今日の市況(2013年04月05日)
かたる:市場は「クロトン」に驚かされたようです。新総裁のあの顔からすると…官僚的な慎重な態度かな?…と勝手に想像していましたが…。しかし何故、彼は「クロトン」と呼ばれるのでしょう。黒田東彦(はるひこ)さんは、福岡生まれの九州男児で、東大法科から財務省へ。在学中に司法試験に受かっているそうですから、抜群の記憶力を保持しているのでしょう。榊原さんと同じ財務官から退任され、一ツ橋大の大学院教授です。アジア開発銀行総裁となっていますね。エリートらしく国のお金で、イギリスのオックスフォードへ教育を受けに向かっていますね。その後もトントン…でも大阪国税局長止まりのようですね。なかなか優秀な人でも、事務次官のコースから外れるのが大蔵組織ですね。僕の友達が、今は課長補佐かな?何しろノンキャリア組ですから…。しかしその彼もヒューストンに3年程度、留学じゃないか…企業の出向と言う立場だったかな?…で、若い頃に米国で勉強させられていました。その時に海外勤務時に人脈などを築く訳ですね。省庁の席次が決まっており、米国、英国、フランス、ドイツなど…が一つの出世コースなのでしょう。大新聞社の知り合いは、地方に一年いて兜町から日銀クラブや色々…と1年程度でぐるぐる回り、米国だったか、イギリスだったか? 忘れましたが海外を回り、本社に帰ってくるのでしょう。そうして論説委員などになるのですね。上手く行けば、役員まで登れる出世コースに乗っています。勿論、東大法科の出身ですね。この組織が機能しなくなり…失われた時代が生まれました。
さてサプライズなんか、生まれない…と考えていたところに、市場の反応は…「長期国債の償還を考慮しないグロスの買い入れ額についての市場中心予想は月5兆円、上限でも6兆円だったが、今回の緩和では7兆円強になる見込みだ。長期国債購入の上限を定めていた銀行券ルールは一時、停止されることになった。上場投資信託(ETF)は市場規模が4.4兆円程度と小さいため、増額されても少額との予想が多かったが、これも市場予想を大きく上回り、ETF及びJ─REITの保有残高は、それぞれ年間約1兆円、年間約300億円に相当するペースで増加するよう買い入れることになった。」との解説です。
その結果、為替相場は上のようになりました。どういう事かと言えば…、カタルが昨年の10月末から解説しているマネタリーベースの変化率が、今まで以上に、急激に跳ね上がります。今までの変化は、下のグラフのようになっています。
その結果、どんな事が市場で起こるか?
昨年11月から起こった「相場の再来」が、まず考えられますね。金融相場の3点セットは何度も述べていますが、銀行、証券、不動産がセットで、過剰流動性相場が想定されますから、大型株が主軸の相場になります。カタルは何度も、三菱UFJは論理的にかなり安く、何れ必ず純資産価格を上回り700円以上になり、正しい政策が実行されれば、4ケタの水準が妥当株価だと、述べていることが実現されるようになります。さて邦銀ファンの人は、お待ちどう様でした。いよいよ、紙芝居の始まりです。
カタルは基本的に、ハイリターン・ハイリスク投資を好み、007の可能性を語っていますが、同時に邦銀株を大推奨しています。既に上がる株は、決まっているのですね。正しい政策が実行されれば、自ずと株の原理は決まっており、みんなが大金持ちになれます。ところが…数々の落とし穴があるから、世の中は不思議ですね。大御所さんのお母さんが福島の田舎から上京する時に、息子に向かって「まさかの坂を転がるのが人生だべぇ、まさかに騙されねぇように…」と上京の際に、息子の餞に言葉を贈ったそうです。
僕も1億円の年収の時は、まさか…こんな人生が待ち受けているとは考えてもいなかったのです。しかし人生は面白いものですね。魅力的な女性に翻弄され全てを失う人も居ますし…人生は不思議な展開です。だんだん相場の時間軸が、かたるの頭の中とマッチし始めてきましたね。この時間軸、新営業年度の始まった4月1日、馬鹿なファンドマネージャー達が、通常は買いから入るべきなのに…。これまでの日銀総裁の白川さんのイメージが定着していたために…、誘惑に負けて利食いをしたのです。利食いの誘惑には、なかなか勝てませんね。三菱UFJの4月1日の株価は、532円でした。4ケタの時間軸にある株を…、最低でも700円は既に示現されているのです。白川さんの緩和策でも…充分、可能だったのです。しかし能力のないファンドマネージャーは、売った資金を何処に振り向けるのでしょう。
