未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2013年04月12日)

かたる:今日は長くなるかもしれませんから早めに始めますね。昨日のアークの優先株から続きからです。問題の優先株のくだりですが、その内容はアークのIRから読んでください。此方です。カタルも株式を買うにあたり気になり調べてみました。その質問内容とアークのIR担当者からの回答が此方です。

「カタルの質問…
IR担当者殿
御社の2011年企業再生支援機構への優先株の割り当ては買戻しなどの付帯条件は付いているのでしょうか?それとも普通株への転換も可能なのでしょうか?また配当などはどうなっているのでしょう。同時期に発行されているB種、C種の条件もあわせて回答くださるとありがたいと思います。宜しくお願いします。」

「IR担当者からの回答…
お世話になります。
お問い合わせ頂きました優先株式の件につき、回答いたします。
当社は、A種は、現金を対価とする取得(買い戻す)権利はありません。2022年8月
26日になれば、普通株式へ一斉転換されます。B種、C種は、現金を対価とする取得
、普通株式を対価とする取得(普通株式への転換)のいずれも権利があります。一方、株主側の権利としては、A種は現金を対価とする取得請求が可能です。B種、C種にはその権利がありません。また、普通株式を対価とする取得請求は、3種とも可能です。但し、B種、C種は2016年8月25日以降にその権利が発生します。A種は既に権利が発生しておりますが、普通株式に一斉転換される前の2022年8月25日までの権利となります。また、配当の実施予定については現時点では未定ですが、仮に配当を行う場合には、A種の配当率は日本円TIBOR(12カ月物)に0.5%を加えた率となり、B種、C種の配当は普通株式と同額となります。以上、よろしくお願い申し上げます。」

つまり実質的な借金の棚上げで、返済猶予を受けた救済スキームであるとかたるは判断しました。おそらくA種についても国が相手なので、企業再生支援機構がアークの経営状況が良くなったら、現金で買い戻すように言ってくるのでしょう。その際は、きっとBやCと同じ条件だと考えています。それが国と言うものでしょう。アイフルも実は私的整理の事業再生ADRを実施し、借金の返済を繰り延べて貰っています。スキームは優先株方式と違いますが、何故、そのような手段を取ったかと言えば、今は借金の返済は出来ないが、現状の状態が続くなら返済は可能で再建はできる言う認識があるからですね。この基準は営業キャッシュフローで、判断されることが多いようです。つまり実際の営業活動を通じて、「現金」の出と入りを、差っ引いてプラスになるか、マイナスになるか?と言う実際に、お金が手元にいくら残るかと言う視点で、会社を見る方法です。上場企業は基本的に持っている資産が下がると、その減損処理を実施しなくてはなりません。その為にアークは多額の特別損失を毎年計上してきました。

s20130412a.gif

2007年は事業環境悪化によるのれん、事業資産および遊休資産の減損損失を126億9百万円計上。2008年は事業の再構築費用13億28百万円に加え、事業環境悪化によるのれん並びに固定資産減損損失253億38百万円を中心に、271億51百万円の特別損失を計上、2009年は関連事業や固定資産を売却し利益を上げる一方、事業構造改善費用95億72百万円や減損損失を70億51百万円等の188億24百万円の特別損失を計上、2010年は、2009年同様に関連企業の売却と固定資産の売却により利益を上げる一方で事業構造改善費用や減損損失等を合わせ153億68百万円の特別損失をそれぞれ計上し…なんとか一連のリストラ作業が終わったかと思ったら、タイの洪水発生と…踏んだり蹴ったりの扱いですね。まるでカタル君の人生のようです。

本業の仕事では利益を計上しているものの、過去の実施したM&Aの甘い査定が原因で、のれん代の一括計上を迫られたり、資産デフレによる減損会計を求められたり、為替の損失を受けたりしています。兎に角、2007年以降はメタメタの状態が続きました。売上数字を見れば分かりますが、相当、事業規模を縮小し、なんとか生き残れる体質は出来たのでしょう。毎年、100億円から200億円規模の特別損失を計上できるとは…。まぁ、2009年頃から手持ちの資産も売却しやりくりをしていますから、今のソニーやパナソニックのような状態に、2009年には既になったのでしょう。懐が大企業ほど深くないからね。裏返すと、もう少しデフレ環境が続くとソニーもパナソニックもアウトなのです。

さてここからが問題です。カタル注目したのは営業キャッシュフローの存在です。ピーク時の営業キャッシュフローは、なんと2006年に195億56百万円もありました。だから毎年200億円規模の特損が計上できたのでしょう。逆を言えば、経済状態がフォローなら特別損失は計上せずに、逆に投資は含み利益になった可能性もあります。ところが、日銀の失政や世界的な金融バブル崩壊のよる影響により、資産デフレと為替の円高が加速され、国内の空洞化から特別損失の計上を余儀なくされました。ピーク時の一株あたりの営業キャッシュフローは、なんと303円もあります。一株当たりの計算ですよ。凄い集金能力です。ここにアークの存在価値があり光っています。現在でも一株あたりの営業キャッシュフローは75円もあるのですね。つまりPER10倍とすれば、750円程度の価値は充分に見出せますね。

