今日の市況(2014年05月01日)
かたる:先ずは読者からのメールで「介護リート」の日経報道を知りました。28日の朝刊に掲載がありましたね。僕の住んでいる地区は14版なので3面の掲載でした。この掲載内容では、リートの存在価値の理解が進みませんね。時代に沿って商品は開発され、世の中の流れになって動きます。
一例を掲げておきます。1954年米国のレイ・クロックはミキサーの訪問販売セールスをしていました。その途中でマクドナルド兄弟に出会います。彼ら兄弟の店は非常に繁盛していたと言います。ここでレイ・クロックはマクドナルド兄弟に、フランチャイズ契約を持ちかけ事業展開をします。最初はあまり成功してなかったとか…。クロックは食に対し素人だったために、マクドナルド兄弟の調理方法そのものを、忠実に導入したと言います。クロックが新しくマクドナルドを始めたのは、なんと52歳の時なのですね。途中、色々あって成功するわけですが…。当時のマクドナルドの店には普通のハンバーガーとチーズバーガーの2種類しか販売してなかったと言います。販売する種類を増やせば良いと言う訳ではありません。
時代の流れを見て軌道に乗ると、一気に普及するのを後押しするのは、やはり政策支援ですね。だからカタルは日本の官僚がやっている補助金行政を、単純に批判している訳ではありません。エコカー減税により、買い替え需要が起り、車のHV化が日本で進み、燃費の改善が大幅に進み、原油価格が上がり円安になっても、ガソリン高がそれほど重要な要素ではなくなりました。更にトヨタはこの政策支援で膨大な利益を享受しています。現在の中国生産の試みは、この政策支援のおかげです。
薄型テレビの買い替えにより、消費電力も抑えられ時代が進みましたが…、残念ながら、ソニーはスマートテレビの開発に、世界で一番近い位置にいるのに…。平井さんは経営資源を充分に活用できていません。トヨタと違いますね。ゲームも映画も持っているテレビメーカーは他に居ませんね。この時代の間隙を縫い、グーグルは基本ソフト、アンドロイドの活用で、スマートテレビ市場に新規参入を果たしています。既に自走式自動車においても、市街地走行の実験に成功しています。日本は日産自動車が先駆しているようです。トヨタは一歩、遅れていますね。
だから一概に補助金行政を批判している訳ではありません。…がしかし、日経新聞のあの報道の仕方では、時代が進展しませんね。介護リートの報道を一面に掲載し、リートが不動産投信から物流に広がり、今では星野リゾートやイオンのように、全ての設備投資の装置産業に置き換わっている現実を、報道しなくてはなりません。物流リートの資金元はノルウェーの年金基金だと言います。非上場なので分かりにくいでしょうが…インターネットの普及で、物流設備が不足し、一気に広がっています。時代を進めていますね。星野リゾートは旅館を運営する能力はありますが、資金力がありません。海外からの旅行客は増え続け、受け皿の一つになっています。日本は幸い、低金利の環境下にあります。地方銀行は日銀が国債を買うので、運用先に困っているのですね。
しかし金融庁は融資先の基準を緩めていません。相変わらずの頑固ぶりなのです。厳格な減損会計を強要する姿勢を堅持しています。これじゃ資金需要はあっても、リスクを恐れ、誰もお金を貸す事が出来ません。だから地価を上げる信用創造が必要なのですよ。担保価値が下がり、減損会計が強要されるようじゃ、どんな企業も持ちませんね。シャープを見て御覧なさい。注文はあって商売は出来ているのに、地価が下がったから、一時的に工場の稼働率が落ちたからと言って、不良債権先のレッテルを張られる訳です。かくしてダヴィンチは、市場から露のように消えました。金子さんのような、雪山をラッセルする人間を否定して、時代が進みますか? ホリエモンを市場から排除し、時代が進むのでしょうか? 結局、オリンパスや石川島は残っているのです。日本村論理の矛盾は、限界点に来ていますね。だから時代が反転するのです。復元力を発揮して…。1300兆円の逆襲ですね。1兆4000億円もの資産を管理下に置いている企業は、ケネディクスをおいて他にありません。此処で夢である「リートはPFI」だという高成長マジックが生まれるから株価が1万円なのですね。
