未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年03月08日)

かたる:株式市場の評価は、摩訶不思議な世界ですね。時々わからなくなります。武田薬品工業が新高値だそうですね。日米との景気循環には合わずに、欧州の景況感で株が選択されているイメージです。最近の動向はそういう事なのでしょうか? つまり世界経済の景気循環にズレがあるから、ナノキャリアなどが物色されたのでしょうか? しかし…米国の新高値の背景はシェールガス効果による競争力の強化、貿易関税の撤廃などの背景が流れていますね。米韓のFTA執行により日本は米国から韓国に日本車を輸出すると言う記事は、米国の産業競争力の強さを示しています。日本は電力も高くなり基礎体力が弱まっていますから…製造業にとっては割高なのかもしれません。衣料品は良いにしても自動車まで奪われたらどうなるのでしょう。…なんて言う発想も考えなくもありません。幸い為替は変動相場制で貿易赤字なら円安方向に向かうのが自然です。

さてシャープは発表後に急伸しただけで、この2日間は良いところなしです。何故、私がシャープに注目しているからと言えば、一つは「相場サイクル」の話です。どの株もいずれは環境の変化を評価し、その流れは一巡します。今回のケースはアベノミクスの評価を織り込むわけですね。しかし相場の天井を高くなるためには、先頭ランナーの株価水準を新高値に押し上げなければ…相場全体のスケールが大きくなりません。

今回のスタート時は、シャープにアイフル、マツダなど…それに金融相場銘柄ですね。パナソニックやソニーの値上がりは、シャープの株価改善に端を発しています。つまり日本の家電メーカーはテレビ事業において世界競争に敗れ過剰投資の失敗に終わったのですが立ち直りつつあります。敗退の背景は技術への拘りです。東芝は4Kに今は熱を上げています。パナソニックの3Dはどうですか? 放送さえ多くないのが現実です。しかしサムソンやLGがアフリカなどでも、テレビでソニーを凌駕している現実は、価格競争ですね。故にソニー・エリクソンはスマートフォンでも、廉価版に力を入れ始めています。何故か? 部品コストの問題です。アイフォン5の価格は、大量に部品を発注するから成り立っています。稼働率が落ちると、歩留まりが低い参入当初は、当然、赤字に転落します。

しかも製品メーカーは熾烈な競争を演じています。サムソンとアップルの競争は今やサムソンに軍配が上がっています。アップルの囲い込み戦略も嫌気がさしますね。独自のメールアドレスなど独自規格の障壁があります。アップルの信者でない僕なんか、お財布機能が付いてないとヘキヘキします。ようやくソフトバンクにもIGZO搭載機が発売されます。僕もソロソロ買い換えようと考えています。何しろ、初代の911と言うシャープ製ですから…。何故、サムソンは言いなりの条件を、すべて飲んだのでしょう。IGZOの技術供与も条件になっていませんでしたね。1年の時間差と言われているようですが…僕は技術屋でもないし、IGZOの評価はどうなのでしょう。

バテッリーが2倍に高まるなら、間違いなくスマートフォン市場はIGZO搭載のサムソンが更にアップルを引き離すことになります。アップルはしまったと…思っているでしょう。ホンハイ精密工業は、5日の会談をキャンセルしたそうですが、その後、交渉は続けていると発表したとか…。そりゃ、アップルにとって死活問題になる可能性があり…IGZO搭載のアイフォン5Sは、ぜひ実現したいはずですね。当然です。部品の村田、表示装置のシャープの地位は、これを切っ掛けに確立されるかもしれません。サムソンにしても液晶工場への投資は、数千億円もかかりますから大決断です。そう、大きな価格優位性の技術革新がなければ、他社から調達した方が経営戦略上は優位になりますね。僅か100億円の捨て金で…数千億円の投資をしなくても済むかもしれませんからね。その分の投資を有機ELに向けた方が良いと言う判断もあるかもしれません。

もともと車と違い、家電は価格が安いから参入障壁が低かったのです。故に街の電気屋さんのパナソニックは量販店に押され消えました。しかし価格が高く在庫管理が大変な車の販売は、世界中でメーカー直販のディーラーに握られています。此処が大きな価格崩壊に繋がらない違いでしょう。でも消費者からすれば、メーカー各社の車を一度に試乗できる体制の方が望ましいのでしょう。いつその時期は訪れるのでしょう。ホンハイを素通りしてアップルからの出資を得た方が、銀行団の支援を得やすいでしょうか? ソフトバンクのM&A資金の多額の融資を実行する邦銀は、かなり力が付いていますね。シャープは支えられると思いますね。ここでIGZOの技術評価が問題になります。だからカタルは肝心の点を取材してないと…日経新聞の記者を批判したのです。何故、サムソンはシャープの言いなりの条件を飲んだのでしょう? シャープには様々な選択肢があります。日本にはルネサスに投資した革新機構も存在しますね。財政投融資が元になって居る資金です。

