今日の市況(2005年)(2005年12月27日)
かたる:クリスマスで海外市場はお休み。日本は神道か仏教だから…関係ないか。一体、誰がクリスマスにケーキを食べさせたのだろうか? しかし今年は食べなかったな。日本市場はきわどいタイミングで日経の観測記事が効いた感じ。東証による信用全面規制の報道が…。年末年始の浮ついた心に水をさし入れた。個人的にはホッとしているね。
時代や:最近は、嫌に慎重だね。そんな発言ばかりだよ。
かたる:今、黒木亮の書いた「巨大投資銀行」(上・下)と言う本を読んでいるが、なかなか面白いね。1989年前後の相場展開などが小説化されている。特にあの当時、悪者とされた先物に絡む部隊が描かれている。プロが面白い本だというのだから、一度、年末に読んでみると良いね。
今の市場は値動きだけの売り買いを主体とする連中が力を付けて、市場の流れを作っている。この流れを上手く利用する奴も、きっといるのだろう。試練を積んでない若い投資家が上手く育ってくれれば良いけれど…その為には、色んな知識が武装になる。この本にはその裏部隊の動きも出ているから、参考になると思うよ。
トロ:また、本屋を始めるのかい?
神主さん:久しぶりだね。全面信用規制は…いつ、やるのかね?
かたる:かけ目の80%→70%に、担保比率を30%→40~50%と言われているが、僕は、一度に上げるのはどうかな? グリーンスパン流に、徐々に、やるのが良いんじゃないかな? CPIの発表を受け、量的緩和の解除が視野に入っているようだが、こちらも上限目標を5兆円とか10兆円程度とか、少しずつ下げていけば良いと思うけれど、どんなもんかね?
色んな意見はあるが、基本的に僕は、双方の処置に違和感を感じないね。信用規制をすれば良いし、量的緩和解除にも異論はないね。ただやり方を徐々に、移行したほうが良いかな?と思う程度だよ。消費税が値上げになる前に、金利をある程度引き上げておいたほうが良いように感じるね。
神主さん:CPI(消費者物価)の上昇が円高論者の期待値以下で円安に振れるって、どういうことなのかな?
かたる:たぶん、CPIが予想以上に上昇すれば、ゼロ金利解除が迫り、金利が上昇するので日米金利差が縮まる方向性に行くから、円高になるということなのだろうね。(実際は直ぐに金利が上がる訳じゃないが…)もともと為替の理論は、金利平価説が主流だから…
時代や:おいおい、またおかしな言葉を出してきたな。金利平価説? なんやそれ。
かたる:為替相場は金利差で動いているという説だよ。今、日本では外債投資が一般的になってきたね。為替動向で元本割れのリスクがあるが、金利が高いからドルなどを買うんだね。この金利差が縮まれば、何も為替リスクを取って外債を買わなくても、日本国内で国債を買うとか、預金をすれば良いわけだ。でも、そのリスク以上に金利差が魅力的だから、外債を買うから円安になるが…金利差が縮まれば、外債投資への需要は減るから、円高に向かうという見方だね。このように世界の金利は裁定が入り平坦化されるという説が金利平価説だよ。実際は他にも様々な説があるよ。
神主さん:今日が年内最終受渡日で、損をする奴は全部売っちゃえ!って、言う商いもあったんじゃないのかね?
かたる:そうかもね。信用取引全面規制の観測報道と一緒になって、市場は下げたという見方だね。
時代や:仮に信用取引が全面規制されたら、相場に影響が出るかな?
かたる:まぁ、買い需要が物理的に減るわけだから、多少は影響があるかも知れないが、基本的にはこんなもん、関係ないだろうね。よく道端で泣いている子供がいるよね。「おかぁちゃん、あれ買って、あの玩具が欲しいよ。」って、道端で駄々をこねる子供の姿があるね。どんなに、おかぁさんが言って聞かせようとしても無駄だよね。多くの場合、おかぁさんが逆切れするけれど…
相場は既に走り出しており、ほんの少々水をかけても呼び水に過ぎないでしょう。かえって、相場の腰が強くなる現象だろうね。泣いているのをやめさせるには、買ってあげるしかないよ。教育上は悪いけれど…
トロ:最近は高値保ち合いをしているかんじだね。銀行や鉄鋼などは、この後、もう一段高するのかな?
かたる:僕は高値のまま推移し、下げると思うね。仮に新高値を更新しても、そんなに上値はないと思うよ。むしろ大型株から中型・小型へ物色は向かうのだろう。
時代や:おいおい、タクシーじゃ、ないんだから…でも東京には小型タクシーなど区別はないね。田舎はあるけれど…
かたる:そうだね。今は金融相場から業績相場への移行期で少しずつ物色動向に変化が生まれるから、よく市場を観察しておいてね。その内、仕手株も賑わうよ。
時代や:それでニッシン―8571を手掛けていたの? 先日、買っていた三越―2779も700円台に入り新高値だったね。
かたる:一応、証券マンはどんな株でも動けば良いよ。選り好みなどないよ。でもあまり業績と、かけ離れた株の売り買いはしたくないね。やはり、ちゃんと理屈が立たないと…今日は配当落ちしたGなどが安くなっていたので少し買ったね。この銘柄は既に、短期の乖離調整を終えている。別に僕は株の先行きに弱気な見方じゃないよ。単に利食い場面がないような上げ相場は、相場の腰が弱くなるから嫌いなだけだよ。
だんだん、お客様の動向を見ていると売らなくなっている。今日だって買い気配だから売ろうとしたら、逆に買いに来るんだから…どうかしているよ。株の基本は守ろうね。下手な相場観など邪魔になるだけ。安かったら買って、高かったら売るんだね。じゃ、また明日。
投稿者 kataru : 2005年12月27日 17:30
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