今日の市況(2013年03月19日)
かたる:キプロスの預金に対し、課税すると言う騙し討ちの根拠がなかなか面白いですね。一説によると、この間のドイツの預金金利とキプロスの預金金利を比較して、キプロスの銀行はギリシャ国債を買い、その暴利を貪っていたと言う認識が、この処置の背景で働いている様なのです。確かに、そのギリシャ国債の利息を払っていたのは、結果的に嘘に騙されたEU諸国になりますからね。EU諸国は嘘をついたギリシャを支援したわけだから、その盗んだお金を返せと言う理屈は分からないでもありません。それにしても欧州人と言う人種は面白いですね。最近は暇があり映画などを良く観ますが、中世の貴族社会の様相は面白いですね。少しフランス革命の背景などを勉強しないと、彼らの考え方の成り立ちが理解しにくいのです。宗教と政治の形などは勉強すると、きっと面白そうですね。大司教に雇われる音楽家など…。
この年になっても知らない事ばかりで…昨日はNHKで「ファースト・スター」の話をしていました。宇宙の誕生の起源である最初に生まれた星を探そうと言うのです。科学も奥が深く面白い。僕らの株屋の世界でも、星の位置から株価を予測するとか…フィボナッチの数列から黄金比率まで…多くの人間が未来の株価を予測するために、英知を集合させています。でも意外に市場経済の原理を、解説している本は少なく見たことがありませんね。3月17日の日曜日のコラムをご覧いただけました? 何故、カタルが007やグリーに傾斜しているか? その理由の一端が、お分かり頂けるかと思います。
もともと日本は計画経済の国で、適切な予算配分により、高度経済成長を成し遂げてきました。電力債やNTT債の販売は証券会社の手数料収入源でしたね。そうして得たお金で東京電力は電線を完備させ、NTTも電話線を引いて社会基盤を作りました。NTTは過去に電話加入権で国民相手に詐欺を働いています。世の中と言うものは、いい加減なものです。不合理で不理屈な仕打ちをよくしますね。長い時間生きていると、いろんな仕打ちに合う事があります。昔、日本も国債を国民に売りつけて、デフォルトさせた事があります。その為にかたるが新人の頃、お年寄りの人は「国債だけは、絶対に買わん。」と言っていた人が居ました。色んなことがあるのです。だから信じられるのは自分だけ…。株の世界は自分との戦いですね。どんなに良い銘柄に出会えても、ものに出来ない人が大勢います。
それでは、株で儲けられるかどうかは…何が違うのでしょう。小手川君のような人が誕生し我も我も…ディーリングをしている人が大勢いますが、そんなもので大金持ちになった話は聞いたことがありませんね。お金持ちになった人は、少し変わっている人が多いですね。考え方の発想が違うのです。僕はグリーの株価を、他の企業比較で評価を高くすべきだと考えています。その理由をコラムに掲げていますが、市場原理の社会において、株式市場は資金配分を決めるシステムなのですね。株価を高くして公募増資を実現させ、他の企業より有利な条件で資金調達をさせてあげれば、その会社はそのお金を活用してさらに事業を拡大させます。国自らが資金を配分する権利を奪うのが市場経済です。市場が資金配分を決めるのです。
何故、カタルが郵政民営化に賛成したのか?