さて物事の考え方、テクニカル面の株価の見方、皆さんには独自のものさしが存在しないのでしょうか? 理屈を考えて想像を膨らまして行けば、株価の行方が見えてきますね。サムソンが、何故シャープに100億円もの金額を投資したのでしょう。2000億円の資金を場合によれば、提供しても良いですよ。…と言うアップルへのメッセージですね。アップルには唸るほど遊んでいる資金があります。場合によればシャープを丸ごと買っても良いかもしれませんね。辣腕の証券マンならM&Aを仕掛ける可能性さえあります。色んな展開が絡み、シャープが銘柄循環の流れから言って、山手線がぐるぐる回るように…シャープと言う銘柄が、一回りして、市場の人気を独占する時期が来たのかも知れません。市場は全てを知っていると言う「効率的市場仮説」の意味を、皆さんは、さらに理解を深めることになるかもしれませんね。

さてIGZOに惚れ、サムソンは敵対するシャープに塩を送りました。それは技術に惚れて1日千秋の想いを告げたのでしょう。村田は何故007に資本提携したのでしょうね。それは組立ソフトの価値をよく知っているからだと推察するわけです。村田は基本的に汎用品の量販会社です。英ARM社やインテルなどのコア技術への想いは、非常に強いわけです。ソフトを搭載するだけで汎用品の価格は10倍、20倍、場合によれば100倍に高まるのですね。CPUの価格を見れば分かります。組立ソフトに経産省が力を入れるのは、その様な背景があるからです。何もIPS細胞だけではないのですね。ある意味で、QBは省エネ化の画期的なソフト技術なのかもしれません。今はカーナビだけの実現ですが、世界中の電化製品はリナックスで制御されています。だからピカイチなのですね。株価が見えないのですね。

市場で賑わうどの株も、成功した時の利益の水準はたいがい見えます。カタルは最近人気になったサニックスを株価が200円台の時に、上がると考えておりカタル銘柄のリストに加えていました。しかしサニックスの利益は太陽光の買い取り価格により決まります。その利益は政治力の駆け引きで、赤字になることもあります。つまり自分の力ではどうにもできないのですね。しかも今回の業績の伸びの背景は、間もなく時間切れの今年度に契約すれば42円だったかな?…が約束される駆け込み需要の伸びですね。利益の前提が崩れる利益です。そんな株を仕掛ける後続は、株価が高くなれば現れませんね。株価が高くなれば…何れ売られるでしょう。あとは需給だけの力の相場です。

DENAをソニーが売ると言って株価が下がって需給バランスは崩れており株価が200日線も下回ってきましたが、DENAはグリーより海外売り上げ伸びがハッキリしています。つまり株価が下がる道理があるのかどうか? 仮にあるとすれば…コムの失敗でしょう。ゲームに力を注いでいるグリーと、多角化に走ったDENAの違いをどう評価するか?これは非常に難しい選択です。山手線がぐるぐる回りシャープと言う電車が駅に到着しました。乗るかどうかは皆さんの選択です。増資問題の行方が焦点なのでしょうか?IGZOの技術評価であり、業績の見通しがあくまでも基本の筈ですね。本日、仮に株価が下げると3日目になります。通常は今日が買い場だと判断されますね。007は会社側が自社株買いした10万円のアナウンス価格を村田と提携しても、依然、下回っています。値動きに一喜一憂せず、現物で1株でも買っておけば、ひょっとすれば、宝物になるかもしれませんね。

明日から、しばらく株式投資の基礎勉強を「株式教室」で演じましょうか…。あまりに市場関係者の選択は、近視眼的であり、需給問題だけに気持ちが動いています。確かに大和証券の株価が、野村証券の株価を大きく引き離しているから…需給バランスも大切です。決して軽視している訳じゃありませんが、基本は業績動向や世界経済の流れで、その利益水準に影響を受けて株価が決定されていくのです。日本は、もっとオープンにならないとなりません。外国資本を受け入れ、開かれた企業風土を演出しないとなりませんね。株価の評価はROEが基準なのですね。世界競争がROE、つまり投下資本に対して、どの程度利益を上げたかどうかで競争が決まっていくのです。メディアの人は、良くその原理を理解され、その流れを生むような原稿を書いて、日本の未来を共に育てて行きましょう。株価の上下は資金配分を決めて行くのです。

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投稿者 kataru : 2013年03月08日 10:32