昨日、カタル銘柄のJ・TECの決算が発表されました。多くの人は気付いていませんね。市場は馬鹿ぞろいですね。年金ファンドやヘッジファンドの運用者は、何を見ているのでしょう。時代を大きく進める再生治療の旗頭に、富士フイルムから委託されましたね。iPS細胞のネックは費用なのです。25日の日経新聞の一面に、培養費が1/10になると報道されています。あの時は、僅か74円高の評価でした。J・TECへの委託は発表されていませんでした。…が、しかし今は…。今の市場環境を良く表していますね。どんな好材料にも株価は反応しなくなっています。売り上げが563百万円から1008百万円へ、そうして2142百万円と、倍々ペースで伸びると言うのです。確かに目先は赤字予想ですが…僅かに2億51百万円の話です。今期の赤字が8億27百万円ですから、売り上げが10億円以上増えて、会社側の今期の赤字予想は少し不自然ですね。この売り上げの伸びは、米国のSNSグループの伸びに匹敵します。PER100倍評価の水準ですね。
ただジャックの手術は、熟練した医師のみの適用で、急激な広がりを見せるわけではありません。だから整形外科医は、星の数ほど居ますが…大病院に限られます。しかも研修が義務化されている様で、なかなか普及が進みませんが、それでも今期は受託病院が倍増します。決算説明書を見ると、会社側は数千人規模の需要を想定しているようです。人工関節適用患者が、年間65千人いる現実を考えると、この予測は過小評価に見えますね。会社側の予想規模だと、仮に5000人に適用されるとすれば、1件2百万なので100億円規模ですね。ジャックだけで100億円の売り上げ規模になります。今の売り上げ水準の5倍ですね。もし人口膝関節の半数に適用が広がると…日経産業新聞が掲載した数百億円規模の市場に育ちます。なるほど…と思いましたね。あの記事は、何も眉唾ではないと…。2013年9月にものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞をもらった再生医療の最先端技術だと言う理由が、よく分かります。今、話した規模は、日本だけの話です。現在海外にも展開を計画中だと言います。
今日はストップ高かな?…と思いましたが、現状は違いますね。カタルの認識と市場の現実との「ズレ」が生じています。黒田さんの含み笑いの影響でしょう。ある意味で金融緩和は黒田さんが指摘するように、充分なのですね。だって地方銀行は国債を売って、何に投資するのですか? 地方に金融庁基準の融資先などないですね。ジャイカがODAを使い、中小企業の海外進出の後押しをしていますが…海外向け融資は、大手銀行に限られますね。地方にも事例はありますが…現場での検証などを考えると、やはり無理があります。コストが合いません。だからリートなのですね。国債からリートに変貌し、金融デリバティブ機能を応用するわけです。それこそ、無限の広がりが考えられるのです。ケネディクスの成長ぶりが見えるようですね。流石、米国資本系列の会社です。
忘れていました。ものづくり大賞と受賞と言う事は、今回のように、国を挙げての支援を受けられます。事実、多額の補助金をJ・TECは受け取っています。日本通信やアイフルに見られるように、政策の選択が企業業績を左右するのです。このような解説をしないと…なかなか市場と、株価の解釈が進みませんね。市場には、このような解説をする証券マンは、皆無になりました。私見ですが…裏付けのある説得力のある見方だと思っています。長くなりましたね。007が安値を更新しましたが、ナノキャリアなどもひどいものです。基本は市場に「希望」が消えている現象です。しかし時代は、必ず、また風を市場に送ります。今日はこの程度にします。それにしても日経新聞の編集長は、処世術だけが長けているようです。時代を見る眼が、曇っているのではないでしょうか? リートの支援は、日本国を救うのですね。29日のコラムを読み直して欲しいものです。カタルの意見は再利用してもらって構いません。チンタラと動いている時代を、共に加速させ進めましょうね。
投稿者 kataru : 2014年05月01日 10:40