その理由の根底には、郵政が集めた保険や預金の運用を財政投融資として、官僚が配分を決めているから、その配分が不合理な配分で社会に還元されてないから、その資金元である財政投融資の資金源の郵政の経営を、民営化すれば、その資金は市場経済に流れ、官僚が配分する資金が減るからですね。官僚に適切な資金配分が出来ているなら、文句は言いません。しかし近年の失われた時代は、実質成長率が名目を上回る、選挙権の利用率の高い年金生活者と、公務員の為の政策が実行されているからですね。努力をする人が報われない社会構成が続いているから、効率的な資金配分をする為に、郵政を民営化し、財政投融資から民間資金へ流そうと言う趣旨なのです。
今日の新聞で、革新機構の資金がイタリアの太陽光発電に流れるようです。何故、日本の資金がイタリア国民の為に使われるのでしょう。少し疑問を感じます。民間企業なら自由ですが、革新機構の財源は郵政資金の筈ですね。こんなお金を使うなら、何故、ダヴィンチを支援しなかったのでしょう? 今なら、シャープがその対象でしょう。まぁ、シャープが望むかどうか分かりませんが…。
株価が市場経済における資金配分を決めるのですね。この一例をコラムでは示しています。2011年新春号の会社情報ではグリーの従業員は216名となっています。そうして平均年棒が400万円と掲載されています。発売されたばかりの四季報の掲載では従業員が2065名で年棒は751万円になっていますね。つまりグリーと言う会社が、従業員をこのデフレ環境で、僅か2年ほどの間に10倍にし、所得も2倍近くまで増やしているのです。GDPとは付加価値の合計で、付加価値とは…原材料費を除いた自分の努力で価値を高めた事を示します。小麦粉からパンを作ったり、うどんにしたり…工夫をして価値を高めるのですね。この合計がGDPなのです。少子高齢化を迎え、少ない働く人で、多くの年金生活者を支えねばなりません。当然、市場は所得の上昇を成し遂げる企業に、その資金を配分する筈ですね。その源泉は何でしょう。
働く人の給料を増やす産業は、付加価値の高い産業です。中国が作る鉄鋼に価格競争で勝てるでしょうか? 電力が安い韓国の作るDRAMに日本の高い電力料金で勝てるのでしょうか? 他の国より高い技術を有する企業の株価を応援しないで…世界競争に勝てる道理がありませんね。まもなく2人で1人の高齢者を支える社会になります。グリーの2年前の年棒なら20%として8万円です。しかし751万円に上がった今は、同じ比率で15万円を年金生活者に渡せますね。約2倍の効率です。売上高営業利益率が5%程度の会社をいくら応援しても、その会社に勤める従業員の給料が上がりますか? 優秀な社員に給料を多く払う余裕のある会社は、何処ですか? その源泉は売上高営業利益率ですね。米国の伸びている企業は、みんなこの比率が高いのです。
つまり売上高営業利益率が30%を超えるゲーム業界に資金を集め、世界で更に活躍をさせたい。だからグリーを応援しているのです。007を応援しているのは、組立ソフトと言う付加価値が非常に高い会社で、日本に必要な産業だからですね。同じ発想でナノキャリアが買われ、J・TECが買われているのかも知れません。どの産業が未来の日本にとって必要かどうか? 皆さんはそんな観点から、自分の持ち株を見たことがありますか? 売り買いなど、どうでもよくなりますね。僅かな値幅で売り買いをして鞘抜きをする行為は…市場経済において潤滑油として必要です。しかしそんな事はどうでもいいのです。
なぜ、かたるが何年も何年も、銀行、銀行と言い続けて来たか?
その理由を皆さんは、考えたことがあるでしょうか? 銀行が元気にならなければリスクは取れません。少し冒険をしても融資を実行しよう。アベノミクスにより株高になったとの世間の一般認識ですが、実はソフトバンクに、スプリントの買収資金を融資すると態度を決めた時に、株高は決定していたのです。M&Aの博打資金に対し、銀行が融資するなんて…それも兆円単位の金額ですよ。金融機能に力がついてきた証拠ですね。007を連呼したように…今度はグリーを連日、連呼してみようとも考えています。ポカの多い経営陣ですが、若いから仕方ないかな?
ただゲームは人間を駄目にしていると言う定説も、一方ではありますね。コミュニケーション能力を日本人から奪い、社会に悪影響を及ぼしていると言う考え方です。しかし僕は、娯楽は進化を支えるとも考えています。やがてゲームは空想と現実社会の境を取り払い、直接、脳を刺激する物に代わるかもしれません。その過程で人工脳の開発に貢献するかもしれません。市場の基本原理として、売上高営業利益率が高い産業は、その比率が20%、10%、5%と落ちるまで、栄えるのが道理ですね。お金の流れは儲かる所に流れ、積極的に動くのです。市場原理とは、株式市場とは、そのような理屈で構成されていますね。
昔からの諺で「一次規制は買い」と言う格言があります。急騰する相場は、時間が株高の恐怖心を克服させます。J・TECの規制は2月19日、ガンホーは1月17日です。何れもその位置から更に上がっています。ようやく世間から007は認識され始めたのでしょう。組立ソフトの付加価値は非常に高いのです。昨日はTICK回数で10位以内の9位に顔を出してきました。「もうはまだなり、まだはもうなり」
投稿者 kataru : 2013年03月19日 11:00