今日の市況(2007年)(2007年11月15日)
かたる:概ねサブプライムローン関係のアメリカでの10-12月期の損失計上は峠を越えたようですね。問題はピークを迎える来年1月~3月とまだ明らかにされてない欧州分です。本家のアメリカでの峠は越え、年末・年始の相場に向かうのでしょうが、日本と同じく方向観が定まらない様子です。理由はアメリカ経済の状況と新興国の見通しが不透明だからでしょう。メリルリンチの調査では、日本株のアンダーウェート割合が47%となり4年半ぶりの不人気だそうです。2003年の6月以来だそうです。
時代や:折角、9日ぶりに反発した日本株は、また下げちゃったね。やはり買戻しだけじゃ…元気が出ない様子だね。新興株の動きも冴えないし…。昨日、ストップ高を演じた楽天などは一日天下だからね。BRICs関連も引けには株価を維持できなかったね。
神主さん:そうだね。日本もアメリカと同じで、方向性が見えないよ。好業績が来期も続く可能性は薄そうだし…。ひょっとすると、この第3四半期、第4四半期でピークなのかもしれないよ。
トロ:確かに…安いとは思うけれど、なかなか個別株の動きにならないね。売買代金トップのみずほは、引けに値段を崩しちゃったね。この所、銀行は終日、安いよね。
かたる:銀行は金融庁の指導で、収益チャンスを阻まれるからね。バブル崩壊による失われた時代の反省でインフレにもなってないのに、直ぐに指導が入る。しかしゴールドマン・サックスがシンププレクス・インベストメント・アドバイザー―8942を収益還元法により株価を時価の2.36倍と高く評価して買い取ることを決めたね。金融庁に聞かせてあげたいね。
更に建築基準改正法の影響もあるのだろう。業績不況で収益チャンスを潰している。
下のグラフは首都圏の新規住宅着工件数とマンションの契約率を表しているよ。9月はなんと72万戸だよ。マンションも契約も低くなり、好調の目安とされる70%を2ヶ月連続で下回り、在庫は一年前に比べ28%も増えていると言うよ。住宅も車も売れない。景気は低迷だね。辛うじて企業好業績が良いのはアジア中心の新興市場の需要による外需の影響だからね。
誰が考えても、アメリカ景気に陰りが見え始め、現時点ではソフトランディングできるかどうか分からないよ。まぁ、確認されるのは来年の春だろう。一方、中国では労働対価が上がり、輸出に頼る中国経済も懸念が見えるね。おまけにインフレ率が上がっており、固定資本形成の行方を左右する金利は上がる方向にあるよ。だからBRICs銘柄の特に市況関連は危ない銘柄なんだね。僕はビスタニュースで、何度も指摘しているよ。このIRNETでも言っているよ。
トロ:そうだな。その通り、去年から言っているんだから…
時代や:そう、そう。折角、商社を早めに狙っていたのに、双日は早めに諦めて、上がり始めの新日鐵を、ぼろ糞に批判していたね。その後、新日鐵はなんと500円から900円へ急騰したんだよ。その間、推奨していた新興株は下げる、下げる。半値は当たり前、1/3、1/4と財産をドンドン減らしたもんね。たいした眼力だよ。
かたる:言い訳はしないよ。確かに、そうだ。見込みは約1年も違ったからね。ただ読みの流れは合っているよ。
時代や:そう言うのは、合っているなんて言わないよ。見込みが外れているというんだよ。
神主さん:しかし、ここに来て、まだ早いのかもしれないが、新興株派が増えつつあるよ。ひょっとすると、これから新興株がまた活躍するのかもね。
かたる:当たり前だよ。その辺の考え方は、チャンと述べているよ。どうして新興株なのか…って。現在70歳代の人は、日本が今の中国のように高度成長した時代を体験してきたから、建設や鉄鋼などの株が好きだよね。そうして団塊の世代は、自分が中学生・高校生の時代に急速に発展したから、「3丁目の夕日」のような時代、昭和30年代に憧れを持っている。三種の神器と呼ばれる「テレビ」「洗濯機」「冷蔵庫」が家庭に入り込んだ時代なので電機株が好きだよね。東電通がソニーに変身する。松下が成長株の時代だからね。そうして、今はウインドウス95が生まれ、インターネットが普及した時代だから、若い世代は、ネット関連株が大好きだよ。おそらく、しばらくこの動きは続くのだろう。
時代や:しかし本当に新興株が復権するの?
トロ:収益が不安定なボロ株だよ。中身は全然ないよ。
かたる:そうかな? お前の基準が、何処にあるのか知らないが、成長性だけならネット株などの新興株だね。例えばモバイルコンテンツのDeNA―2432の売上は、前年同期比114%も伸び営業利益も159%も伸びだよ。更に売上高営業利益率も42%に上がっておりすごいね。ただ株価は既にPER70倍程度に評価されているが、この評価は妥当だろうね。
トロ:たかが63億円程度も小さな会社だよ。話にならないよ。僅かな売り買いで株価が大きく振れるんだからね。
かたる:確かに…そうだね。兆円単位の売上の会社とは違うからね。しかし相場の流れを考えれば、大型株を持ち上げられる環境ではないよ。やはり成長率を重視する夢を買う相場展開になるだろうね。幸い、ネットなどの新興株は公認会計士様のおかげで厳格な資産査定が実施されINDEX-4835のように大幅に減損会計を迫られたからね。保守的な会計だよ。現状が赤字なら、純資産価格でしか評価しないのだから…いくら将来性があると言っても認めてくれない。故にM&Aなどの買収戦略をとった会社は軒並み株価が大きく売られたね。これはある意味でチャンスだよ。
トロ:ボロ会社が、たまにお金を得る機会があり、高値の買い物をしただけだよ。なかなか収益が生まれない会社だから公認会計士が厳格な査定をしたの。馬鹿らしい。急回復などするものか。
かたる:どうかな?他にも倍増ペースで伸びているコンテンツ会社は見られるよ。売上が2倍以上、利益が2倍以上なら、PERは100倍以上だろうね。僕はそう判断しているね。注目される企業が来春に向け活躍するよ。まぁ、どっちが正しいか、時間が経過すれば分かるよ。それでは僕らは強気に対処だよ。ようやく、僕らの時代が、また、やってきたんだから…。
投稿者 kataru : 2007年11月15日 18:20