未来かたる・時代や・トロ・神主さんの

今日の市況

今日の市況(2007年)(2007年09月03日)

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かたる:NY市場の先週末は大統領の声明を受けて高かったね。バーナンキFRB議長も必要に応じて行動するという。もともとサブプライム問題の原点は金利水準の影響によるものだから、金利が下がれば不良債権も減るわけですね。

神主さん:ただ、今回の応急策は問題の解決にならないという意見も多いね。

トロ:そうだね。金融新聞も悲観的な解説だったね。なにやら考えていたより、次第に全貌が明らかになるにつれ深刻そうだね。

時代や:難しい金融工学が多いから、解説本が出ているという話だね。

かたる:横文字が並ぶので僕も苦手だけれど…
当初、バーナンキFRB議長の説明では金額が少ないから心配ないという解説だったけれど、見えない恐怖に脅え資金の流れが止まったからね。この影響の方が恐いんだね。サブプライムの問題よりは、二次的な被害の方が大きいよ。しかし基本的に政策担当者、なかでも大統領が問題を認識しているという点は評価できるよ。

トロ:そうかな…心配だね。大丈夫なのかね?

時代や:かたるはお金が萎縮すれば、実体経済に影響を及ぼすという考え方じゃなかったの?

かたる:うん、そうだね。だから警戒感は捨て切れていないが、一番、畏れていた事態は回避できそうだよ。やはり何度も言うが、政策担当者である最高権力を保持している大統領が声明を出した意義は大きいね。

神主さん:しかし、かたるは、当初、かなり弱気だったね。

かたる:そんなことはないよ。基本的には問題が大きくなり、雑誌や新聞に内容が公表され、実態の解明が出来れば動揺は収まるよ。サブプライム自体の問題より、二次的な警戒感が実体経済に影響を及ぼすのが恐いんだね。「リスクの容認」と言うことは金融コストが上がるので、基本的に利上げと同じ効果になるよ。政策金利が5%だとしたら、プレミア分が2%なら、今回の問題で、このプレミア分が2倍の4%になり政策金利に上乗せされ実質金利は5+4=9%と言う金利まで上がったのと同じような効果を生むね。この影響が大きいんだね。故にM&Aに影響が及ぶんだね。

トロ:ずいぶん、極端な話だけれど、分かる気がするね。確かにプレミア分が軒並み拡大したからね。

時代や:一部で既に、世界的な株高は終了したという意見もあるよ。

かたる:今日の日経新聞の景気指標の欄に、中国と日本の株式時価総額が逆転したと書いてあるね。中国の香港、上海、深蝨ウのそれぞれの時価総額は264、276、82兆円で合計が621兆円。7月の末から1ヶ月で44兆円も増えたそうだ。一方、日本市場は一部、二部、マザーズ、ジャスダックや大阪、名古屋の単独上場を合わせても552兆円で、7月の583兆円より31兆円も減っているという。お金の流れが景気を左右するんだね。分かるかな? 株が儲からなくなったのは昨年からだよね。やはり景気動向は一進一退で日銀は景気が上昇しているというが…どうかな?

時代や:やはり、お前の株に対する見方は、弱いんじゃないの?

かたる:今日は好業績の海運株が賑わっていたね。大手の海運より中小型の方が確りしていたね。乾汽船などが新高値を形成していたよ。ただ市況関連だよね。

時代や:しかしバルチック海運指数と言うのは最高値を更新しているんだよね。

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かたる:そうらしいね。上のチャートをみると凄いね。しかし一つの現象には、必ず二面性があるんだね。オーストラリアの港湾設備状況はわるく、いつも船が荷揚げを待っているというね。この待ち時間と日本まで荷物を運ぶのと同じなんだって…この状況を打開する為の対策は、既に打たれているが時間が掛かる。三菱商事などは鉱山から鉄道を引いて港まで整備するというからね。造船所は今フル操業で、毎年、新しい船がドンドンできている。

一方、中国などの社会資本整備は峠を越えつつある。建設機械が好調だと、トロは指摘するが、確かに新しい需要は旺盛だが、既にアメリカは下火になっているし、日本も特需が終了したとの見方があるね。この現象を裏付けるように中古製品の取引が鈍っているという。すこし建設機械にも変調の兆しがあるよ。危ないかな?

