今日の市況(2014年08月19日)
かたる:先日のGDP統計値などをみると…アベマゲドン・リスクは、依然、消えていない様子です。消費税の引き上げによる耐久消費財の売り上げは戻っていませんでした。ただ当初から4―6月期は、仕方ないと諦められていましたが…問題は7月以降なのでしょう。7月は猛暑が続き、大丈夫と思われましたが、やはりデータ通り…エルニー二ョ現象の影響があるのか、8月は梅雨前線の大型版の印象で、折角のレジャー関連などの消費は低迷した数字になったような気がします。お盆と言うイベントは、東京ではマズマズの陽気でしたが、全国的にみると異常な降雨量などを記録しました。カタルの家では、6月には買い溜めしたトイレットペーパーの在庫が切れましたが、今日の新聞によればティッシュの生産量が戻っているようです。もっとも景気の状態を的確に表す指標は、やはり自動車販売でしょう。そこで、数字を調べてみました。
グラフのように累計値では、前年比で106.8%と消費税引き上げ前の…駆け込み需要の蓄えがあり、立派な伸びになっています。問題は増税後の影響なのです。自動車販売台数を追っても、馴染みのない数字ですから…きっと分かり辛いでしょうから、対前年月比を%で、表を作ってみました。確かに消費税引き上げ直後の4月は大きく落ち込みましたが、7月は辛うじて、全体で100.6%となっています。一般の普通乗用車や小型乗用車の数字は100.3%ですね。
果たして消費税の再引き上げに耐えられるかどうか…微妙ですね。株式相場は良く実態を表しているようです。昨日は中期的に好調な建設株、「鉄建」や「熊谷組」と言うリニア絡みや品川開発絡みの銘柄が賑わっていました。カタルも悪くない選択だと思っています。しかし残念ながら、カタルの心を動かすような銘柄群では、ないのですね。理由は企業業績の変化率が鈍い為です。株価を大きく押し上げるのは、ドラスティックな変化率が必要です。業績に意外感がないと…駄目なのですね。その点、ゲームの業績の伸びは意外感があります。立ち上がりのスピードは…情報伝達を実感できるものです。しかし折角、立ち上がっても一時的な利益に過ぎず、継続性の観点が欠けるので…ピーク時近辺のPERは10倍を割れる評価しか与えられないしょう。
みんな、「帯とたすき」の関係の銘柄しか…見つからないのですね。この程度の銘柄なら多く存在しますが…なかなかカタル銘柄にマッチする銘柄は、見つかりません。せいぜい化工機やNSWのような…カタル銘柄「候補」程度の水準なのですね。実際にカタルは、年末には富士通をクラウド関連で取り上げています。最近、上がっている中では…介護のツクイなども、時々、採り上げていました。更に横河ブリッジも、それなりに…株価は上がりましたね。カタル好みのリスクの低い一般銘柄も、レポートでは時々、推奨をしています。問題は、皆さんがどのリスクを選択するか?…と言う問題です。後は買い方などのテクニカル的な問題です。
基本は、安くなれば買えば良いのですね。お金さえあれば…どんな株も、倒産しない限り買い続ければ、必ず、儲かりますね。日銀が負けない理屈と同じです。昨日は「我慢」の大切さを説きました。森ビル創設者の森泰吉郎さんは、時代に恵まれましたが、愚直に自分の信念を貫いて行動しました。バフェットもそうですね。途中の誘惑に、彼らは負けません。しかし人間は、目先の欲に弱いのです。人間だれしも、目先の誘惑に溺れるものです。カタルが良い実例です。いつも目先の動向に溺れて行動をしています。
先日来、そろそろ夏枯れ相場も終焉か…と、好転率などのデータを示しています。カタル銘柄の007も底入れ気配の業績を反映し、株価も上昇気味です。驚くのは、減額修正が考えられるJ・TECです。なんと利食い圏に入ってきたのですね。カタル銘柄の小型現物株である007と、J・TECは、5月からの上昇で先駆して上げて、早くに調整入りしました。ストップ高し「盆と正月」が一緒にやって来た…と表現したほどです。そうして最後にケネディクスが上昇し、おまけにゴールデンウィークがやって来たと、レポートに書きました。最近の値動きをみると…、どうやらやはり…と、思わせる動きですね。夏枯れ相場終了宣言も、近々出来るかもしれません。
