未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年04月09日)

かたる:最近、機関投資家の読者からメールを頂きました。僕が第一生命の株価が金曜日に下げた原因が「EV」の評価だと知り、この評価の認識は間違っていると書いた記事について、色々とその背景を彼は教えてくれました。その中でカタルが「普段から述べている日銀だけに頼るデフレ脱却スキームは間違っていると書き、金融庁の姿勢が変われば日本は、よりスムーズに成長路線に入れると…窓口指導を一例として掲げました。」この根拠の分かり易い事例がありましたから、これから説明します。

貸し出しを伸ばすのは、実に簡単なのです。行政指導で耐久年数を大きく超えた古い生産設備を更新させることもできるのですね。わが国の石油化学などの生産設備では、最近は事故が増えています。この原因は耐久年数を大きく超えた生産設備を使っている為に…目に見えない金属疲労などが広がっていることも要因の一つになっています。この一例を見ても、我が国の潜在的な設備投資への更新需要は非常に大きなものがあるのでしょう。

日銀だけが異次元緩和などをすると…円安がコントロールできないくらいに進む可能性があります。故に物価高に繋がります。だから金融庁の存在が大きいのですが…。この組織は馬鹿な連中ばかりで、(言葉が過ぎたらごめんなさい。)証券界では証拠をねつ造してまで罪を作り、実績を上げていると言う話をよく耳にしました。私の知っているケースは、実際に処罰を受けた本人から聴きました。金融庁の下部組織の関東財務局の検査で罰せられたのです。この間違った方針を変えるのが政治の力ですが…どうなるでしょう。読者からのメールで、金融庁の指導力の強さが分かりますから、よく見て下さいね。この通達(ソルベンシーマージン比率の改定)は、識者と呼ばれる官僚お抱えの学者先生が議論をして、その答申に沿って発令されたのでしょうが…呆れる現実です。日付が2010年4月になっていますから、チグハグな縦割りの官僚社会の様子が分かります。この年、2010年10月には、通達発令後の僅か6か月後に、日銀は、「包括的な金融政策」を実施して、危険資産である株式の集まりであるETFの資産組み入れに動いているのです。

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上の表は「ソルベンシーマージン比率」の改定で、日本の生損保をはじめとする機関投資家の多くは、この指導の下で日本株を売る訳ですね。その僅か半年後には日銀が買っているのに、金融庁は売りの指示をしているのです。チグハグなこのような方針が、失われた時代を長引かせた一因でもあります。何故、外国株式が、改定後も価格変動リスクが10%のままなのに…、日本株の価格変動だけが20%と、2倍も危険と見なされるのでしょう。確かに失政の為に、日本株は毎年下げ続けていたのは事実ですが…。日本の根幹を支える経営資源を棄損させる方針を出す政府が、何処の国に居るのでしょう? この通達の影響もあるのでしょう。ダヴィンチは出資者を募ることが出来ませんでした。外資もメタメタでしたからね。行き過ぎた安全神話は、今日の乱高下する日本国債に繋がり、日本国債の過度の購入へと仕向けた裏があるのでしょう。これが計画経済の怖さですね。市場原理を無視した咎めは、必ず報われます。

戦後の枠組みの構築で、マッカーサーは日本人に考える事を止めさせました。中央集権政策にとっても、画一化教育は、文句を言わないロボット人間を作る為に、効果的だったのでしょう。安倍政権は憲法改正を唱え、なかなか踏み込んでいます。自民党の集金能力は相変わらずですが…。この程度は許容範囲です。流石に最近は、政策に文句の付けようが、余りありませんね。竹中平蔵が提案している政府や地方のインフラ設備の売却から民営化の流れは、どうなるのでしょう。これは実にすばらしいアイディアですね。公的な債務が資産売却により減らされ、効率的な運営が進みます。つまりROEを全体で上げるのです。

今日の主眼である円安効果銘柄の背景を語るスペースが、どんどん減ってきますね。さてオマチドウサマ。昨日、話した「比較優位から空洞化」の流れの逆転現象である「先進国への回帰論」の主軸は、為替推移により加速されます。中国の生産人口のピークアウトは、日本の空洞化が行き過ぎた現象なのかもしれません。米国のオバマは製造業の復権を掲げ、FRBの量的緩和が米国製造業の国際競争力を高めています。背景にはシェールガス効果などのエネルギー価格の下落などの条件も揃っています。BIRCsの賃金の引き上げは1万ドル水準に達し、先進国と遜色がない水準まで来ました。先進国の量的緩和は国民の可処分所得を伸ばし消費が膨らみます。新興国の消費拡大が、これまでのパターンでした。だから日本製品は売れず、ガラパゴス現象が生まれました。時代にマッチしない製品開発をしたからです。しかし我々はお財布携帯を持っています。GPS付きの携帯電話で、自分の位置情報が利用できます。「みちびき」などの衛星が4機体制になり、様々なサービスがまた生まれますよ。

