今日の市況(2014年12月24日)
かたる:米国株はジェットコースターのような展開を歩んでいます。基本的に板は薄いのでしょう。慎重派はマネタリーベースの縮小からの展開を見越し、ポジションを減らし、場合によれば売りに回るのでしょう。問題はFRBの動向ですね。2015年の市場経済は米国のイエレンさんの動向次第という所でしょう。もう一つの展開がICTの活用が一気に進み、クラウド環境などの組み入れにより、実体経済の成長率が一気に上がることですね。この可能性もあります。先進国の引き離しですね。スマートコミュニティー化が実現する展開です。現在のシナリオは、この二通り。
そう言えば…ジム・ロジャーズが日経新聞のインタビューに応えていました。彼は日本が好きで、何度も来日しており親日家です。ジョージ・ソロスと共にファンドを起こし、大儲けして旅に出たのですね。一次産品、金を始めとする資源高を見越し、早くから、これらへの投資を推奨し、自らも投資して大儲けている筈です。カタルも彼の考え方に近く、概ね本日の内容は、納得できるものです。
市場経済で起きている金融危機後の流動性を中央銀行などが補い、どうにか経済は息を吹き返してきました。基本は出口戦略を急ぐかどうか…に尽きます。中央銀行が補ってきた流動性を民間金融機関が埋めることが出来るかどうか…。しかし今は金融規制も掛けられない有様です。先日のボルガールールの順延が、その実態ですね。これからもロシアを始め新興国の不安材料は、度々登場すると思います。市場経済はその様な多くの材料で上下を繰り返しながら、問題を消化するわけです。多くのネット・トレイダー達は、値動きに魅せられ株式投資をしますが、経済の流れに乗るのが一番だと思っています。日本の課題は明らかで、「流動性の罠」から抜け出し、企業が抱える豊富なキャッシュや個人金融資産を実体経済に置き換える作業ですね。だから子供や孫への資金贈与が緩和されているのです。
本日も日本を代表する重工の宮永社長がROE10%~12%の目標を掲げていました。まだ少し、分かっていませんね。売上高5兆円に拘っている規模の拡大を述べていたようです。先ずは不採算部門の構造改革ですね。設計の失敗で多額の損失を計上した商船部門の改革など…やるべきことが多くありますね。きっと、重工は昔ながらのスタイルなのでしょう。ICTを活用すれば、もっと時間短縮が出来ると思っています。日本の企業がROEを高める為に、必要なことはクラウド環境など…劇的に変化しているICT分野への転進ですね。大企業には無駄が溢れています。重工は非常に恵まれた環境下に位置している会社です。通常の経営をしていても、株価は4ケタを目指すのでしょう。アジアの発展は、昔ながらの重電など…重厚長大産業の活躍時期でもありますね。MRJは政府の応援を受け大きく伸びる素地があります。GPIFは大手金融を始め、このような銘柄を多く組み込むべきでしょう。
ROEの基本は、無駄なキャッシュを持たない事でもあります。仮にROEが10%以上なら、それ以下の稼がない部門は排除され、高い利益率の分野を更に伸ばすことに成ります。何より、豊富なキャッシュは無駄な投資になりますね。必要のないお金を持たないのが経営戦略の一つになります。当然、アップルの様に自社株買いをすることに成りますね。だからカタルは、2015年はトヨタにも注目しています。為替で労せず儲けたお金をどう使うか…注目されますね。
さて米国株高を受け日本株も高いですが、基本的にまだ広がりは見えませんね。指数による株価上昇と言うイメージです。おそらく来年は大手銀行株が意外に好調な成果を挙げると考えています。場合によれば…3割程度の上昇はあるのでしょう。不動産の税制優遇の延期も報道されていましたね。「金貸し」が儲からなくては経済が潤う筈がありません。おそらく三菱UFJは、毎年少ない金額でしょうが、自社株買いを実施する筈です。PBR1倍以下の株価なら…論理的に自社株買いは有効な経営手段です。米国もそうですが…金融株の動向は弱く、株価は冴えません。それはオバマ政権の清貧思想の影響です。多額の制裁金をかけていましたからね。説明責任と言うのは判断が難しいですね。プロ同士の契約に制裁を加えるのは、妬みにしか見えません。