金融機能さえ、正常に働いていれば…。ダヴィンチは上場廃止にならず、今頃は一番人気でケネデックスの比ではないですね。僕も金子さんの会社なら、もっと熱が入っていたでしょう。貴重な人材を市場から葬り去り…、(亡くなったわけではなく敗者復活は可能ですが…)本物の素質があるのに何故、日本は本物を育てないのでしょう。リクルートの江副さんだって、素晴らしい人だったのでしょう。可哀そうに…。既得権力争いに利用され、人生を棒に振りましたね。米国はアメリカン・ドリームと…競争心を刺激しながら切磋琢磨で、磨き上げていますが…日本は、偽物社会に加担するメディアの存在が…呆れる展開ですね。今相場を見ると、どの株も一気に新高値に踊っていますね。
さて目先の解説ですが…忘れないでくださいね。金融機能が正しく機能すれば、超人的な努力と奇跡的な環境に恵まれた人だけが豊かになる訳ではなくパイが広がります。多少の凡人でも株さえやっていれば生活費は稼げますし、老後資金も出来るでしょう。ただし、筋を通さねばなりませんし、自分自身の欲に勝たなければなりません。僕が007を現物で持て…と言っている意味は、理解されてないようですね。ヤフーを引き合いに出していることも、読者には理解されてないようです。僕の頭の構造と皆さんのイメージは、ずれているようですね。
今日の市況解説は、10月に僕が書いた「マネタリーベースと株価」のレポートを、よく読んでくださいね。何度も、何度も…、考えながら読めば、やがて僕の頭の中が理解されると思います。1930年生まれだそうです。ジョージ・ソロスは…良き時代に恵まれた人生ですね。晩年は…。幼少の頃はナチスから逃げる為に苦労してイギリス、米国と渡り歩きましたが…人生は長いですからね。かれは今回の為替相場に、円安に賭け大儲けしたとか…。この金額はフェイスブックのCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が払う所得税額が10億ドルだそうで、何故かジョージ・ソロスの儲けと同じくらいですね。へぇ、僅かな期間に1000億円か…。しかし、どうやって使うのでしょうね。金持ちはお金の使い道も見つかりませんね。
大きく飛んだ株は、必ず一時的に利食いに押されます。しかし通常、利食い期間は3日間程度でしょう。つまり押した所が、また買い場になりますね。金融相場とは利益が出てないところから始まり、やがて利益が出て来ると、みんなが割安に感じ、買うようになるのですね。ある意味で仕手相場に似ています。野村証券の利益水準を見れば、分かりますね。通常は赤字のスタートです。007のように…。やがて、その赤字が黒字転換され、急激に利益が伸びると、相場はそろそろ成熟期に入りますね。金融相場は、スタート地点なのですね。その相場のスケールを決めるのが、日銀の姿勢ですね。今回の緩和策では、「当座預金の付利撤廃」や「外債の購入」は見送られました。その代わりに10兆円のところ、7兆円も買うのですね。
カタルは1%割れの国債水準を見て、債券バブルだなぁ~と…以前から述べています。驚きますね。日銀ばかりに負担させるのは危険ですね。金融庁の指導と言う窓口指導も手段にはある筈です。昔は日銀が窓口指導を実施し、金融界は意図を汲んで動いていましたが、今では強引に馬に水を飲ませようとしています。
さて日刊工業の記事ですが経産省の規制が撤廃されるそうです。スマートフォンで家電を操作することが、4月から解禁になりました。パナソニックは規制を受けて、この機能を削って昨年エアコンを販売しましたね。規制撤廃で何が起こるか?解説しなくてはならないでしょうか? ユビキタス社会の意味は奥が深いのですね。
今述べた二つのヒントは、それぞれ、やがて相場に反映されます。更にWSJには「アプリはアップルの木からほど遠く」と言うレポートがありました。これを読んで…カタルの考えている相場は、やがて実現すると…気持ちをあらたにしました。せめてカタルの書いたレポートを毎日読んで、馬鹿な元証券マンの戯言を聴いていれば、その内、チャンスをものに出来るかもしれません。しかしカタルのレポートは諸刃の剣ですね。ハイリスク・ハイリターンが主眼なのです。気分のいい週末ですね。株式教室では「比較優位」と「先進国への揺り戻し」の続編を、明日は扱いたいと考えています。
投稿者 kataru : 2013年04月05日 10:33