今日の市況(2007年)(2007年08月21日)
かたる:NY市場は落ち着きを取り戻しつつあるが、未だに動揺は残っている様子で、住宅ローン大手のカントリーワイド(CFC)は従業員の削減を検討し、クレジット大手のキャピタル・ワン(COF)は住宅ローン部門を一時閉鎖、住宅ローンのソーンバーグ(TMA)は高格付けの住宅ローン担保証券を205億ドル売却するとか…住宅がらみの話しが話題に上っている様子ですが、VIX指数は12%下落したという。
時代や:昨晩のNY市場は、どうにかプラス圏で引けて良かったね。しかしまだ動揺している様子だね。故に日本株も戻りが鈍いのかね? 昨日458円株が上がって、今日は168円上がったけれど、金曜日の874円安の分もまだ戻してないね。弱いね、日本市場は…上海総合株式は新高値だというのに…どうなっている?
トロ:大丈夫だよ。早晩、落ち着きを取り戻し好業績株から株価は戻るよ。昨日も言ったけれど業績は好調だからね。実体経済が良いのだから株は上がるよ。銘柄は選別されるかもしれないが、新高値を更新できる銘柄も出てくるよ。
かたる:どうだかね…。
僕だってある程度リバウンドをすると思うよ。しかし実態景気が好調だから株価が上がるという論理は間違っていると思うよ。いつもそうだけれど、金融が先を走るんだね。景気が良くなる前にお金をジャブジャブにしなくてはならないよ。ところがどうだろう? 昨年の3月9日に5年続いた量的緩和政策を日銀は解除し、今年の2月21日まで2回金利を引き上げ0.5%に戻したね。
時代や:金利の正常化に向けて日銀は金利を引き上げるのは当然だという声もあるね。かたるも引き上げ賛成派じゃなかったの?
かたる:うん、難しい問題だね。実際に相場や経済環境を見てみると、日銀の金融政策による影響が世界の流動性を決めているようにも見えるね。つまり日銀のゼロ金利政策が世界に流動性をもたらした。しかし正常化への過程で、既に日本株は弱含みの展開だからね。住友不動産の株価をみると、すごい展開だったけれど、今後は横這いになるかどうか微妙な展開だね。
日本には外人投資家の資金が、ずいぶん不動産関連に流れているからね。日本の金融機関はサブプライムローン問題でも被害がなかったように、まだ、金融機関にゆとりが生まれないんだね。本当に銀行が儲かっているなら税金を払うし、多少のリスクを取る冒険をするよね。日本は二極化現象なんだろうね。つまりBRICsの成長の恩恵を受けている業種と未だに後遺症の整理に追われている業種と…
神主さん:なにか、最近のかたるの言動は、相場に対し弱い見方のようだね。
かたる:そんなことはないよ。僕は何時だって前向きだよ。しかしやはりブルドックをはじめ様々な現象を見ると日本と言う国は…と言う印象で、この辺りでボックス相場かな?と言う印象を持っているね。日本の政策金利を含め様々な問題を消化する時間が必要なんだろうね。その間、やはり中小型株の材料株物色が続き、再び、銀行株から本格的な相場がスタートすると思っているよ。
神主さん:その銀行株の相場と言うのは…いつ頃を想定しているの?
かたる:さぁ~、銀行が税金を払う2年後程度かな? 2009年かね?
時代や:それまで株は駄目なの?