安倍政権の成否は「デフレ脱却が出来るかどうか…」貨幣乗数効果が広がりを見せるかどうかです。現状はいくら日銀が緩和を続けても、実態経済は、なかなか稼働しませんね。デフレマインドが色濃く残っているためです。日産のマーチの移転時分の話ですから、あそこに追い込まれる前に、手を打つべきだったのですね。金融危機と同時進行の日銀の金融引き締めが、過度の円高を生んだのです。日銀は引き締めなどしていないと言うでしょうが…、マネタリーベースは、前年比で落ち込んでいますからね。日本の問題点は此処にありました。しかしようやく安倍政権下で、日銀もデフレ脱却を目指している訳です。車輪が回り始めてきているのですが…、ケネディクスの株価を見れば分かるように…、歩みが遅く感じられるわけですね。でも、もう大丈夫ですが…。
その様子は、上のグラフからも感じられます。マネタリーベースの出口戦略を急ぐあまり、前年比でマイナス22.3%までお金の量を落とすわけです。2006年11月の話ですね。2006年に入り一貫して日銀はお金の量を絞っています。此処に、金融危機が重なり一気に円高が進んだのでしょう。悲鳴を上げたのは自動車産業ですね。雇用確保で頑張っていたのに…仕方なく、日本で生産する分も海外に移転したのです。カタルが考えるのは、この過度の移転分が、来年から順次、回帰すると思っている訳です。今は米国の好調分を補う生産増加ですが…、この動きが来年は更に広がると考えています。この考えは非常に重要なのです。ポイントを良く抑えておいてほしい訳です。そうしないと…次に主力となる銘柄の良さが理解できません。今は、まだ早いのです。まぁ、ケネディクスを仕上げ…、環境が整えば…、次に移行するテーマの一つの候補に過ぎません。米国も来年は、2006年の日銀と同様の…失敗を行う可能性があるのですね。だからカタルはポール・クルーグマン教授の米国の利上げはないと言う仮説は、正しいと思っているので、度々、これを紹介している訳です。
仮に…、この出口戦略を急ぐと、世界の流動性は失われ、今年後半に起きている株価急落が本格的に、実現することに成ります。だから空売りを考える人も居るのでしょう。この辺りが来年の焦点になるのですね。このカタルのレポートと本日の日経新聞一面のジム・ロジャーズのインタビューを合わせると、理解が進みますね。所詮、みんな仮説なのですよ。でもこのような仮説を考えて、実体経済を観ることが大切なのですね。ポイントを押さえておかないと…ロシア危機などの揺れに惑わされ…振り落されるのです。
さて難しい事ばかり書いていると…読者はドンドン、つまらなくなり、離れますね。でも3流大学出のカタル君が理解できる程度の話しですから、そう難しくはないでしょう。来年の焦点が、この所の解説で少しずつ現実化していると思います。皆さんは気付いていますか? 例えばJ・TECのように…板状況を見ると、誰かが玉を拾っている様に感じられますね。静かに沈めているように見えます。007はまだ分かりませんが、そろそろ、その手の動きが見え始めても良い頃ですね。このような過小資本銘柄は、皆が買うときは、大概は終わりなのですね。人が見向きもしないから、ポツポツ入れるのです。
あとは配当取りの動きが…年が明けると始まると思います。個人金融資産は1600兆円もあるのです。10%も買えば大変ですよ。国債金利は0.3%台ですね。株式の配当利回りは3%近くになっているものは、多くあります。PBR1倍以下で、資産が都心にあるもので、配当利回りが高いものは、下値が限られますね。日銀は国債を大量買いしており、行き場を失った資金は、リートや株式に向かうのですね。日銀がリートやETFを買っている様に…道を示しています。よく背景を知っていれば、株価動向に一喜一憂する事はありませんね。目先の株価の上下は、どうでも良いのです。基本をしっかり捉えることが大切なのでしょう。それでは…また明日。
投稿者 kataru : 2014年12月24日 11:46