今日の市況(2014年04月21日)
かたる:長期国債の値付けが出来ないと言う異常事態の背景をよく考えた方が良いですね。基本的に異次元緩和は、皆さんが考えているより、強烈に経済バランスを変え始めています。カタルは、何度も2010年10月が日本経済の分岐点であったと述べています。
日産自動車のマーチの生産移転も、この時期に重なります。自動車産業は親会社1社だけが海外に生産移転しても成り立ちません。膨大な下請け企業群が産業を支えているので、一次下請けを始め、2次、さらに3次と…挙って企業村が移転しないと駄目なのですね。メーカーはその為に、一次下請けに一緒に海外進出を要請し、一次下請けもその子会社を海外に持って行くのですね。日産が先陣を切り部品村に幅が出来たので、トヨタもホンダも各社がタイに集団で移転しました。膨大な設備投資です。この回収に10年程度を見込んでいるのでしょう。故に赤字が継続しない限り、円高が修正され円安になっても、簡単に海外からの生産が国内に戻らないのです。ピストンひとつからベアリングやバネなど…部品数は、ゆうに「万」を超えますからね。
この2010年10月は、1985年9月のプラザ合意と同じ歴史的な転換点を示す時間軸なのでしょう。1985年から始まった構造改革、グローバルスタンダードの強要が目に見える形で、我々を直面したのは1988年から1989年末の指数だけが上がる相場です。その小さなミニ版が、昨年末に生まれましたね。カタルは新興御三家相場を批判し、日経平均先物指数から株価を煽る現象を批判していました。覚えているでしょうか? 日経レバレッジファンドの中身を調べ、ファーストリテイリングとソフトバンクの比率が高いことを解析しましたね。
確かに、市場が求めるスピードで、政策が選択されている訳ではありません。故に折角、上がった株価も「中だるみ」現象が生じています。一般株、所謂、日経225採用銘柄でも52週線を維持できるかどうかの瀬戸際で、ようやく政府はパフォーマンス戦略を演じはじめています。官僚も2段上げである消費税の引上げを成功させたいでしょう。だから様々な手段を、これから講じる筈です。その事例の先陣が、先日の日銀の黒田総裁と安倍首相の会談、それに続き麻生さんの失言のGPIF発言です。今週にも田村厚生労働大臣がGPIFの運用委員の入れ替えを行い、5月にも初会合を持つと言う報道があります。まだ日経新聞は報じてないようですが…。何れ、一面を飾る材料となるのでしょう。この事は昨年からの流れですね。これを受け、カタルは保守的に商社株を薦めていた経緯があります。基本的に、保守的な年金基金の運用は批判を受けないように、利回り採算に合う財務状況が好調な大型株に絞られます。決して新興株を買いません。しかし信用乗数と同じように…大型株が上がると小型株は、より上がる波及効果があります。
先ほどの…異次元緩和は冷酒のように広がる…と前から述べているのは、間違いありませんね。理屈は地銀が売った国債を日銀が買います。地銀は少し冒険をして米国債やリートの購入に動きます。リートの利回りが下がると…儲けの幅が広がり、新規の不動産開発が加速します。事実、ケネディクスは利益のある物件や損をした物件を抱き合わせで売却し、新規の豊洲の物件を346億円で購入したようです。この資金は先日募集した私募債に充てたビル群の売却代金ですね。こうやって雪だるまで膨らましていきます。現在は1兆4000億円レベルかな? つい最近まで、1兆2000億円レベルでしたね。兆円単位の運用資産を保持する会社は限られます。地所はSクラス中心ですが…Sなどの格式を維持するのは大変ですね。丸の内のオフィスビル群から商業施設の併設と…付加価値を高めています。三井不動も日本橋の再開発に力を注ぎ集客化しています。兎も角、管理収入が増え続け、既存のオフィスの売買にフィーをも、コントロールできる素晴らしい高収益会社に育つのですね。森泰吉郎は預金封鎖を逃れ土地を買い漁り、現在の森グループを一代で創りました。不動産は経済状態を見間違わずにコントロールすれば、相当に儲かる実例ですね。それはレバレッジを掛けられ、含み利益を現実利益変え、雪だるま式に膨らます事が出来るからです。ダヴィンチの金子さんは僅かな時代の読みを誤り消えました。
