未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年04月02日)

かたる:通常は日銀への期待感から株が高くなる筈なのに…。長いデフレの「失われた時代」に浸った日本の投資家の危機意識を放棄させるには、この程度の株価上昇では不十分なのでしょう。人間の気持ちとは面白いものです。期待感のプレミアが剥げ落ち、現実の世界が見え始めてきた為でしょう。アベノミクスの副作用をIRNETでは度々登場させていますが、金融緩和だけに頼ると弊害も、当然、大きくなります。問題は成長論への期待なのですが…、シャープの株価動向をみると、何度かの変化日に裏切られており、当然、ソニーもパナソニックも円安による効果は限定的で、企業の自助努力しかない訳で、何処に経営資源を投じるか?…の問題なのです。そんな中で、本日の日経新聞の連結納税を拡大させる考え方は、ベンチャービジネスを育てるのに、面白い考え方ですね。追い風の政策です。これは捨てたものじゃないかもしれませんね。今日は目先の買い場になるかもしれません。

先週辺りから、特に月替わりから相場が弱い動向を見れば、(例えばDENAなど…)昨日も少し触れましたが、新営業年度に入り利食いを優先させている現象なのでしょう。ただよく考えれば分かりますが、日銀は継続的にマネタリーベースを増大させるわけで、この売った資金は、また市場に戻ってくる資金なのですね。問題は多少の物価上昇などの弊害を乗り越え批判に甘んじてでも、金融緩和姿勢を続けることが出来るかどうか…の意思の問題です。

株で儲けるのも至難の業でしょう。違いますか?
このような状況になると、人間だれもが不安になり、利食い玉は取りあえず、手仕舞っておこうと考えるものなのです。特に乖離が高い銘柄は、素質のあるなしに拘わらず、どうしても利食い売りに押されますからね。これは仕方がない現象です。特に小型株のケースは値動きに誘われた付和雷同組も多く、問題の本質を見極めた人間ではない為に仕方がありません。007などはその一例ですが、時間が何れ解決します。そう言えば会社の発表ではカーナビへの継続投入が決まったとか…つまり一度、取り入れられれば継続的に採用され、利益の蓄積と言うか…売り上げの積み重ねになるのですね。この意味は解説をしなくても分かりますよね。これは蓄積の利益で開発部隊の主軸を動かせ、更にQBの輪が広がります。

トヨタは流石ですね。上昇に比べ下げ方は鈍いです。大型株は通常はこんなものですよ。マツダと比較されると、よく分かるでしょう。だいたい、株の本質を知らずに値動きだけで動く人たちが多いのが今の市場ですが、本来、正しい政策が実行されるなら、論理価格は絶対に回復します。何度もカタルが、「三菱UFJ」を採り上げている意味は、何れ分かります。通常の株価なら、4ケタの筈ですね。こんなに環境に恵まれているのです。大量に抱える危ない日本国債を、日銀が大量に買ってくれるのですよ。銀行は国債を売り利幅の稼げる貸し出しに振り向ける事が出来ます。黒田さんは、ようやく本格的に資産の買い入れを実施するのでしょう。マネタリーベースは変化率が大切で、この変化はかなりの変化になる筈です。それならば信用創造は更に続きますね。減損会計の心配のない資産は購入の対象になります。故にケネデックスは上昇します。

まぁ、今週の調整はある意味で仕方ないですね。新営業年度に入り、運用担当者は、先ず利益を確定させたくなる連中です。所詮、年金ファンドの運用者などは素人ですからね。相場心など知りません。30年以上も株の売り買いを続けても、カタル程度の実力に過ぎません。なかなか奥が深いのが、株の世界ですね。でも最近、一皮むけたような気もしているのです。シャープやグリーに対する株の考え方は、以前のカタルには、なかった発想なのです。少子高齢化の為に若者が支えなくてはならない年金生活者は多く、これを実現させるには、日本に付加価値の大きな産業を育成させる必要があると…何度か述べています。この失われた時代の中で、年収が上がったのはスマフォを中心とするプログラマーの価値観が上昇しました。これをリードしたのがグリーやDENAですね。激しい競争をむき出しにして両社は競争を演じ、優秀な人材確保に動きました。その為に今まで400万円程度だったこの市場を、今では750万くらいまで引き上げていますね。この水準は一部上場のトップクラスの水準を上回ります。トヨタより高いのでしょう。四季報数字では、グリーが751万円でトヨタは740万円ですね。しかも従業員の年齢はグリーが31.5歳に対してトヨタは38.3歳です。