あまり要点だけ書くと…多くの人はバックボーンがない為に、私の主張が理解できないかもしれません。11月からの株高はマネタリーベースの拡大効果から生まれましたが…、カタルは何度も、金融相場の3点セットを押さえろと述べてきました。銀行・証券・不動産は、マネタリーベースの拡大から信用創造に繋がり、その恩恵を最も受ける産業セクターです。その為に三菱UFj、みずほ、野村証券を掲げ、ケネデックスの株価は早くから10万円と述べてきました。ケネデックスは赤字続きで買いづらく、きっと、その株の良さが分からない人の為に、カタルは友達の実話を話しましたね。リーマンから800億円を預かり、日本の不動産を買い漁った話です。2003年の邦銀が、二束三文で不良債権処理を進めている最中でも、僅か800億円の物件が集まらないのです。お金はあっても、買う不動産がありません。利回りに合う優良物件の話ですよ。だから既に1兆円を超える水準を持っているケネデックスは、価値があると…述べましたね。理由は信用創造により、1兆円の保有不動産が10%でも値上がりすれば…1000億円で、当時の時価総額が500億円程度の会社なら、簡単に3倍程度になると考えたからですね。包括利益の話ですね。3月2日株式教室の「金融相場のスタート地点は?」と言うレポートで、当時の株価は2万円台ですが、株が上がる背景を述べていますね。続く月曜日の3月4日「今日の市況」でも、再び取り上げています。

そうして、いよいよベールを脱ぐ、今回の円安効果を発揮する銘柄として、新しく掲げる銘柄は「アーク」(7873)と言う、日本の中小企業を寄せ集めて作られた会社です。実にハイリスク・ハイリターン好みのカタル銘柄らしい選択です。四季報を見れば…債務超過で、倒産している様な会社です。非常に危ういですね。銀行が見放せば、終わりです。しかし我が国らしく、企業再生支援機構が出資をしています。その為に様々なマジックが隠されアイフルと同様の資質を秘めています。大手銀行の借金は株式に変わり、この会社が正常な状態になる最低限の条件は、利益を押し上げ株価を435円以上に、上げる事が必須のハードルになります。背景を説明するにはスペースが足りませんから、要点だけを述べ、明日、続きを書きます。

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よく業績推移を見てもらうと分かりますが、営業段階では2010年を除き、全て営業黒字を達成しています。そうして金利の利払い負担や、様々な特別損失により、最終損失が継続し実質的な倒産状態ですが…、何故か、政府は助けました。政治力が背景にあるのでしょうが…日本の製造業神話を維持させる魅力も、同時にあるのでしょう。

この会社は製造業の試作品を作る会社で…物を作る型、金型を製造する会社です。何回も繰り返し使うために、精密な形を維持し、尚且つ、高い強度が要求され、日本のお家芸の基本とされてきました。しかもこの会社は、全国に広がる有名な中小企業の親父が空洞化に戦うために、組織を統一させた中小企業の親分です。味噌は此処にあります。この会社は長い間、失われた時代の弊害を受け続けてきたのです。比較優位から空洞化の洗礼を、いやと言うほど浴び…、どうにかダウンせずに残ったのですね。ようやく、日本は正しい政策を実行しはじめ、異次元緩和に踏み切りました。マツダは既に過去最高利益からみて、株価をこれ以上押し上げる事が出来ません。しかしアークの過去最高利益は2006年の53億95百万円で、一株利益を75円まで引き上げる事が出来ます。PER10倍なら株価は750円になりますね。つまり最低限のハードルである借金を株式化した435円の転換価格を上回ることが出来ます。

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更に長い失われた時代の空洞化による残存者利益は、間違いなく享受され、成長神話が復活しますから、過去最高値株価の1万円台の天井の高さは…仕手株ファンにとって、大きな魅力です。ケネデックスが大きく駆け上がったのも、実は、この天井の高さが人気の背景になっています。人間は過去の姿に弱いのですね。落ちぶれても公爵は、貴族様なのですね。東証の理事長になったことがある名門、藍澤証券の創設者の藍澤弥八は、新潟の田舎から出てきた無名の人間でしたが、相場を当て渋沢栄一に可愛がってもらいました。そうして渋沢からの勧めで、落ちぶれたお姫様を嫁に娶って貴族院議員になるのです。落ちぶれたと言っても、大名家の娘ですから…格式はずっと上なのですね。株の世界では、過去最高値は「成功の証」でもあるのです。故に当然、意識されます。スター性とは…何か? 読者からの銘柄分析を、頼まれることも多いのですが…多くは内容が良くても、このスター性がないのですね。007は抜群にはスター性があります。だからTICK回数が大きく膨らむのですね。スター性とは未完成なのですね。夢なのです。夢を感じる事が出来るかどうかで、スター性の尺度が決まります。当然、現状は欠けている部分もありますから、銘柄に対する強弱感は対立します。株価には二面性があり、どちらの主張も的を得ており、議論が盛り上がります。007を見れば分かるでしょう。この強弱感が、株価を高く押し上げるのです。最初から、比の打ち所のない銘柄などは…美人は、直ぐに飽きるのですね。人間は変化に魅せられるのです。

さて…明日はこの株の魅力の解説を…していくことにしましょう。さて3Qで減額修正したように、アークは再び減損リスクを抱えているかもしれません。ただカタルは3Qで減損を実施したので、今期で膿は出し切ったと判断しています。しかし、残念ながらアークは素晴らしい銘柄に育つ可能性を秘めいていますが、せいぜいマツダやアイフル、ケネデックス程度の銘柄で、007には遠く及びません。007は50万でも買える魅力があるのですが…、アークの750円を買えと言われると…、実際に利益が見えないと、なかなか踏み切れませんね。でも184円は安いね。今、相場を見ると…あららアップする前に200円台に上がっているようですが…。誰かが…一緒の発想を持って、仕掛けているのでしょうか? 株式投資は想像力が命ですからね。また明日、アークの魅力を説明します。

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投稿者 kataru : 2013年04月09日 10:36