カタルは大昔、柏崎の市民会館で田中角栄の講演を、生で一度だけ聴いたことがあります。越後の山を削り、東京湾を埋め立てれば、新潟は雪に苦しまずに済み、東京は広大な土地が手に入ると…万里の長城クラスのスケールを話していました。もう一つが首都移転です。北海道に持って行こうとしていたようです。世界の文化都市の緯度は、北海道の辺りに位置しています。その田中角栄の最大の収益源が、土地資産の活用です。長岡と言う都市の構造を大きく変えましたね。昔は葦の原だったのです。少し川が増水すると水に浸かる誰も買わない土地を…今では長岡市の一等地になっています。越後交通の本社が早くから建っていましたね。新潟は最近、行っていませんから、今、鳥屋野潟周辺が、どんなになっているか分かりませんが、彼は湖底の権利を保有したのです。坪千円に満たない土地が、あっという間に数十万円に変化するのです。少し極点なケースを説明しましたが…信用創造とは、無から有を生み出す錬金術なのです。
株もそうですね。アイディア次第で、お金がいくらでも作れる世界です。時代の先見性を持ち、赤字の内に株を買う事なのです。これが真髄です。中国、米国、ウクライナ…など不安を感じさせる話題を提供し、買い場を設けるのですね。叩いても、叩いても下がらなくなるポイントから、株価は反転します。覚えていますか? ヘッジファンドはケネディクスの株を買うために、見せかけの売り板を、場に並べました。一値100万株単位の売り物を並べましたが…株価は下げませんでした。カタルは、あの時にPER10倍論まで並べたのです。事実、政策の選択次第で評価は大きく変わります。ダヴィンチは採算に合う経営戦略だったのです。しかし政策の選択変更で消えました。ケネディクスと紙一重の違いです。何が明暗を分けるのか…いろんな要素があるのでしょう。
今の株価はPER30倍台で妥当水準です。しかし日本国が内需振興で歴史的な分岐点を迎えているのですね。その為に20年以上に及ぶデフレ環境のトンネルを抜け出すタイミングにあるのです。カタルは何度も、失った土地資産価値である1300兆円の話をしています。最も恩恵を受ける会社が、ケネディクスなのです。株価は10倍処ではない筈ですね。明治維新などに匹敵する歴史的なパラダイムショックの中に、我々は位置しています。この歴史認識がないと…なかなかカタルの夢と言うか…構想は理解できないでしょう。カタルは涙を呑んで、40億円も飛ばしました。一人一人のお客様の顔が浮かびます。
日銀がETFなどで浮動玉を吸い上げています。勿論、その見返りの持ち合い株の放出があったので、株価は下げ続けてきました。しかし既に邦銀の保ち合いもなくなり、グローバル基準下になっています。バーゼルⅢなど基準をクリアし、さらに厳しいボルガーと言うかFRB基準と言うか…それにも対応していますね。つまり株の新規の売りはありません。国際標準比較で、日本株の水準を論じることが出来るようになったのです。それにしても三菱UFJは安過ぎますね。必ず4桁、更にカタルの感覚では2000円程度が妥当株価でしょう。金融力が復活しないと、真の経済発展はないのですね。時代はクラウドと言うかスマートコミュニティーなのですね。この構造変化を加速させるための基本条件が、信用創造機能の復活なのですね。つまり地価を上げることなのです。ケネディクスは1兆4000億円の収益採算に見合った物件を権利下に置いています。株価が割安に見えますね。時価総額は988億円に過ぎません。最大1兆4000億円の評価が可能なのでしょう。多くの読者は「カタルのほら吹きめ」…との御叱りを受けるでしょうが…。まぁ、何れ分かります。
スマートシティー、切り口が豊富な007は、今の所、なかなか拡大解釈が出来ませんね。でも心配ないでしょう。順調に整理は進んでいます。どんな株も、必ず、整理が終わると反転するものです。時代性が好材料を生むのですね。今週はGPIFの運用委員会のメーンバーが、本当にこの報道通りに替り、5月に第一回の会合が行われるのか…にも、市場の関心が向く可能性がありますね。ムードを少しずつ演出して行き、相場のスター株を創り上げていきます。決して、株価が簡単に飛ぶような現物株ではなく、貸借銘柄の商いの幅がある株が選択されるはずですね。カタルはその選択が「ケネディクス」だと睨んで行動しています。まるで試験を前に、出題に山を張る学生のような面持ちです。
投稿者 kataru : 2014年04月21日 10:43