かたる:目先は戻るよ。そのあとの展開だね。僕はBRICs銘柄が新高値を抜けるとは考えていないよ。理由は流動性相場が正常化の過程を歩むからだね。今回のサブプライム問題も正常化へのステップの一環だよ。
時代や:でもトロは違うんだよね。
トロ:僕は上がると思っているよ。BRICs銘柄の業績は落ちないよ。日本の企業はようやく海外進出を加速させ始めているね。建設機械などは空前のブームが続くよ。日立建機、コマツは増産体制を整えているんだよ。このような下げは絶好の狙い目じゃないの? 商社だって低いPERだし…上げ過ぎた反動もあり一服しているに過ぎないよ。
時代や:意見が分かれているんだね。でもかたるもトロも株が下がると言う意見ではなさそうだね。まぁ、ここからさらに下がるようでは大変だけれど…
神主さん:鍵はアメリカ景気が握っているのかね? 住宅から消費への減速を懸念する声も出てきたね。
かたる:僕はグリーンスパンの論理が分かるよ。ゴールマンサックスは今年の3月に流動性相場の終焉を指摘していたね。グリーンスパンの金融政策批判もその頃だよ。アメリカ景気は減速していると…僕は前議長に歩があると思っているね。ただそうひどくはならないよ。やはりBRICsの成長は続くからね。
でも正常化への過程において流動性が減少したのが、昨今の異常な出来高だね。おそらく、この水準で落ち着きくだろうが時間が掛かるだろう。故に、すぐにBRICs銘柄が新高値を追うとは思えない。これから色々なデータが固まるのを待つ必要があるからさ。だから新日鐵などの大型株を持ち上げるのは無理だよ。戻りに限界があり、いずれ、みずほのような展開になると思うね。
時代や:それではどうなるのさ?これからは…
かたる:前回はリターン・リバーサル相場か?と言われたよね。僕の勝手な解釈かどうか分からないが、今までの流れの銘柄を売り、今まで不人気だった銘柄を買う動き。…と解釈しているが、あの日はBRICs関連が売られ、新興株のヤフーなどが買われていた。しかし結局はロングショート戦略の解消だったみたいだけれど…、意外にあの解説は正解かもね。
大型株を上げるのが無理な以上、好業績の中小型株を取り上げるのが僕のシナリオだよ。もう一つは日本に対する失望だ。故にみずほなどの銀行株が下げてきたときは、嫌な印象を感じたけれど…幸い、昨日、今日と上げているね。大きく下がらなければ大丈夫だと思うよ。
時代や:どうして銀行が下がると嫌な感じなの?かたるは銀行が、次に上がるのは2年後ぐらいの予想なんでしょう。
かたる:仮に、銀行株が下がるような相場展開になれば、どんな割安株を買っても無駄だね。失われた時代の再現になる。長期下落相場だね。業績も関係ない。だから嫌な印象を持ったの。可能性がないとは言えない。ブルドックに代表されるように一連の現象を見るとね。今回の防衛庁人事は、完全な小池大臣の敗退だね。守屋氏の勝ちで、役人天国の強さを印象付けた事件だったね。小泉政権時代も田中真紀子氏がやられている。役人の壁は強いね。
こんな現象を見ていると、改革は進まないね。公共事業投資を毎年3%ずつカットした為に、自民党の集票マシンは壊れ一人区で総敗退したんだね。片山虎之助や島根の青木幹夫前自民党参議院会長の側近の影山氏は落選しているからね。役人は安倍政権を舐めている。次の衆議院選挙が待たれるよ。おそらく新高値を越えることができる銘柄は、ほんの一握りじゃないかな?
時代や;やはり相場観は弱いんだね。珍しいね。かたるが弱いなんて…
かたる:だから誤解だって…僕はガンガンの強きだよ。BRICs銘柄や日経平均株価が大きく上がる路線が見えないだけ…2万円相場の可能性が…見えないんだね。中国は戦略的に孔子学校を世界中に180校出しているようだね。残念ながら日本には覇権を取るという気構えも戦略もないようだね。これではインドに与える円借款程度では、新しい相場を描けないよ。日本はチマチマと仲間争いをしているよ。新日鐵のような経営者意識が日本のリーダーだからね。残念だよ。TBS問題もそうだし…みんな敗退している。
トロ:新興株派のかたるは追証で弱気になっているんじゃないの?まぁ、人間1年半も下げ続ければ弱気になるもんだよ。
かたる:夜明け前が暗いだけだよ。既に時間をみれば夜が明けるよ。8月は最後の期日を迎えているからね。やはりみんなが儲けるのは難しいのだろうね。必ず株は上がる前に下がるからね。今回のBRICs銘柄は逆だね。下げる前に超人気になって株が上げ続けるし…僕はリターン・リバーサル戦略に歩があると思っているよ。さて強気に対処だよ。頑張るぞ!
投稿者 kataru : 2007年08月21日 17:47