今日の市況(2014年07月29日)
かたる:昨日の相場は、少し驚きました。日経新聞では先物主導でヘッジファンドの買いとの解説がありましたが、カタル独自のデータ分析では、年金ファンドの買いではないかと推測しています。理由は、この所のトヨタ等の動きですね。一時、完全な調整場面か?と「夏枯れ相場」を想定していたのですが…明らかに違う動きに見えます。昨日は出遅れの三菱UFJも買っていたように感じられました。通常、このような実弾の買いがなければ、昨日の相場は弱含みの筈です。たぶん、そのような実弾買いの動きを見て、海外のヘッジファンドが、先物を買ったのでしょう。でもおそらく本格的に上を買うのではなく、ポジション調整の域に過ぎないでしょうね。基本は、休みの株価波動なのです。しかし同時に、次の上げに向けての下準備のように見えます。
この調整局面は、どの株にも絶対に訪れます。富士通などは…少し諄過ぎますね。あまり、しつこくやるとシコリが残り、相場が崩れ調整が長引きます。何故、この調整局面が必要かと言えば…、基本的に投資家層が手替わりするわけです。安い株価で持っていた連中から、業績などの外部条件が変化し、新しい投資家層が保持し、投資家層の入れ替えが始まります。今度、暇な時に、具体的な事例を用いて、いつか解説します。だから大株主のメンバーが変わるのですね。基本的に大きなファンドは、単年度で成績を求められます。だから、利食いも必要な訳です。
昨日は、森グループの泰吉郎さんの話をしましたね。本業は米屋で、借家があった程度なのでしょう。それほど先代から引き継いだ財産が、多かったと言うわけではありません。彼は戦後のインフレ時代を土地マジックの活用で、資産を大きく増やしたのですね。基本的にレバレッジを掛ける訳です。土地から上がる収益が、現状は4%弱かな? 一方、最優遇金利なら1%~1.5%程度で、資金を調達できるでしょう。この3%程度の鞘があることは非常に重要です。市場経済下において…技術革新等により生産効率を高め、物を売り稼ぐのは大変なことです。しかし基本的に、日々、この金利分を本業で賄えるなら、資産投資した方が…儲かるのですね。この格差が、トマ・ピケティと言う学者に言わせると7倍だと言うのですね。労働対価より資本投資の方が遙からに高い効率なのです。森さんは、おそらく頭金を10%~30%揃えられれば、借り入れを起こし、資産投資を長く継続して行ったのでしょう。
借入金利は僅かですが、資産価格の上昇は大きく、10年、20年と続けると…時間経過が長い程、倍々ゲームで資産が増えていきます。金利マジックですね。毎年、1億円稼ぐとしたら、30年間、30億円の資産投資を続けると、5%程度の上昇では…30年後に69億にしかなりませんが、15%程度のインフレだと…約500倍ですから500億円になります。しかしこのような金利差があると…、毎年、資産投資する本業から上がる収益以外に、資産投資から見込める収益がありますから、もっと飛躍的に増えますね。最初の5年は15%程度でしょうが、次に10年は17%に、更に次の20年は20%程度と加速度的に資産が増えますね。森泰吉郎と言う人は、辛抱強く、忍耐力のある人だったのでしょう。
ダイエーの中内さんもそうです。でも晩年から、彼は時代の流れを読み間違え失敗しましたが…。実は、森グループも長く銀行管理だったのです。まぁ、全滅するほどの清貧思想を貫いた政策でしたから、どんな企業もレバレッジを掛けた所は、基本的に大きくやられました。最初は、小さなマンションの一角から…始めて良いのですよ。自宅以外に金利さえ払えるなら…元金返済など30年から50年程度の計画で良いのでしょう。そのようなマンションが、やがて5つ10と増えますね。そうして、だんだんと投資額を増やし、一棟買いするようにすればいいのです。まぁ、基本的に世代を超えた投資を考えないとなりませんが…日本はおそらく、これから良い投資先になるでしょう。何しろ25年もかけて清貧思想を貫いたのです。その反動は、相当な規模のものが予想されます。地震と同じですね。エネルギーが貯まっている訳です。これが「1300兆円の逆襲」です。
証券マンを長くしていると、やはり土地取引でお金を残した人が、一番多いですね。日本はおそらく…新しい時代に入りました。マンションも買えない僕のような貧乏人は、ケネディクスを買えば良いのです。同じことですね。ケネディクスを買う人は、頭金の割合が低い人です。地所や三井不動を買う人は、頭金が非常に多い人ですね。レバレッジの掛け方は、人それぞれです。信用取引を利用する人も居れば、現物投資をする人も居ます。それぞれ投資家の力量の範囲で、自分で決めることです。株主になると言う事は…時代の流れに身を委ねることですね。日本は幾つかの新しい産業の芽が生まれています。だからその中でレバレッジの高い銘柄を選べばいいのです。基本的な流れは、「信用創造機能の復権」と「スマート・コミュニティー」の流れですね。
これから企業業績の発表が本格的に行われていますが、基本的にサプライズはありません。富士通などのケースは、材料出尽くしなのでしょう。普通はそうなるのが、通常の形です。カタルは昨年末から推奨していました。しかしカタルが証券マンになった時分から、富士通の株価は、大きく変わっていません。カタルが入社した当初、富士通は500円、NECは400円、沖電気は300円の関係でした。あれから…35年程かな? 現状の800円だとすると、1.6倍ですから、金利で換算すると2%にもなりませんね。銀行預金の方が、よほど良かったですね。この間に、預金なら7%を選択する時代もあったのです。如何に経営者が、情けない会社か…分かります。NECに至っては…35年前の株価のままなのです。まぁ、何度か配当を貰っているから、正しく計算すれば違うでしょうが…。
これが日本村社会の実態ですね。いい加減に…ROE基準に変えるべきです。そうすれば社会構造も、日本人の潜在意識も変化しますね。労働問題も大きく変わるでしょう。さてまもなく最初の底値の時期が、到来します。2月4日でしたから、今週末が応当日になるのでしょう。もう売り物の心配は、なくなりますね。だんだん買い方は痺れを切らします。期待していたように株を買えないからです。まだ上を買い人は少ないと思われますが…お金が余っていることが事実で…投資先に困っているのです。
本来、異次元緩和のような政策が実行されているなら…当然、不動産投資などは加速しますね。確かに動き出していますが、米国金融が健在の頃のようなアクティブな行動は少ないようです。あの時、カタルの友達はリーマンから800億円の資金運用を任されましたが、全額、使い切れませんでした。今回はこのようなアクティブ投資は、あまり見られません。一部でアラブ系や香港などの資金流入はあるようですが…実態は国内投資が主軸のようです。間もなく…東京都の国際金融都市開発も始まりますね。今日はNTTの本社ビル開発の話が、話題になっていました。
200日線に位置しているケネディクスに、割高感は全くありません。この12月期は復配が予想されていますから、一気に新規に参加できる機関投資家層が増えます。おそらくこの機会を狙うヘッジファンドの参入が、期待できるでしょう。だから次のピークは来年5月を予想しています。今は…次の相場に備えた下準備ですね。まだ慌てることはありませんが、下値があれば拾っておくと良いですね。007が1000円を割れた時に…何度か、「余裕のある人は買っておけばいいよ。」カタルは述べましたね。その感覚と一緒ですよ。基本的に、株が上がっている人気の時ではなく、200日線を割れるような株価位置の時に、買う姿勢が大切ですね。待つと言っても…僅かな期間の話です。既に8月入りなのです。それでは、また明日。
投稿者 kataru : 2014年07月29日 11:54