今日の市況(2006年)(2006年11月15日)
かたる:NY市場は強いね。トロ君の中間選挙までの株高説はどうなったのかな? たしか選挙まで株価は上がり、その後は下げると発言していたようだけれど…。過去のデータでは大統領の共和党と違い、議会では反対勢力の民主党が主導権を握ったが、このようなケースでは、その後一年間の株価動向は高くなったというデータを見たね。たしか年率20%ぐらいの上昇だったんじゃないかな? この数字は確かでないが…
原油の値下がりなどの影響で、1.6%減のPPI(卸売物価指数)発表を受け(コアはマイナス0.9%)、債券は上がり(金利は下がる)、株は4日ぶりの新高値だという。アメリカ景気で注目されるのは住宅産業の動向で、昨日は悲観的な記事(ゲーリー・シリング)を載せていた金融新聞はバランスの配慮か、今日は市場の一般予測の楽観論(ロバート・シンチ)を掲載していたね。
昨日の市場では、ホーム・デポの決算は市場予測より悪く、見通しも悪かったが株価は午後に上がったと言う。果たして年明け以降どうなるのか? この動きは重要だね。底入れをしたのか? それとも急落しFRBは、後追い政策を強いられるのか? 昨日の市場で注目されるのはウォールマートの動き、株価はクリスマス商戦が好調との見方から上がっているとか…。ビスタ人気もあり半導体株も好調な展開となっている。
時代や:そう解説されても…、よく読者は理解できないんじゃ、ないのかな?
かたる:読者じゃなくて、お前が理解できないんじゃないの? 日本では電子部品の在庫増から意図せざる好ましくない在庫があり、年末商戦が注目されているんだね。この下準備がないとアメリカの動向が理解できないよ。今回のGDPも外需が引っ張り、在庫投資の影響が大きいといわれている。製品が売れないのに、在庫を作ったからGDPが伸びたというわけだね。
株式教室でたしか営業キャッシュフローの話しをしたと思うが…在庫は重荷だよ。資金効率を悪化させるし、後で製品の陳腐化などで減損処理を迫られる可能性があるね。特に製品の寿命が短い電化製品などの部品は大変だね。だからアメリカのクリスマス商戦や景気動向、また日本の年末商戦が注目されるんだね。
時代や:そうなると、株価にどう影響されるの?
かたる:例えばアルプス―6770のように…、今日も新安値を付けている。この会社は赤字を前提で株価を売り込み始めたが…在庫が掃ければ業績が改善するかもしれないよ。そうなると株価は反転するだろうね。まぁ、この時期に大きな期待は持てないが、ワンタッチが狙えるよ。1100円で買って1200円で売るとか…現段階ではこの程度のものでしょう。来年もアメリカ景気が好調で、日本の消費も盛り上がれば、株価は完全な底入れを形成し本格的な反騰相場になるかもしれない。そうなれば再び2000円台が狙えるかも…。
だからアメリカ景気の動向、即ち、住宅価格動向や新規着工件数の動向が、気になるわけ。アナリストが経済統計から、あるいは個別企業の受注動向から業績を推測するのは、このような観測から成り立っているんだね。ミツミ―6767は新高値を更新しているが、おそらくゲームの部品を作っており、ソニーか任天堂かわからないが…ひょっとすると両方かも…だから、大忙しなのだろう。だから同じ電子部品メーカーでも株価の動きが分かれているんだね。
時代や:なるほど…。しかしいつも外れるからね。アナリストレポートが当たるなら、株で儲ける事は簡単だものね。多くは、ずいぶん株価が上がっているスッ高値の時に、推奨レポートが出るからね。
神主さん:うん。それは言えている。それにしても、折角の上げムードなのに、日本株は相変わらず弱い展開だね。IPOを全滅みたいだし…やはり証券税制の報道は効いているのかね?
トロ:これじゃ…株が上がる道理がないね。
かたる:昨日は時代背景を少し話したよ。今日は郵便預金の話をしようかな? 全国の郵便局は三井住友銀行の頭取を勤められた西川さんをTOPにいただき、今、局員は証券営業の勉強をさせられ、投信などのリスク商品を売り始めているね。郵便預金と郵便保険の総資産は、なんと340兆円もあるんだよ。9月末の公募投信の純資産残高は62兆3千億円で、そのうち株式投信は49兆7千億円だという。仮にこれからも2割程度が株式市場に流れれば、500兆円の市場にとって非常に大きな戦力だよ。
まもなく冬のボーナス時期を迎え多額の満期を迎える定額預金があるだろう。その資金が投資信託となり株式市場に向かうよ。この影響はとてつもなく大きいね。
トロ:仮にそうでも…お前の好きな新興株には向かわずに、投資対象はトヨタなどの国際優良株だよ。
かたる:そうかもね。しかしトヨタを10万株売った投資家は、出遅れの新興株を買うだろうね。ITバブル崩壊から立ち直りが2年程度、掛かったけれど…既に11ヶ月近く経過している。ITバブルは株価が何十倍になり、シコリが大きかったけれど、今回は、ほどほどの上がり方。故に整理期間も短いはずだね。だから恐れる必要はないよ。
売り物がない市場だから、あとは上がるだけ。既に投げる投資家は投げているね。新興株を手掛けた個人投資家は30代が多いのだろう。懐が浅いからシコリにならずに投げている。戻りの売り物も限られるわけだね。考えてごらんよ。やはり今のように、新規公開株が公募割れするような低迷している時期は、やはりチャンスだよね。
7月には2番底を付けている株価は多く、この6ヵ月後は来年の1月だよ。ソロソロ株価は上がり始めると思わないかな? 理屈だよね。恐がる事はないね。ハハハ…ようやく儲かる場面がやって来た。
トロ:あぁ~、アメリカ景気の行方も分からないのに…
かたる:世界の経済成長の伸びの30%以上は、新興国が作り出しているんだよ。所謂、BRICsの成長が世界景気を押し上げているんだね。そうして先進国とのGDPの格差が、先進国にはインフレを生まない成長を支えている。故に金利もあまり上がらない。素晴らしい経済環境だよ。株価はどんどん上がり続けるよ。
トロ:困ったもんだ、馬鹿につける薬はないか…。
投稿者 kataru : 2006年11月15日 17:09