今日の市況(2006年)(2006年10月02日)

かたる:日銀短観が発表された。大企業の製造業は事前予想がプラス21となっていたが、それ以上に悪いんじゃないのかと言うのが僕らの定説だったので、意外感を持って受止められたと言うのが現実ではないかな?
時代や:それで、一時200円高になったの? でも相場の的が絞れてないね。そのせいか相場に迫力がないね。
かたる:そうかなぁ~。一般株を買っているお客様の買値を上回っている銘柄が増えてきたね。かなり投資マインドが改善してきたような気がするよ。26日の組閣後に日本株は上がってきており、新内閣の政策を評価した外人投資家の安心感が背景にあるんだね。中国、韓国との首脳会談も予定され、新内閣には期待感がなかったのに、良くやっている印象を持つよ。まぁ、これからだけれど…
時代や:ソフトバンクは安かったけれど、大丈夫かな?
かたる:今日、ソフトバンクの利食いをお客様に薦めたら、売り惜しみ現象が生まれ始めてきたね。驚くことに午前中に出した2480円の指値は売れていたね。後場からの2480円は全然売れなかったけれど…
時代や:あれ? もっと上がるんじゃなかったの?
かたる:相場観は上がると思うよ。うまくいけば、かなり上値が期待できるかもしれない。信用期日向かいの動きが出るなんて…、かなり強いと思ってもいいよ。今回のメイン銘柄になる可能性は高いね。そうなの転機だし、安易に空売りをすべきじゃないね。
時代や:信用取り組みが大きく改善した割りに、2480円のポイントを抜けなかったね。
かたる:一応、リーマンに敬意を表したんじゃないの? 簡単に抜けたら彼らに悪いよ。それにここが一番、株価的に重いラインだからね。この壁を抜けると真空地帯を株価は駆け上がる可能性がある。3000円前後に多少売り物があり、その後は3500円処まで大きな壁はないよ。
神主さん:つまりここが勝負で、あとは駆け上がると…思っているんだね。しかしその割りに他の新興株式の動きは今一だね。
かたる:まだ個人投資家の傷が癒えていないよ。ソフトバンクを中心に個人の力を回復させないと…そうすると、他の一般株にも勢いが生まれ始めるよ。もともと一般株の買い勢力は投資信託などの保守的な投資家だからね。運用しているファンドマネージャーは素人が多い。信託銀行などで相場の経験のない奴が運用を任せられるケースが一般的かな?(最近は変わり始めている。)つまり精神力が伴わないので、相場の動きに踊らされるんだね。
株というのは、相乗効果が相場を大きくすんだね。自分が良いと思って上値の売り物を買いに行く。そうすると他に注目している奴もあわてて売り物を買いに行くんだね。誰かが手を付けないと…。みんな誰かが仕掛けるのを待っているんだね。分かるかな? 今の相場はそんな感じ。既に下値を確認したと思っているが、これから信用期日を迎えるし、上がると思うけれど、自分からは買いにくい。今の市場心理はそんな感じだよ。
トロ:馬鹿株の新興株の話か…気を付けた方が良い。多くの株は高値を追えない株だよ。既に新興市場はある程度、発展している。市場は黎明期ではない。故に、しっかりしたビジネスモデルを持っている会社と、持っていない会社の違いが株価に大きく出る筈だよ。仮に新興株が戻っても、すべての新興企業が競争に勝てる訳ではないからね。二番煎じ、三番煎じのビジネスモデルでは食えない世界だよ。
あまり強気になる時期ではないよ。確かに世界的な株高の影響を受け始めているが、クリスマス商戦は危うい可能性が残る。そうなると在庫増がある上に、更に在庫を抱え、電子部品業界は大変になるよ。故にアメリカではナスダック市場が弱いんだよね。薄型テレビの価格下落は予想以上だよ。電子部品の価格は叩かれ、利益なき繁忙の可能性が高いね。
かたる:可能性がないとは言わないが、BRICsの需要も大きい。アメリカ景気のソフトランディングが見えれば、安心感が生まれるだろう。一番心配なのはスタグフレーションだけれど、CRB商品指数などの推移を見れば、現状では心配ない。アメリカの中間選挙を控え、民主党の政策に保護主義が盛り込まれるシナリオが、考えられる一番危ないパターンかな?
時代や:円は弱いね。短観を受けて利上げが見えるかな?
かたる:その路線は新政権の誕生でブレーキが掛かる筈だが…日銀は利上げしたいだろうね。困ったもんだ。最近の世界の株高を支えているのは日銀の流動性の力が大きいからね。だいたい、日銀幹部にグローバルな視点で、ものを考える政策委員が居るのかな?
トロ:少なくとも、お前よりずっと見識があるよ。心配しなくてもいいよ。
かたる:そうかな? 過去の失敗策を見ていると…どんな見識なのか。アメリカのように証券会社出身もメンバーに加え意見を求めるべきだよね。
トロ:水野さん が居るじゃないの。
かたる:あの人は株屋というより研究員みたいな人だよね。実際に株を売り買いしたことはないんじゃないのかな? 学者みたいだから頭はいいのだろうが…日銀政策委員はみんなそういうタイプだよ。どぶくさいのは商社マンの福間さん ぐらいかな? 野田さん も銀行マンが長いから、いろんな経験があるかな? 僕はいつも思うけれど、やはり底辺の仕事を知っている人がいいと思うよ。
兎も角、年末に掛け、強気に対処をした人が成功すると思うね。26日の組閣以降、日本株は新しいステージに入っていると思うよ。信用期日の山をこれから迎えると思っているかもしれないが、既に終わっているんだね。その事をソフトバンクの動きが、市場に啓示しているんだ。
トロ:何が神様だ、相変わらず、大げさな奴だ。

投稿者 kataru : 2006年10月02日 18:22