今日の市況(2008年)(2008年11月20日)
何か最近は日本株の話題より米国株の動向が市場の中心となっています。何故、これほど米国株の動向を気にするのかと言えば、グローバルマネーの動きが重要だからでしょう。株屋もなれない英語のホームページを見て大変です。先ほどまで米国の金融株の財務諸表を見ていました。最近のレポートは時間が掛かりますね。何しろ日本語じゃないので…トホホ…株価の動きもトホホ…金融機関の過剰投資が原因で投資銀行業務の真価が問われているわけです。共和党のブッシュは過剰な規制は好ましくないという立場です。しかし商業銀行は比較的健全でしたが、投資銀行は利益を追求した為に在庫を増やしました。その在庫が劣化しているのだから堪りません。金融機関の自己資本比率はグローバルで8%、国内行で4%が基準になっています。
しかし…今回の株価の下落を辿るとサブプライム商品だけでなくCDSなどと言う新商品が密接に関わりを持っていることが判明しました。残高が54兆ドルとか言われていたので、とてつもない金額に思えましたが、リーマンの倒産により70倍程度のレバレッジがあるようですから、考え方としては70兆円ほどの実態があるのでしょう。この辺の認識をどう捉えるかにより相場の考え方が変わります。CDSをコマ切りして組み合わせた商品がCDOです。先頃、ソフトバンクも最大750億円の損失が発生するリスク商品を持っていることが判明しました。2005年から逃げが打たれており2007年半ばまで大量に販売されたのでしょう。本当に裏付けのCDSが存在するのかどうか…疑わしいような気もしますが…販売手数料を1%とすれば54兆ドルなら…まぁ、1ドルを100円にすると5400兆円で54兆円の収益を生みますね。この想定元本の定義も曖昧ですが…
なんだか、原因を見極めようとすれば頭が痛くなるような複雑な仕組みを理解しなくてはならないし…全てが相対売買で、しかも闇に隠れていますから混乱するわけです。
そこで実験としてリーマンとAIGが選ばれ、清算しはじめたのが9月15日からの2ヶ月です。下のグラフは9月12日、つまりリーマンがまだ潰れてない大手金融機関の株価を1として捉えたグラフです。なんと昨日で、ついに半値以下になりました。ただ金融サミットでこの商品に格付けと言う裏付けを与えた格付け会社が登録制に移行される事により規制され、CDSの取引には取引所が対応する事になり透明性が高まります。更に投資した金融機関に自己資本比率規制が適用されるものと考えられます。
ヤフーファイナンスから財務諸表をみて調べて見たら下記の通りです。
日本の場合は10%を維持する事になりますが…ここでの株安で怪しくなっています。ここに来て金融株の下げがきついのは日経新聞の報道のような見方があるからです。「逆風強まる大手銀行経営」4面です。明日も連載かな?
「喉もと過ぎれば…」の諺がありますが、新日鐵の株式持合い要請に応じるから…こういう結果になるのです。何も新日鉄だけではありませんが…馴れ合い市場主義がグローバル化により維持できないのです。本物の経営を…構図は黒船来航と同じですね。今一番注目しているのは米国株の動向です。米国ダウ平均株価はチャートが示すように…7000ドル台の水準は、かなり下値が堅い水準です。これこそ逆三尊で7500ドル前後が下値かな?
ここで注目しているのは株価の高い、しかも投資銀行の雄である勝ち組のゴールドマンサックスの株価です。バフェットが投資した会社ですね。彼が決めた株価が120ドル前後でしたから、あれから半値以下です。一部で異常に膨らんだ資産の整理に時間が掛かるから世界的にデフレが進行する。だから日経平均株価も5000円と言う見方が存在します。三菱商事の動きを見れば論理的な株価が無視されるわけで…私には恐怖心理が作った株価に見えますけれど…人それぞれ見方が変わる訳です。日経平均株価では10月28日の7621円と翌日の7741円の間に窓が空いており埋めるという見方があります。今日の株価は7703円であと82円です。あぁ厳寒の株式市場、今日は珍しく11月なのに郷里の長岡で雪が降ったそうです。はやく金融相場の春になればいいけれど…
投稿者 kataru : 2008年11月20日 19:06