今まで僕は、証券マンとして日本の置かれた環境が相場に大きく影響するとし、銘柄を選別していましたが、市場経済と金融経済の関係を考えてきて、生み出されたこの銘柄観は、これまではなかなか生まれませんでした。分かりますかね。企業業績の伸びる企業を追っていましたが、良く考えてみると違いますね。グリーやDENAを日本の既得権力者は邪魔をしますが…、日本には必要な産業ですよ。分かりますかね? 成長戦略を考えて行くと、新日鉄やトヨタではないのです。日本に高い付加価値を生む産業の株価評価は、必ず大きく跳ね上がる筈ですね。結論を先に示しましたが、「比較優位と空洞化」を経て、「先進国への回帰論」の主軸は、此処にあるのです。分かりますかね?

日本は世界の先頭を走っています。金融バブルを1989年に経験したのです。更に比較優位から空洞化の洗礼も受けました。欧米は2007年、2008年ですよ。この20年近い時間が、「失われた時間」を生みましたが、僕らは既に脱出の糸口を見つけているのです。トヨタを上回る産業を、既に創り上げているのですね。自動車は夢でした。携帯電話も夢でした。今でも日経新聞は、日銀短観なので製造業の業況指数を用いますが、経済が成長すると、進化すると、付加価値の低い製造業の価値は、だんだん薄れますね。だって付加価値を生まないのです。新興国と競争する鉄鋼など必要ありません。それより加工の難しい炭素繊維ですね。つまり新日鉄を売り東レを買うのです。売上高営業利益率の大切さが何れ理解されるでしょう。少子高齢化を支えねばならない日本に、僅か5%の為の産業を主体に政策を講じれば、どんどん疲弊しますね。売上高営業利益率、粗利の大きな産業を育てねばなりません。だから株式市場は、その比率の高い企業を必ず物色するのです。

結論を先に述べたので、比較優位と空洞化の論理的な裏付けは又にしますが…、カタルが最近考えている「マネタリーベースの増大」から、「信用創造」、更に今は「成長戦略」を述べ始めています。僕はお金が無く、多くリスクを取れずに多少の利食いを余儀なくされましたが、何故、カタルが現物で007を1株でも買ってほしいと述べているか?グリーの株価が下がっても、支持している理由が此処にあるのですね。何故、日経批判をしてもシャープへの思いが強いか? 何れも、要に位置する株なのです。

市場へのアベノミクスの政策反映は、時間が掛かります。一つはリードする外国人投資家の時間軸が自分達と違い、理解し辛いから…。更に日本には優秀な本物のセールスも少なく、考え方の浸透に時間が掛かります。何度も言いますが、三菱UFJは700円の純資産価格以下なのは、大バーゲンセール。先ずは此処に橋頭保を築かねばなりません。全国の証券マンは、先ずは理屈に合う三菱UFJの株価を推奨し、700円まで買い上がります。何れ、間違いなく4ケタ以上になります。金融機能がこれからどんどん復活します。そうすると成長率が上がりますね。マネタリーベースの増大は、信用創造に繋がり、信用創造は、社会に安心感を生み新成長戦略に繋がるのです。こんなことは常識的な発想です。最近、金融株が弱く見えるかもしれません。中小企業円滑法の解消も進み、金融機能はさらに強化されます。今、相場を見たら…朝方は、さっきまで売り一色で弱かったのに…。原稿通りの展開になりそうですね。自分自身に向かい合ってみると、よく投資心理が分かるでしょう。

カタルは、何度も述べています。このような気持ちの変化に通常の人間は勝てないのです。何故、カタルの知り合いの歩合セールスのお客さんSさんが、マイクロソフトで数億もの資産を築けたのか? それは株価を知らなかったからですね。知っていれば1000万円程度、儲かる所で、みんな利食いをしますね。これが通常の人間です。当たり前なのです。今日の自分の気持ちの変化を、よく噛みしめてください。

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投稿者 kataru : 2013年04月02日 10:38