トロ:一体、何が言いたいの? また自説のBRICs銘柄は危ないと指摘するわけか?

かたる:薔薇色相場は終ったといっているだけ…。好業績だけに当面は大きく下がることはないが、大きく上がることもないだろうね。警戒したほうが良いよ。海運株も含めてね。

神主さん:やはり弱気のようだね。

かたる:そんなことはないよ。新しい兆しが見えるよ。民主党が参議院で勝利して経団連会長の御手洗さんを国会の参考人招致に動いているという。例の偽装請負の問題で追求するらしいね。一方、フルキャストの問題など事後規制に対する戸惑いが日本企業にあるね。これまでは事前に処理していたものが事後に罰則から入るもの。今週号の日経ビジネスに特集が組まれているよ。

時代や:なんだか…また、おかしくなるの? 遠藤農林大臣が就任早々引責辞任するし…恐い話だね。やはり株なんて、買えないんじゃないの?

かたる:なんで、そう言う見方になるのかね? 民主党が勢力をつけたので、まともな政策論争が進むよ。誤魔化しの日本的な決着でなく、白黒をハッキリさせる決着が迫られるよ。

時代や:どうして、それが株高に繋がるの?

かたる:もともとおかしいよ。「派遣」だとか「請負」だとか…。言葉のアヤみたいな違いで処分されているんだからね。問題の本質を議論すれば、労働問題も問題点が明らかになり、効率的なお金の使われ方になるよ。これまでの日本の政策は、互いの利害調整が優先されて、問題の本質の討議は後回し、そのために効率性が失われ、代表的な例として、掘っては埋める無駄な公共事業にお金が消えていったんだよ。分かるかな?

本質的な政策論争が実施されれば、効率化が優先されお金の無駄がなくなるよ。故に、日本が大きくステップアップする為の通らなくてはならない関門に、ようやくたどり着いた感じだね。確かに目先の景気動向は怪しいよ。サブプライムの問題は適正なリスクの認識を伴うから、流動性が失われるかもしれないが、それ以上に本格的な政策論争は日本の未来を築くね。ようやくトンネルの出口が見える気がしてきたね。

トロ:分からなくもないが、長期的な展望過ぎて…まだ国会の論争が始まったわけでもないし、かたるが臨む方向性も見えないよ。考えすぎじゃないの?

かたる:ここでの足踏みは仕方ないよ。しかしビスタニュースの原稿に書いたように、次の時代が見えてきたよ。銀行株、特にみずほの来年の動きは注目されるね。

時代や:えっ? ようやく銀行株が上がるの?

かたる:違うよ。たぶん下げるんだろうね。そこが本当の銀行株の買い場になるね。それは来年だろうね。

神主さん:何か、かたるの頭の中の時間軸が可笑しいんじゃないの?

かたる:株はね。現状より将来の夢なんだよ。確かに現実の利益も大切だよ。しかし2年後3年後に薔薇色でないと大きな相場にならないね。日本には未来が見え始めたよ。

トロ:おいおい、それまで持たないよ。目先の3ヵ月後ぐらいなら、なんとは我慢できるかもしれないが…2年後、3年後なんて…

かたる:来年は面白くなるよ。いろんな意味でね。さて今日のポイントは本格的な政策論争だね。果たして金融新聞の報道のように、キャノンの御手洗氏が参考人に呼ばれるか?防衛庁の利権構図が地検によって暴かれるという話もあるらしいね。だんだん、本物が頑張れる世の中になるよ。頑張ろうね。もう直ぐだよ。

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投稿者 kataru : 2007年09月03日 19:54