調べた事があります。経産省は日本の育てる技術として、この産業を応援しています。その組立ソフトとは何か? まぁ、簡単に説明すると汎用品のチップにソフトウェアを載せて、付加価値を添付すると価格が10倍にも20倍にもなるのですね。実は世界相手に商売をしている村田は、汎用品開発のトップメーカーで、量産品は価格競争でも新興国に勝っています。故に市場の占有比率は世界トップです。指の先に乗る小さなチップは紙のような薄さですね。それを積層化させて携帯電話などに採用されていますが、最近ではそうですね。エアコンを見れば分かりますね。温度管理機能があり、センサーと組み合わせて機械を動かしていますが、この動かす作業にリナックスが採用され、汎用品にもソフトウェアを搭載する必要に迫られおり、その手伝いを007がするのでしょう。これまでは国内だけの販路が、村田との協業により一気に世界相手に広がりますね。10倍、20倍と村田ブランドが生きてきます。ユビキタスブランドでは、信用面から採用しなかった企業は多数存在し、村田ブランドに変化することにより販路が飛躍的に拡大されますね。
この組立ソフトに的を絞っている企業がユビキタスと言う会社、SQLは膨大なデータから知りたい情報を拾い上げる引出し探しのツールだそうです。(カタルの解釈ですが)つまりこの解釈が正しいなら、最近話題になっているビックデータの整理整頓に、村田と共に参入できることになります。デジカメの開発を通して競業してきた関係が、今度は村田と共に協業することになります。ナノキャリアの利益は遠く見えませんが、007の利益は間もなく視覚化します。既に3Qは営業黒字です。ただしゲームとQBの一括受託が計上されたそうですが…。シャープに増資問題があるので仕掛けにくいですが、シャープも3Qは営業黒字です。グリーやファナックは確かに減額修正しましたが、ファナックやコマツに比べ為替ではなく、グリーは自前で売り上げのボトムを付けたようです。つまりファナックやコマツより物色は先の筈です。何故ならグリーの1―3月期はFFの計上により3Qを上回ることは確実なのです。
見えない利益の規模は007がピカ一です。株の場合は規模ではなく変化率だからです。ここが非常に大切ですね。昨日は予算成立を受け、建設も賑わっていたけれど、僕には理解できない展開が続いています。筋として選んだ銘柄が採用されても良いと思うのですが、市場は気ままなジャジャ馬娘。果たしてどうなるのでしょう。
投稿者 kataru : 2013年02月28日 11:24