今日の市況（2006年）(2006年12月05日)

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かたる：ＮＹ市場はバンク・オブ・ニューヨーク（ＢＯＮＹ）がメロン・フィナンシャルとの合併を発表し、ステート・ストリートもつれ高したという。ＩＳＭ指数の悪化を、たった一日で消化し高くなる市場はかなりの強気市場なのだろう。一方、日本市場はＳＱを控え、後場から安くなった。新高値の銘柄を見ると、中国絡みと配当利回り、そうしてサッポロＨＤ－２５０１などのＭ＆Ａ関連などが賑わっており、新日鉄－５４０１は連日の新高値で、一時、値上がり幅が大きくなってきたね。

トロ：どちらかと言えば、好業績株の物色という展開じゃないの？　鉄鋼市況は強く、下期減益を予想していたが事前予想を上回る展開だし、今日、買われていた海運株は市況がマズマズだというからね。新高値銘柄を見ると機関投資家の実需買いのようだよ。

時代や：ソフトバンクは日経新聞が話題を提供していたね。

かたる：うん、やはり時代の背景というか…僕と同じように考える外人投資家がいるんだね。昔、ソニー－６７５８の東通工時代には、誰もがソニーの成長を疑い、こんな馬鹿な…と、空売りをしたという。僕は初めての経験だと思うよ。株価が半値になって空売りが増えるとは…。一般的には株価が高くなって強弱感が対立するのが普通だね。ところが、今回は違うんだね。

先日の読売新聞に国際電気通信連合（ＩＴＵ）だったかな？　の調査によると、世界で一番安いネット環境だと新聞に載っていたね。ソフトバンクの赤いパラソル戦略は、多くの批判を受け、混乱の中でソフトバンクＢＢはＡＤＳＬのシェアを拡大したね。当時は社会の秩序を乱す輩ということで新聞も批判をしていたよ。ＮＴＴを代表する権力者は総務省を動かし政策の圧力をかけてきた。総務省の中でも意見対立があり、擁護派もいたというが…

あの突飛とも思われる一人の経営者の挑戦が、日本を世界で一番の国にしたんだね。同じことが携帯電話でも起こってほしいね。そうして通信環境が世界で一番になり、この技術的優位さを世界で使えばいい。情報の伝達が早く行え、世界で一番安いと言うことはすごいことだね。日本人は未だに、このネット環境を有効に活用していない。それは情報の価値観という概念が、なかなか芽生えないことに問題があると思うよ。

神主さん：情報の価値観？　つまり株で儲かるとか…

かたる：株で儲かるかどうかは、難しい問題があるからね。たとえば、国税庁は電子申告を受けている。インターネットで税務の申告をするんだね。制度はあるのに、なかなか活用されていない。仮にこの制度が一般化されれば、税務署員の人数を減らせるよ。脱税が起こるならキャッシュレス化すればいいね。すでに携帯電話で決済できる仕組みがあるじゃないの。いつでも本気に取り組めば、限りない成長が約束され、日本はこの分野で、世界の覇権を握ることができる。ところが、役人はそのことを知りながら、既得権力者の保護に動いているんだね。

民間の三菱ＵＦＪの幹部なども、折角のリテール部門を活用してないね。宝の持ち腐れ状態が続いている。この空回りが新しい時代を感じられない一番大きな障害なのだろう。このような時は、政治家が力強いリーダーシップを発揮して乗り切らないと、新しい成長が見えないよ。ようやく特別会計の一部にメスが入り、官製談合が摘発されている段階。もう新しい試みを強引に始めるべきだろう。

時代や：そんな事より、株のほうはどうなるのかね？　新興株は一進一退の動きを続けているが…

かたる：残念ながら、個人投資家のやられは大きく、直ぐに、みんなが期待するような株価の動きにはならないよ。しかし徐々に変化をしていることは事実。どの株を見てもいいよ。下値がだんだん硬くなり、やがて株価は下げなくなる。そうすると、徐々に打診買いが入り、株価は緩やかに上昇しだし、その動きを見て新規参入者が増え、株価は戻り始めるね。多少、目先の下げで投資心理が弱気に傾く段階は終わったね。

昔なら少し売り物が出ると、投げが投げを呼ぶ段階だったけれど、すでに投げ物は限られているよ。故に、今までのような雪崩的な相場の崩れにはならないよ。むしろ投げ場面が逆にチャンスになるね。しばらくは小幅な値鞘しか取れないが、これも仕方ない。お客様もこの点は理解するしかないね。新日鉄などの機関投資家銘柄の買い主体は、上値を買い煽るグループではないから、トヨタ－７２０３のように必ず休みを入れるからね。無理して高値を買う必要はないよ。

トロ：相変わらず、まともな株には批判的だね。新興株のような、先行きが不安な株が、本当に上がる環境と思っているのかね？

かたる：楽天－４７５５の持ち株であるＴＢＳ－９４０１が上がってきた。ＡＢＣマート―２６７０の三木さんが株を買ったという。果たして、楽天の三木谷さんはどう処理をするのかな？僕はＴＢＳを乗っ取ればいいと思うよ。大体、日本のマスコミは保守的で、権力者側に付きすぎた報道姿勢だよ。再販価格制度など、なぜ、古い本が新刊と同じなの？　おかしいね。報道はいろんな見方があっていいよ。日本が変わるためには日本人を教育しないといけないよ。そのためにはマスコミの力が必要だね。

朝日放送のときも、フジテレビのときも…体制派に負けたけれど、この壁は乗り越えないと日本は脱皮できないと思うよ。特別会計や談合、補助金、天下り、兎に角、失われた時代に、僕らはつまり５５年体制と決別したんだね。仲良しクラブで暮らせるなら、それに越したことはないが、全国の夕張化はどんどん進んでいる。ムディーズが市町村などを勝手格付けしているが、この流れは仕方ない流れだよ。僕らは市場を通じて、いやと言うほど、この現実をかみ締めてきた。

いまさら、後戻りもできないし、この程度の改革で、これから進む、少子高齢化の日本がハッピィーになれないよ。いばらの道を通り切らないと、明日の夢は拓けない。キャッシュレス化を進め、フェアな環境を作らなくてはならないね。既にすべての携帯電話にＧＰＳが搭載されるから、キャッシュレス社会になれば犯罪もなくなる。日本だけが世界で唯一、高度情報社会を構築できるチャンスなんだね。その核になる銘柄がソフトバンクになる可能性があると思うよ。日本だけの覇権じゃないよ。インテルやマイクロソフトのような世界の覇権を握られるかも知れないチャンスだよ。

トロ：本当に、そう思っているのかね？　こいつの頭はやはり現実的ではない。

かたる：方向性が一番大切だよ。いつの時代も…僕はそう思うよ。

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投稿者 kataru : 2006年12月05日 18:25