読者から報告を頂きました。ありがとう。調べてみたらケネディクスを三菱UFJが買ったと言いますが…この背景は、どんな理由があるのでしょう。18日に大量保有報告が出されていました。報告義務発生は11日だそうです。かなり小刻みに、この下げ過程を買ったのですね。こんなのは序の口ですね。やはり浮動株が吸収され、今までの値動きが嘘のような展開が続くように何れなります。カタルは一応、間違いは多いですがプロですからね。銘柄の選択眼に於いては、かなりの知識があると思っています。そうでなければ、後ろ盾がない歩合の世界で、月間1000万円の株式手数料を上げ続けることは出来ません。年収1億と言うのは…そう簡単に達成できる数字ではないのです。周りの証券マンに聞いてみれば分かりますね。組織のバックアップがあるのと、ないのとでは雲泥の差です。むかし岡三証券のセールスが、丸紅から大量の注文を貰いましたが…1週間経っても約定できませんでした。しかし野村に振ると…1日で全て約定が完了です。
この理由は、場に100万株の注文を出して3割程度約定するようなら…株式部が仕切ってくれるのですね。一旦、玉を会社で持ち、後で投信などに嵌めます。これは実話ですよ。組織の力は、絶大だと言う事です。まともな証券会社は大手しかないのです。僕が1億の投信を売るのに、四苦八苦していると…野村のセールスは、いとも簡単に1億、2億と決めていきます。当たり前ですね。CBなどの大量の引き受け玉を餌に、利回り採算が確定するのです。だから投資信託で多少の損をしても、他で補うからですね。組織力なく一匹狼で、手数料を月額1000万円あげるのは大変でしょう。カタルは今の制度ではコンプライアンスが厳しく、必ず電話で確認しなくてはなりませんから…せいぜい1億から2億程度が限度でしょうね。カタルが1億の年収を上げる時、電話をしながら伝表を書き、注文を流す作業で…一日中、休む時間がなかったのです。物理的に不可能なのですね。せいぜいブロカーでは、数字が知れていますね。だから現役の証券マンを辞めたのも…理由の一つです。他にもいろいろ理由はあるのですが…。
その辞めた理由の一つの規制ですが…、自民党は預貸率規制を設けようとしていると報じられています。日銀は預金と貸し出しの関係を、都道府県別に発表しています。それによれば…全国平均は67%程度で、奈良県や和歌山県は40%を割れています。つまり100億円の預金があれば、40億円も貸し出してないのですね。あとのお金は、上部組織へ運用を任すか…国債の購入です。この国債金利が0.5%を割れるのですよ。地方銀行がリートの購入に動く理由が分かるでしょう。新聞記事を読むだけで…、預貸率規制…云々と言うほど、清貧思想が蔓延し、深刻な「流動性の罠」に、日本は陥っているのです。当たり前ですよね。赤字企業には金を貸すな! 確実な売り上げ増加が見込めなければ…融資など下りないのです。そんな教科書通りの融資先があるなら…教えて欲しいと言うでしょう。銀行は支店長の裁量権も奪い、貸し出しは全て本部決済、これで融資が伸びる道理がありません。
この仕組みを構築したのが、金融庁です。池井戸君の書いた小説を読めば、金融界の実態は良く分かります。かれは三菱UFJなのですから…実話がもとになり、小説が描かれています。だから銀行協会長を、まだやっているのか分かりませんが…元事務次官の小川是さんが、株屋は知らないが…小説を読めば分かると豪語したのです。東大法学部らしい一面しか見ない人生論です。しかし現実に、友達が自殺したお通夜に行ったことがあるのでしょうか? 折角、息子が東大に入学したと祝ったばかりなのに…。末端セールスの悲哀などを、政策担当者は、到底、理解できないでしょう。一度、お客様と共に、追証の算段でも経験すればいいのです。
カタルの信用創造復活論は、日本経済が立ち上がるなら…絶対に避けて通れない壁です。先ずは信用創造であり、土地や株を上げないと話になりません。だからケネディクスでなくとも、野村証券でも、基本は同じことなのです。今日もゴタクが長くなりましたが…カタルは、自説に自信を持ってレポートを書いていますが…現実の選択は違う事が良くあるのです。こんな事は、常識ですね。投資家それぞれが、他人の意見を、どう自分に反映させるか…。ケネディクスは貸借銘柄なので、アゲマゲドン・リスクを選択すれば「空売り」をすれば、良いだけの話ですね。世の中、カタルと違う意見を持つ人も大勢いるのです。自分が最終的に選択するのですね。果たして8月の自動車販売は、どんな数字なのでしょう。それでは、また明日。
投稿者 kataru : 2014年08月19日 10:53