未来かたるが語る

今日の市況(2009年)

今日の市況(2007年)(2007年12月28日)

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かたる:大納会を終えて…
一年を象徴するような一日だったですね。僕は不思議でなりません。何故、これほどまでに株が下がるのか理解できないのです。悲しいことです。日本人は日本株の動きに失望し政情の不安定なエマージング・ストックを買っているといいます。証券会社も中国株やインド株そうして市場規模の小さなベトナム株まで売買できるように準備をしました。グローバル化と言えば、そう言う時代なのでしょうが悲しい現実を感じます。

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日本株は「失われた時代」を乗り越える事ができるのでしょうか? 
正社員にならない若者が増え、年収200万円以下のワーキング・プアー族が増えているといいます。

覚えているでしょうか?

ITバブル前後に日本の地価は底入れしました。最初は、たぶんモルガンスタンレーだったかな? 日本の不動産を買い始めたのは…。売り手ばかりで買い手が存在しない時に「収益還元法価格」と言う当たり前の投資尺度を目処に海外からお金を投入し始めたのですね。お金を借りてビルを買うと確実に利回り採算が合い儲かるのです。その当時、JPモルガンがノンリコース・ローンと言う聞きなれない担保融資を始めたのです。貸したお金が返済できなければ、担保物件を手放すだけでOKと言う融資です。本物の銀行屋らしい発想の融資です。当たり前のことなのに…。いつしか日本人は当たり前の行動が取れなくなってきました。考える力を失ったのでしょう。

武富士―8564と言う会社があります。有価証券報告書を読むと一株辺りの純資産額は3329円あります。配当は180円する予定です。営業収益は黒字ですね。一株利益予想は363円です。株価は2715円です。手数料を考慮せずに考えるなら利回りは6.62%に回ります。この会社はオーナー経営ですから、前期は赤字にも拘らず230円の配当を実施しています。過払い引当金は貸付残高の33%も引き当てています。他の会社は5%程度なのに…。確かに、これから年収規制があり貸出金利が下がりますから、縮小均等の道は確実で利益は減るでしょう。しかし一株辺りの純資産は3329円もあり黒字を維持できそうで増えることはありますが減りませんね。…にも拘らず誰も株を買いません。

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こんな株がゴロゴロしている東京株式市場、2002年にブルドックと言う会社の株価は僅か600円だったのです。発行株式総数は1900万株ですから、114億円の時価総額ですね。ところがブルドックは、毎年、営業利益が9億~10億円あったのです。一方、貸借対照表をみると、現預金が21億円、投資有価証券が66億円もあり、借金はゼロだったのです。合計で87億円ですね。たった114-87=27億円で、この会社が手に入るのです。誰でも計算ができますね。株を買いました。株価を安値に放置し、経営者は株価のことを考えずに、「のほほん」とした経営をしていたわけです。スティール・パートナーズが株を買ったわけですよ。

通産官僚の北畑さんは、この経済行為を批判できるのでしょうか?
何故、最高裁はあんな判決(裁判長裁判官―今井功)をしたのでしょうか?

やはり僕には理解できないのです。日本株が外人投資家から見放される理由の一つが理解できます。私はこの政策のやり方で日本が豊かになっているなら文句は言いません。しかし1989年以降の政策を見てください。「失われた時代」って、なんですか? 過剰設備、過剰借り入れ、過剰人員を、時間をかけて苦しんで乗り越えたのですよね。拓銀も日債銀もみんなつぶれ、山一證券もみんななくなった。それにも拘らず、GDPは横這いですね。その間、他の国はどんどん豊かになっていく。いい加減に目を覚まさなくちゃ!

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団塊の世代が続々と退職します。年金生活を本当に謳歌できると考えているのでしょうか? それにもかかわらずマスコミは「配分」の話しばかりです。鄧小平はワーキング・プアーなど気にしませんでした。「富めるものから豊かになれ!」って、言って政策を実行しましたね。中国の成長力は年率10%を超えています。わが国は…どうでしょう?

一人あたりのGDPは、病める国イギリスに抜かれ、フランス、ドイツに抜かれました。今度はイタリアに抜かれますね。そうしてスペインに…やがて抜かれますね。既にスペインのサンタンデール銀行の時価総額は15兆16百億円で、イタリアのウニクレディト銀行の12兆36百億円に、わが国の三菱UFJ銀行は11兆73百億円で、後塵に拝しているわけです。みずほ銀行などは、たったの6兆円です。

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馬鹿げたマスコミ論調を変えないと、少なくなった配分を争ってもしょうがありません。それより豚は太らせて食えでしょう。国策逮捕を実行した東京地検さん。ライブドアのような小粒の会社を…村上さんのような小さなファンドを…鄧小平のような大きな度量をもって政策は運営されるべきでしょう。違うのでしょうか? 小さな職権を濫用するのは小童役人のすることです。建築基準改正法も、サラ金法改正も…法律は本当に必要なものを…しかも時代に合わせ改正できるように、時限立法で…日本は島国ですが、グローバル競争に勝てないと国民が食えないのです。

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投資家の皆さんは良く考えて下さいね。PBR1倍以下の企業がゴロゴロしています。来年の景気動向が悪い?そんなことは、誰でも知っている事実ですね。今日の金融新聞の一面記事はサブプライム特集でした。しかしABX(サブプライムモーケージを組み込んだ証券化商品の信用指標であるABX指数)の世界では、既に市場は織り込み済みなのでしょう。年末を迎え今年の相場を考えると、BRICs銘柄の見方が勝敗を分けたようです。来年は、果たしてどんな年になるのでしょうか? 一年間、IRNET「今日の市況」をお読みいただきましてありがとうございました。

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投稿者 kataru : 15:18