マツダもトヨタも野村も、同じような過去最高利益水準まで株価が上がる市場環境なのです。しかも間もなく市場には、目に付く逸材が消えます。つまり高値に株価を放り上げても…理論的な裏付けがある株は、少なくなっている環境なのですね。5月になれば、また視点が、多少は変わりますが、今はまだ4月、あと1か月ほど決算数字を見る相場まで時間があります。加えて空前の円安環境が続き、市場は円安の影響を受けるスター株を探しています。信用創造によるケネデックスは、株価水準の訂正波動が既に1カ月以上も続き、相場も疲れています。しかし、いくら円安でもマツダを業績面から採り上げるわけにもいきません。今日の日経新聞にはアークには都合よく、国内生産回帰の応援記事が一面に掲載されていますね。今までのデフレと空洞化の環境が、逆転するのですね。そうすれば、今まで苦しんでいた会社に恩恵があるのは、当たり前の発想です。既に長い空洞化で国内の中小企業は残っておらず、そこに円安による生産回帰で、生き残った企業に、注文が殺到する残存者利益は確実に享受できるはずですね。

何故か、調べている最中に、かたるはアークに共感を覚えました。一所懸命に努力してもなかなか環境が追い風にならない現実を、決算数字が物語っていますね。泣けてきますね。実際に自分で数字を追っていくと…、この会社の役員や従業員の苦労が忍ばれます。「デフレ・ボトム・ポケット」(明日、解説の予定です。)の脱出企業として、スター株の素質を秘めているように感じます。調べて行くうちに、益々気に入ってきました。よって本日も少し買い増ししました。

ダヴィンチは非常に優れた会社でしたが、資金手当てが出来ずに市場から消えました。辛うじて残ったケネデックスは大人気になりました。ケネデックスだって倒産寸前だったのですよ。厳密に評価を査定すれば、間違いなくアウトだったのでしょう。会計士の主観ですね。際どい、死の淵からの生還です。生還できたからケネデックスの株価が、甦ったのですね。最初は金融相場なので…ケネデックスなどが選ばれますが…。だんだん、景気循環から見て、製造業の方へ銘柄選別は移って行きます。正直に言えば、アークの選択は若干、時間的に早いかもしれません。3か月か、半年程度…、早く選択しているかもしれませんが…、スター株らしい素質を秘めた会社ですね。何しろピーク時の営業キャッシュが一株当たり303円もあるのです。株価が3000円を目指しても、なんら不思議ではありません。300円前後で薦めたJトラストを連想した次第です。

カタルの注目は、比較優位から空想化に流れた時代の潮流が、「先進国への回帰」に流れが逆転しているのではないか?と言う仮説が、銘柄選別の背景に存在します。日経新聞は金融面のみを捉えていましたが、金融が動けば産業も動くのです。つまり3年程度、あとになれば、アークは数千円の企業に育っている可能性があるのです。一度、死の淵から生還した企業は、非常に強くなります。カタルがインターネット上で、最初に取り上げた会社は既に10年以上前ですが経営危機の日揮でしたね。あの時の株価も、アークと同じようなものですね。300円前後だったと思います。アークは日本を代表する金型の中小企業を集めた技術力の会社ですよ。だから国の資金、財政投融資が資金元になっている企業再生支援機構が出資したのでしょう。銀行より強いバックがありますね。国がバックになって支援をする会社はそうないですよ。外国人の持ち株は少なく、これをウリに、外資に売り込めば…彼らは間違いなく買ってきます。僕が野村のセールスなら外資系投資会社に…アークを1000万株は玉が無理かな? 300万や500万株なら、背景を説明すれば、間違いなく買い注文は取れる銘柄でしょう。故に、野村はおそらく仕掛けると踏んでいます。

さて明日は「デフレ・ボトム・ポケット」の考え方は非常に需要な要素なので、株式教室で解説する予定です。今日はアーク一色になっちゃったね。あぁ、そうです。昨日のチャートは高寄りした陰線で、理想的な形です。この形は、間もなく短期に急騰するケースが多いのですね。これはカタルの経験則からの勘です。それに一旦ボックスを離れると、多くの銘柄は棒立ちになるものですね。一気に4ケタの人気株に育つ可能性がないとも言えませんから、もし買うなら早めの方が良いと思います。かなりハイリスクですから、そのつもりで…自己責任で判断して下さいね。まぁ、今の相場は、高値を買っても恐くはないですが…。株は変化率を買うものなのです。カタル銘柄、頑張れよ。

s20130412b.gif
人気ブログランキング 「今日の市況」は人気ブログランキングに参加しています。

株式会社「ケンミレ株式情報」さんのチャートへ

投稿者 kataru : 2013年04月12日 09:38